第6話「や~め~て~! ケンカしないで~!」
……自分でもナゾ。なーんか秒で『行くー』とか言ってるし。学校外でぼっち関係ないのに。まーでもなんだろ、おばさんうざいししつこいしー? ホント行ってあげてもいいってだけ。佐ぁがクっソイヤそうなの気分いいし、どこ行くか知んないけどまたステーキとかたかれるし。
てかどういう魂胆・根性って花のほうじゃん。マジ先週から『黒川さ~ん』って絡む絡む。シカトすんのもダルく・しんどくなるっての。アンタのことアタシ嫌いなのわかってないの?
わかっててだったらヤバいわ・ソンケーするわ。嫌いなヤツに優しくできたら世界平和なるわ。
アタシが佐花とトモダチなるわ。
「雪佐くん、お昼どこ行く~?」
「どこでもいいよ。巡条さんが行きたいとこで」
「はい、丸投げー。自分で選ばない・選べないクソオトコー」
「う、うるさい。黙ってろクソ女」
「や~め~て~。クソなんて言っちゃダメ~」
電車乗ってて花ぁ挟んで三人で座ってる。ギャル・セイソ・マジメってつながりイミフかも。
「遠慮しなくていいのよ~。なにか食べたいものってな~い?」
「うーん……ラーメン? あ、いや、普通にないよね」
「ないない、オトコだけで行けってとこだわー。ムードないし騒がしいしカロリー高いしー」
「……おまえには言ってない・聞いてない。爪とスマホ一生イジってろ」
「あん? バカにしてんのかテメゴラ」
「や~め~て~! ケンカしないで~!」
両腕ばたばた佐ぁとアタシにらみ合わないようする。ムカってきたのにフフってウケる。
「アンタってなんてーの、ホント天然でそんななんだー」
「天然でそんな~? ……どんな~?」
「いやー、クソアマナはゆるふわ演じてるけどさー、花ってもうタマシイからしてそうじゃん」
今の見てわかったわ、素ぅでフシギちゃん。あ、おばさんだしフシギさん? アハハハ!
「だからクソなんて言っちゃダメ~」
言うし、アイツマジクソだし。アタシからカレシもポジションも盗ってティアラ乗っけてる。そろそろ女王慣れてなんかしてくるかも。ぜんぜんいい、返り血浴びるくらい返り討ちする。
とか思ったあいだにあっち向いて佐ぁに言ってた。
「ラーメン、普通にいいじゃな~い。決まりね~」
決まったんだけどそれきり黙ったんだけどー。
「…………」
「…………」
どっちもうつむいてぼーっとしてる・ヒマしてる。スマホもイジんないってショーワなの?
「なんなのアンタら、シュギョーでもしてんのー?」
「……は? 修行ってなにがだよ」
「ほら、なんだっけ、メイソー? してるわけー?」
「瞑想なんてしてないわ~。どうして~?」
「じゃあなんで葬式みたいにシケてんのー? それか実はテレパシーでしゃべってんのー?」
「そんなわけないだろ。――じゅ、巡条さん?」
花ぁあっち向いて佐ぁんこと見つめてるっぽい。そんで言った。
「伝わった~?」
「……はい?」
「テレパシー、送ってみたの~」
「フっ! アハハ、アハハハハ!」
フシギさんおもしろー! そりゃ24で高校来てるだけあるわー! おなかイター・ヤバー!
「……萌。笑いすぎだろ」
「そ、そんなにおかしかった~?」
「おかしいおかしい、アハハハハ、アハハハハハハ! ア、アタシにもテレパシー送ってー」
わかったわ~ってニコって見てくる。その向こうで佐ぁはギロってにらんでくる。
「…………」「…………」
オンナ同士見つめ合う。目ぇデカ・鼻高・顔ちっちゃ! ……ムカつくくらい美形じゃん。髪はシュシュでまとめて肩に流してさー、なんか上品でさー。そんなのアタシ合わないっての。
「伝わった~?」
「ぜんぜーん。アタシから送っていー?」
嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い、大嫌い。目ぇまっすぐ見てこれでもかって念じてやった。
「ん~……嫌い~?」
「っ!? すごっ! おばさん、テレパシー受信できんの!?」
「おばさん言うな!」
佐ぁうっざ・うっさ。まあまあ~ってなだめられてやんの。で、こっち見て言う。
「テレパシーじゃなくってきっとそうよね~って。けれどこれから大好きにさせちゃうわ~」
「あっそ。ちなみにアンタ、なんて伝えようとしたのー?」
アタシには〝雪佐くんと仲よくしてね~〟・佐ぁには〝萌々奈と仲よくしてね~〟だって。
「するわけないし」「するわけないよ」
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