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24JK  作者: 百雲美呪丸◎
四章
32/214

第1話「巡条さんの家に遊びに行きたい……かな」

 雪佐くんと食べに・遊びに行った日から明日で一週か~ん。10月になって席替え・衣替え~。毎月初めに席替えするんだけれど~、先月は雪佐くんが転校してきたばかりでなかったの~。隣同士だったのに離れ離れになっちゃった~……。私は教室の中央・雪佐くんは教壇の最前~。前にふた席・左にひと席でまだ近距離で~、プリントを渡すときに振り返った顔が見れるわ~。それから雪佐くんの右隣(私の前の前)が黒川さ~ん。ふたりのあいだにはベルンの壁~……。

 あれ~、ベルンだったかしら~?


『一字足りてないね……ベルリンだね。ベルンっていったら首都違いだよ、確かスイスだよ』


 まぁ~、詳し~・優し~! ルインで聞いてみたらすぐ見てくれたわ・答えてくれたわ~。

 ヨーロッパじゃなくってオセアニアだったら少し詳しいの~。お返しに出題してみたわ~。


『トンガの首都? ……トンガシティー?』

『ふふっ、メキシコみたいね~。正解はヌクアロファよ~』


 雪佐くん先生も聞いたことなかったみた~い。ヌからはじまるオシャレな名前でしょ~?


『そういえば前もフィジーだったっけ、あいさつブラって言ってたよね。南太平洋詳しいの?』

『ええ、少しね~。仕事と旅行で何か国か行っていて~』

『そうなんだ。え、仕事って?』


 …………。『収録』もそうだったけれどまたボロが出ちゃったわ~! ど、どうしま――


「こら、スマホいじらない。没収」


 雪佐くん、先生にバレちゃった~・取られちゃった~! 私のせいでごめんなさ~い……。けれどこれでこの話題はうやむやにできるわ~。『今日はどこに遊びに行きたい~?』っと~。

 ……遊びに行くより・授業中にルインするよりお勉強よね~。実質8留女子高生だもの~。











 ほとんど辞めたみたいに高校を休学していた不良――正確に言うとアイドルだったもの~。


        ◎


「来週やだぁ、中間やだぁ! ミナ・ルナ・レナぁ、どうにかしてぇ!」

「どうにもならないっしょ」

「勉強しても」

「しなくても」


 授業が終わって休み時間、赤崎さん・青山さん・黄島さん・緑原さんがひと際がやがや~。衣替え解禁っていってもまだちょ~っと暑いのに~、4人はいち早く冬服になっているわ~。きっと気温よりも気分なのよね~。男の子だと前田くん・後藤くんほか数人がもう学ランよ~。

 黒川さんもひとりぼっちになっていなかったら――衣替え、していたんじゃないかしら~。


「…………」


 寂しそうにむすっとスマホをいじっているの~……。私から見える背中だけでわかるわ~。

 月も席も変わったけれど一番変わったのは黒川さ~ん。前田くん・赤崎さんと怒りの絶交~! グループを抜けて接点のなかった子たちと仲よくなろうとしたみたい――なんだけれど~……。見ていると怖がられてよそよそしくって~、昨日から誰にも話しかけなくなっちゃって~……。

 そういうわけで黒川さんの嫌がらせはなくなったわ~。前田くんと……別れちゃったから~、私も雪佐くんもどうでもよくなったのね~。それでも嫌われているとは思うんだけれど~……。私でよかったらお友だちになってあげたいわ~。雪佐くんとも仲よくなれたら――なんてね~。


「いやぁ、結構くどくど言われたよ……あの先生厳しいよ」


 やっと雪佐くんが戻ってきたわ~。職員室まで怒られに・取り返しに行っていたの~。


「私のせいでごめんなさ~い……。いい歳して授業中にスマホをいじるなんて~……」


 お仕事中にルインしてくる舞歌のこと言えないわ~……。


「女子高生ならそれくらい普通にやってるよ。それより海外旅行、よく行くの? すごいね」

「すごくないわ~、年に一回きりよ~。そ、それでその~、今日はどこに遊びに行きたい~?」


 やっぱり気になるのは仕事で海外のほうよね~。……聞かないで~。


「うーん……来週もう中間テストだよね」

「ええ」

「年下のくせに偉そうなこと言うけど……遊んでる場合かな・余裕あるかな?」

「……ありませ~ん」


 すみませ~ん……。男の子と初めて連絡先まで交換して浮かれていたわ~……。


「だからみっちり勉強しよう。今日はバイトもないよね? で、えっと……しいていえば……」


 顔が赤く・声が弱くなっちゃった~。とっても若いわ~・かわいいわ~、どうしたの~?


「巡条さんの家に遊びに行きたい……かな」


        ◎


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