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24JK  作者: 百雲美呪丸◎
三章
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第6話「ごはんがあは~ん……!」(前話と地続きです)

 気まずくなって慌ててつまらないこと聞く。


「き、昨日の晩ごはんってなに食べた?」

「昨日の晩ごはん~? えっと~、ドライカレーと冷ややっこ~。ちゃちゃっと作ったの~」

「へー。す、すごいね」

「すごくないわ~、楽ちんだわ~」


 嬉しそうにニコニコする。そうだ、料理するんだった。その手の話がなによりかもしれない。


「と、得意料理ってある?」

「ん~、そうね~……玉子料理かしら~。なかでもオムライスが大好きで~、よく作るわ~」

「オムライスいいね、おいしいよね。…………」


 食べてみたいとか厚かまキモくて言えなかった。代わりにちょっとウケそうなの思いつく。


「ぼ、僕もある玉子料理はよく作るよ」

「まぁ~、そうなの~。そのお料理って~?」

「た……卵かけごはん」


 ぽかーんとされたと思ったら――


「ふふっ、卵かけごはんって~……ふふっ、ふふふっ、ごめんなさ~い、ふふっ、ふふふっ」


 ……どかーんとウケた。卵としょうゆをかけて混ぜるだけの簡単なお料理です。お料理です。

 たぶん十数秒も笑ってやっと収まった。目尻の涙を小指でお上品に拭い、ぽつりと漏らす。


「いい大人なのに恥ずかしいけれど~……きっとこれが青春、なのよね~」

「……え? 巡条さんってその……なかったの? 青春」


 信じがたいけど不良――だったなら。青春なんて酸いも甘いも噛みわけてそうだけど……。


「あるにはあったわ~。でも放課後に男の子とお店に行くような甘酸っぱいのはなくて~……」


 伏し目がちにチラチラ上目遣いで見てくる。知ってか知らずか永久不滅の殺し文句が出た。


「こ、こんなの初めてなの~……」


 そ、そんなの言われたら……遠赤外線のストーブくらい顔が赤く・熱くなった。…………。

 またお互いだんまりになったところで。僕のチキンが先に来た。赤みがかってて辛そうだ。

 早速食べてと勧められたけど巡条さんのドリアを待つ。ほどなく来て一緒にいただきます。


「うふふ、マグマみた~い。ふ~……ふ~……」


 ソースがぐつぐつ煮えたぎってる表面にスプーンを入れ、口元で息吹きかけて冷ましてる。少しすぼまった口がかわいくて見とれてしまう。これは絵になる・噂になる、週1の聖女って。


「あむっ。あふっ、あふふっ」


 さすがにできたて、ちょっとやそっとじゃまあ冷めない。目を細めて・潤ませて熱がってる。そんな様子を正面にそこそこ熱いチキンを僕も頬ばる。うん、おいしい。ピリッと辛くていい。


「んっ……! ん〰〰!」


 咀嚼できたのかおっとり顔をうっとりほころばせ、片手を頬に味を・幸せを噛みしめてる。


「甘~いチーズとホワイトソースが~、濃~いミートソースと溶け合ってごはんがあは~ん!」


 ごはんがあは~んって(笑・淫)


「あ~、おいしいわ~・なつかしいわ~。思えば結構ご無沙汰だったわ~」

「昔はよく来てたの?」

「ええ、女の子のお友だちと~。高校から近いこちらじゃなくって~、別のところだけれど~」


 ふた口目をふ~ふ~・あふあふ、ん〰〰・あは~ん。やっぱり普通に可笑しい・いやらしい。


「チキンはどう~? おいし~?」

「うん、ピリ辛でおいしい。一個食べる?」

「一個も悪いわ~・もらえないわ~。ひと口だけちょうだ~い」

「え? ……え?」


 かじるってことですよね? ……かじるってことですよね?


「ああ、汚いわよね~……ごめんなさ~い」

「あ、いや、そうじゃなくて!」


 むしろ嬉しくて! なんて言うとまあまあ気持ち悪いけど!

 照れくさくて・めんどくさくてぽんと一個あげる。申し訳なさそうに受け入れた・口入れた。おいし~・なつかし~ってうんうんうなずく。お返しにドリア食べて~って差し出してくる。アーンしてほしかったなんて言わない、新しくスプーンおろして五回もすくわせてもらった。

 ごはんがあは~ん……!

 それからは各々食べてごちそうさまでした。ドリンクバーのジュース飲みながらくつろぐ。


「で、このあとはここで勉強するんだよね?」


 放課後の教室でふたりきりもいいけど、ファミレスに居座るなんてイケてる奴らみたいだ。


「ん~、教えてもらっている身の私が言うのは違うんだけれど~……今日は一日息抜きよ~」


 次は遊びに行きましょ~、たとえばボウリング~? 巡条さんとボウリング――イエス!


「あ! おばさんと転校生いるぅ!」

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