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24JK  作者: 百雲美呪丸◎
一章
2/214

第2話「勉強が好きなのかな・友達なのかな」

「キンペー!」「キンペー!」

「はーい、今の僅差でアタシー」

「えー、マナのがちょっと早かったよぉ! ――ミナぁ、判定ぃ!」

「さあ。モモナっしょ」

「スマホいじっててテキトーだよぉ! なに見てんのぉ、見せてぇ――と見せかけてえいっ!」

「ジョンウン!」「ジョ、ジョンウン!」


 転校翌週、昼休み。さっきから2ギャルが隣国の元首を男友達みたいに呼び捨ててる……。なんか謎の・最近のパーティーゲームで、山札からカードをめくり合って名前つけてどうとか。……でもなんで国家主席に総書記なんだ。ほかにもジョーとかウラジミールとか言ってるけど。


「…………」


 こうして黙って机に突っ伏してると、みんなまあうるさい。

 このクラスの代表格3ギャル2チャラは当然として、3軍のソシャゲ勢も割とにぎやか。同じ3軍でも女子のほうは僕並に空気、2軍は男女とも準1軍といっていい2軍+が元気。

 土日をまたいで転校生フィーバーはもう終わった。右隣の東くんだけまだ話しかけてくれる。東くんは2軍-で3人グループ。僕のことを仲間にしたがってるような気がしないでもない。けど悪いけど友達は要らないんだ。せっかくだけど・すぐ横だけど昼ごはんも一緒に食べない。

 僕以外に男子のぼっちはいなかった。だけど女子のぼっちはひとりだけいた――すぐ横に。窓際美人さん、巡条花恋さん。ルックスでいえば確実に1軍なのに、どこの軍にも入ってない。休み時間は黙々と自習かなにかしてる。この長い昼休みもこの次の眠たい5時間目終わりも。


「…………」


 できることならこんなむなしい寝たふりじゃなくて、綺麗な・熱心な横顔を眺めてたい……。

 授業中は隙が・暇があればチラチラ見てしまう。3ギャルに言わせれば『きもぉい』だけど。毛先でまとめた髪は左に流してるから顔がよく見えて、口の端のほくろも僕(右)側にあって。色は白くて・頬は丸くて・瞳は大きくて、鼻の頭・唇・顎先で直線が引ける。美顔の証拠だ。


「…………」


 勉強が好きなのかな・友達なのかな。まさか才色兼備すぎてソロなのかな・エロなのかな。

 誰にでも絡むし3ギャルにはよく絡む前隣の前田(2チャラのひとり)さえ相手にしない。いじめられてはいないはずだけど、みんなも巡条さん自身も互いに避けてるような感じがする。彼女には妙な違和感・存在感があって、誰もが頭の片隅に意識してる――そんなふうに窺えた。


「…………」


 ぼっちは苦じゃない、退屈が楽じゃない……。


       ◎


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