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24JK  作者: 百雲美呪丸◎
三章
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第2話「最後にど~んとごはんをえいっ、カレー粉パッパッパ~」

「ん~~……」


 キッチン横の小さい冷蔵庫を開けたまま~、しゃがみ込んでいるの~・考え込んでいるの~。ひき肉、ソーセージ、お豆腐、レタス、とうもろこし――今日中に食べないといけないわ~。お豆腐とひき肉のコンビといったら麻婆豆腐よね~、あとはまとめて炒めてみようかしら~。けれどひき肉をこねこねして~ハンバーグにして~、レタス・コーンを添えるのもいいわね~。


「ん~~~~……」


 どちらも作りたいわ~・捨てがたいわ~……。麻婆さんとバーグさん、両方好きだもの~。

 とてもじゃないわ~、選べないわ~……。


「あっ!」


 第三のお料理ひらめいちゃった~! それにずっと楽ちんだわ~、うふふふふ。

 まずはレタスを・ソーセージをみじん切り~。トントントントントントントントン――


「…………」


 それにしても今日は波乱だったわ~。雪佐くん、傷ついていないといいけれど~……。

 5時間目直前に戻ると私たちの席は元どおりで~、黒川さんはなにも言ってこなかったの~。許してくれた――とは思えないのよね~。今日のところは見逃してくれたって感じかしらね~。それもこれも私のせいだわ~……。私をかばうばっかりに雪佐くんが攻撃されちゃうの~……。やっぱり24歳にもなって高校1年生のおばさんが~、現役の子と仲よくしちゃダメよね~……。1学期は誰とも関わらないって決めていたのよ~(積極的な前田くんは拒めなかったのよ~)。なのに雪佐くんとお友だちになったのは~、お勉強を教えてもらいたくて――なんだけれど~、決め手は独りで寂しそうで同じに見えたから……なのよね~。失礼よね~、ごめんなさ~い。

 お次はとうもろこしをピーラーにかけま~す。シャッ、シャッ、シャッ、シャッ――


「…………」


 私といると雪佐くんに害が及ぶ――そうだとしてももうお友だちを解消できないわ~……。お互い〝気になっている〟みたいだし~……。昨日舞歌に指摘されたときはそんなまさか~。だから今日は朝からずっと目で追ってみたら~、確かに雪佐くん、私を見ようとしていて~。本当に好意なのかなって思ったら~……こちらとしても途端に気になってきちゃった~……。

 それからフライパンに油を引いて温めて~、レタス・ソーセージ、コーンにひき肉もえ~い。ジュ~~~~~~~~。まんべんなく混ぜます・ほぐしま~す。ジュ~~~~~~~~――


「…………」


 黒川さんに思うところはあるけれど~、今日のお昼休みは結果的に……よ、よかったわ~。ふたりきりでラブラブみたいで~、8歳も上なのに私ったら~、寄りかかって甘えちゃって~。年甲斐もなければ恋人でもないけれどやってみたくなったの~。勇気もかわいげも出して~。心がほっこり・時間がゆったり幸せだったわ~。男の子って・青春ってああいう感じなのね~。……雪佐くんはどう思ったかしら~。気持ち悪~って引いちゃってたらごめんなさ~い……。

 最後にど~んとごはんをえいっ、カレー粉パッパッパ~。ほどよく混ぜます・炒めま~す。あっという間に黄色に・スパイシーになるわ~。ケチャップとウスターソースも混ぜ混ぜ~。

 ちょっと経って味見して~炒め具合を確かめて~、器に移してできました~、ドライカレ~。黄色いごはんに黄色いコーン・茶色いひき肉、薄桃のソーセージ・薄緑のレタスで色鮮やか~。

 あとはお豆腐~。お皿に出して~おしょうゆかけて~、は~い、ただの~、冷ややっこ~。両方持ってリビングへ~、ローテーブルへ~。六畳一間の安~い・古~いアパート暮らしよ~。


「いただきま~す」


 って本当はね~、出されたお料理のときに言うそうなの~。文字どおりいただくから~。

 自分で作ったこの場合~――


「食べま~す」


 が正しいんだけれどおかしいわよね~。ふふっ、ふふふっ、うふふふふっ。


「…………」


 寂しいわよね~……。


   ピンポーン


 家のチャイムじゃなくってルインだわ~、舞歌だわ~。


『今日バイトないよね? 今家?』

『おうち~、お休み~。そんなことよりダメでしょ~、お仕事中でしょ~?』


 時刻は19時45分。まだエントランスでお行儀よく・お愛想よく座っているはずだもの~。


『いいっていいって、トイレで羽伸ばしてる』


 受付嬢さんが受付を離れたらおしまいじゃな~い……。同僚さんがいるとは思うけれど~。


『早く戻って背筋を伸ばしなさ~い。私はちょうど晩ごは~ん』


 ドライカレーと冷ややっこをカシャッと撮ったわ・ポッと送ったわ~。

 すぐに返信がきたけれど見ません・知りませ~ん。サボりの相手はいたしませ~ん。

 ほやほやのごはんをスプーンですくってひと口目~。


「ん~~……!」


 おいし~・スパイシ~! 要するにカレー味のチャーハンよね~、カレーハンだものね~。ひき肉とソーセージはやわらかくて~、コーンとレタスはシャキシャキ~、食感も楽しいわ~。

 ホタテとか魚介も入れたらもっといいかも~なんて食べていたら~――とうとう電話が~。


「か~~れ~~ん~~」

「も~ぅ、なによ~……。おトイレでひとりでも幽霊みたいな声は出さないほうがいいわ~」


 今度また泊まらせて・なんか食べさせて。それだけ言ってお仕事に――戻ったかしら~……。


        ◎


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