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24JK  作者: 百雲美呪丸◎
四章
33/214

第2話「日なたで笑顔で白ワンピ!」

 ……言ってみるもんだ。「家はちょっと~……」とかってゆる~くお断わりかと思ったのに。それでまたファミレスで今週こそ、第2回こそ、邪魔のない勉強会にでもなるかと思ったのに。普通にドキドキしてきた……。しかも夜遅くまで付きっきりで見るとかほざいてしまった……。

 ガタンゴトン、ガタンゴトン――


「こんな路線乗ったことないでしょ~? 変な郊外行きですいていても逆は・朝は混むわ~」

「変な郊外って……。朝、痴漢とか大丈夫?」

「だいじょうぶ~。スカートが長いからかしら~、ちっとも狙われないわ~・そそらないわ~」


 それに制服を着たおばさんって丸わかりなのかも~とおっしゃる。おばさんじゃないです。


「…………」「…………」


 電車乗って3ラリーで会話終了……。隣に座る巡条さんもなんだかドキドキして見える。

 そういえば『収録』と聞いてニューチューブでもやってたのかと探したけど出てこなかった。そりゃ本名でやってるわけがない。見つからなくて当然だ・残念だ。……存在するなら観たい。

 見たいといえば巡条さんの衣替え。紺色でシックな冬のセーラー服のほうがより似合いそう。あ、家着いたら着替えるのかな。この微妙な季節の24のお姉さんの部屋着ってどんなかな?


「…………」


 想像つかないけどなに着たってまあたまらない……!

 にしてもひとり暮らしの女の人のアパートに行くなんて――改めてすんごいエんロい……。まず女の子の家に行ったことがないのに、初めてがこんな、アダルトでキュートな人んチって。へ、変なこと起きないかな。とてもじゃないけど僕からは無理だ(レベル(歳)が8も上だ)。やっぱりこう、ベタもベタだけど、古典的・伝統的な年上お姉さんのセクシーなお誘いがいい。


『今日はありがと~。そ、れ、じゃ、あ……お返しに私がエッチなこと――教えてあ、げ、る』


 はい……! って、はいじゃない……。失礼ながらそういうことたぶん教えられない……。

 こっちからも向こうからもダメとくれば――これまたベタだけどハプニングに乞うご期待。

 妄想に次ぐ妄想で果ては勝手にセクシー化までしてほどなく、巡条さんが重い口を開いた。


「い、異父母きょうだいって血のつながりが半分だから2.5親等かしら~」


 どんな話題ですか・ひきだしですか!? この前の犬猿といい無理にひねり出さなくても! 確かきょうだいは通常2親等。だけど種違い・腹違いなら2.5――なのかもしれませんね! 


「……うん」


 としか言えなかった。ふくらませられなくてごめん……よし、僕もひねり出そう。…………。


「きょ、今日は暑くなくてちょうどいいね」


 なにも出てこなくて……つい……。天気の話に逃げずおかしな話しだすすごさがわかった。


        ◎


 電車に揺られること30分・歩くこと10分、言いかた悪いけどもはや東京じゃない郊外来た。巡条さんが暮らすアパートは2階建てで古く・小さく、築うん十年の〝味〟が出まくってる。具体的には……なんか崩れて(?)たり亀裂が入ってたり、ツタが呪いのように伸びてたり。オンボロとは聞いたけど正直ここまでとは思ってなかった。でも重要なのは外観より内装だ。


「さ、上がって上がって~」

「お邪魔します……」


 階段をのぼって5部屋あるうちのド真ん中、〝巡条〟のネームプレートの扉のなかへいざ。

 靴脱いですぐの右にキッチン・左に扉(風呂・トイレらしい)の短い床でこけそうになった。


「っ……!?」


 なに踏んで足すべらせそうになったのかと下見たら――パ、パステルピンクおパンティー!


「あっ、まって、見ないで~・上がらないで~!」


 鍵を・扉をあけて先に通してくれたけど、慌ててすり抜けてドタバタお片づけ。

 チラっと見たというか見えたというか、六畳一間の部屋中に下着だなんだ散らかってた……。


「お見苦しいものをごめんなさ~い……。い、いつもは綺麗にしているのよ~」


 ……いや、嘘ですね。朝弱いって言ってましたし40分もかかりますし散らかし放題ですね。

 で、内装はそこまで悪くなかった。シミひとつない白壁だしエアコンもちゃんとつきそう。


「疲れたでしょ~、楽に座ってね~。今お茶出すわ~」

「あ、うん。ありがとう」


 いえいえ~ってキッチン横のちっちゃい冷蔵庫開ける。

 僕はローテーブルの前に腰を・かばんを下ろし、お茶ついでるのをよそに部屋を見まわす。勉強机があってタンスがあって衣類を突っ込んだカゴがあって――目ぼしいものはそれだけ。ぬいぐるみとか造花とか小物はいっぱいあるけど、パソコンもテレビもなくて普通に殺風景。いくつかある写真立てでタンスの上のやつにとくに目がいく。この巡条さん――幼い……!


「は~い、どうぞ~」


 わ~い、どうも~。秋の訪れに麦茶をふたりして飲む。幼い巡条さんの写真聞いてみた。


「ん~、それ~? 10年前よ~・14歳よ~」


 14歳! 昔は短かったって言ってたけどほんとにショート! 日なたで笑顔で白ワンピ!

 率直にかわいいって・万年にひとりって言ってしまった。


「うふふ、万年にひとりだなんて~。けれど万人で一番って浮かれちゃってたわ~」

「……万人で一番?」

「ええ、学校離れの第一歩~」

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