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24JK  作者: 百雲美呪丸◎
三章
28/214

第9話「私、負けましたわ~……」(前話と地続きです)

「私、負けましたわ~……」

「……なんでお嬢さまみたいなの・下から読んでもなの?」


 かれん94・たくま98で僕の勝ち! 100もいかない低レベルだけど僅差・接戦……!

 終わってみれば最初にカコォンと決めただけで、巡条さんは結構な数ガタンガタンガタン。僕は9回目にしてやっと初ストライクでガーターもまだしも。互いにスペアは一個も取れず。


「けれどその差は私たちの歳の差の半分――逆転するわ~・できるわ~!」


 胸の前で両拳をぎゅっと気合入れた。隣に間近に座ってて、僕のほうに向きなおって尋ねる。


「それじゃあ勝ったご褒美に~、なんでもおねがいを~」

「う、うん。か……髪を……ほどいてほしい……」

「ん~? は~い」


 即座にシュシュ取った。まとまってた髪を首振って後ろにやって、両手でふぁさっとする。シャンプーだか香水だかとにかくいい匂いがして、その斜め横顔にドキっと・クラっとした。


「……!」


 いっやー美しい・かわいらしい……! ストレート巡条さん、いつにもまして純情さん……! こっちのが女子高生感出てると思う。普段のはなんというかお姉さん感。普通に好きだけど。

 髪型について聞いてみたら気にしすぎな理由あった。


「実はあえて大人っぽくしているの~。私は15、6歳じゃありませ~んって主張というか~。あのおばさん、若作りして10代に溶け込もうとしてる~、なんて思われたらショックだもの~」

「そんなの思わないよ・わからないよ……。1学期はまさに10代に溶け込めてたんじゃない?」

「いいえ~、きっとみんな違和感を覚えていたわ~。前田くんをフって周知になったけれど~、なにごともなくても遅かれ早かれバレたと思うの~。雪佐くんも私に妙な感じしなかった~?」


 ……しました。清楚なのににじみ出る色気があって、やけに大人びた落ち着いた子だなぁと。


「ちなみに昔は、10代の頃は短かったの~」

「あ、そうなんだ。もうしないの?」

「それこそ若作り――以上の幼作りよ~。おさげにするくらい恥知らずだわ~……」


 ぜんぜんいいと・いけると思うけどな……なんでも似合うよ。

 巡条さんは話を戻す・僕をただす。


「せっかくのおねがい、こんなことでいいの~?」

「え、うん。2ゲーム目はそ、そのままで……」

「ふふっ、わかったわ~。ただのロングヘアーがお好みなのね~」


 学校ではあんまりほどきたくないけど、学外だったら・ふたりだったらいつでもしてあげる。そんな嬉しいこと言ってくれたけど、これもう彼氏にだけ見せる――やつじゃありません?

 視覚的にも心理的にもドキドキしつつ、次も勝って連絡先を聞こうと2ゲーム目スタート。

 コン・コォン!


「いきなりスペア~!」


 いきなりスペア~!? いや、ビビらない・焦らない。言っちゃなんだけどどうせ最初だけだ。にしても髪をほどいたその後ろ姿。背中の半ばまで長いさらっさらをゆらっゆらと投げる様。

 めちゃむちゃくちゃいい……!

 続いて僕が投げた(7ピン倒した)直後、右隣のレーンに誰か来るみたいで画面がスコアに。〝しゅーも〟・〝けまみ〟――個人名とは思えない。変な・迷惑な人らじゃないといいけど。


「ちょっと久々だっけー、ボウリングー」

「だな。ストライク取りまくってやっわ」


 ん? ……ん? この声は――


「あ! またおばさんと転校生いるぅ!」

「ぷっ、かれん・たくまって……アチュラチュっしょ」

「ちょ、カレンちゃんイメチェン系! いつもよりなんか若かわいい系!」


 ま……ま……ま~~たおまえらか~~~~! 来んなよ・なんなんだよ・ふざけんなよ……! 〝しゅーも〟ってシュウ・モモナってことか! 〝けまみ〟ってケイ・マナ・ミナってことか!


「こ――れは……その~・あの~……。ス、ステーキおいしかった~?」

「おいしかったー。アンタが言うからみんなで切り分けて食ったわー」

「だからオレと茉那はなんも注文しなかった。啓の金がちょうど浮いてボウリングできっから」


 カレンちゃんあんがとなって下の名前でちゃん付けに。すかさず黒川が足グって踏んづけた。


「その呼びかたやめてって言ってるよねー?」


 かかとでぐりぐり。たぶんその一足だけを使いまわすっぽいここのシューズでも加減がない。

 考えてみたら教師にタメ口なのに、24って知ったからって〝ジュンジョーさん〟はおかしい。嫉妬深い彼女が釘刺してたわけか。後藤のほうは気安く〝カレンちゃん〟だ。僕が釘刺したい。

 ……それからやっぱり十分金満だな。実質2人分でもシューズは一足でも金浮いたんだな。5人を2チームにするのは問題ないと思う。けど靴代ケチるのは普通にアウトだろ・犯罪だろ。

 まあ僕の・巡条さんの知ったことじゃ――


「あら~? 前田くん以外はシューズは~?」

「みんなの分もないよぉ・買えないよぉ。順番きたらちゃんと履くけどぉ?」

「ダ、ダメよ~! まってまって、私が買ってくるわ~!」


 飛び出してったけどすぐ戻ってきて4人(前田以外)にサイズ聞いた。で、急ぎひとっ走り。


「…………」


 これだから聖女。敵に塩もとい靴送ることないのに……。できた人なんだけど困った人……。

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