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24JK  作者: 百雲美呪丸◎
二章
12/214

第4話「私のアワビってなんですか~? わかりかねま~す」

「お姉さーん、とりあえず生でー!」

「は~い」

「すいませーん、ビールおかわりくださーい」

「は~い」

「巡ちゃあん、おじふぁんと呑んふぇくらはぁい、ひっく」

「は~い。……じゃないです~、そういうお店じゃないです~」


 私が働く居酒屋さん、とどろさ~ん。アットホームで笑顔もお客さんも絶えないの~。個人経営のこぢんまりとした老舗だけれど~、有名人さんもお忍びでお越しになられるわ~。壁のサインも常連さんもいっぱいで~、サラリーマンさん・大学生さんで連日大にぎわ~い。

 ビールビールっと~。


「姉ちゃーん、アワビいっちょー」

「あ、は~い」

「巡ちゃあん、巡ちゃんのアワビいっちょお、えっく」

「私のアワビってなんですか~? わかりかねま~す」


 西さんったらべろべろに酔っちゃって~。部下の岸さんが申し訳なさそうにしてますよ~?

 アワビを厨房にお伝えしてビールを入れて~。2つのジョッキを両手に持って運びま~す。これが意外と重いの~・つらいの~……。嬉しくないことに腕が少し太くなっちゃって~……。


「お待たせいたしました~、ビールになりま~す」


 白いブラウスのOLさんは会釈をしたわ~。紺のつなぎの若い作業員さんは質問も~。


「お姉さん、大学生?」

「いえ、高校生で~す」

「高校生? はー、大人びてるねぇ」

「よ、よく言われま~す……うふふ」


 立派じゃないけれどれっきとした大人で~す……。


「初めて来たんだけどここっておつまみ、なにがオススメ?」

「そうですね~、もろきゅう・たこわさがとくに人気で~す」

「ふーん、そっかぁ」


 壁に張ってあるお品書きを見て悩んでいて~、少ししてお決めになられました~。


「枝豆で」

「は~い、かしこまりました~」


 もろきゅう・たこわさがとくに人気で~す……。


「巡ちゃあん! 来てくれぇい・聞いてくれぇい!」

「は~い、なんでしょ~?」


 カウンターからテーブルへ~。


「お忙しいのにすみません、こんな酔っ払いの相手……」

「いえいえ~、なんでもお申しつけくださいね~」

「〆におにぎりが食いたいんじゃあ!」

「まぁ~、おにぎりですね~、かしこまりました~。普段はラーメンなのに珍しいですね~?」

「巡ちゃんの握ったメシが食いたいんじゃあ!」


 ん~、困ったわ~・岸さんあきれたわ~……。


「あの~、私は調理はいたしませ~ん……」

「いたさないとはなんじゃあ! やじゃやじゃやじゃあ!」


 岸さんパーンってはたいちゃった~! よっぽどだわ~……。


「本当にすみません、もう行ってください……これ以上ご迷惑をかけないうちに帰ります」


 お言葉に甘えて厨房へ~。忘れずに枝豆をお伝えしたわ~。

 キッチンはご主人さんと男の子ふたりで~、ホールは女の子2、3人体制でやっているの~。アルバイトさんは全員で8人くらいかしら~、私より少し下の二十歳くらいの子が多いわ~。


「大人気ね、巡ちゃん?」


 シフトがまったく同じ(月・火・金)21歳・大学3年生の鈴木さんに皮肉られたわ~……。17歳からこちらで働いているようだから先輩になるの~。歳は下でも学年・職歴は上なの~。


「お客様と話すのはいいけどのんびりしすぎ。あなたのその話しかた、どうにかならないの?」

「すみませ~ん……」

「チッ」


 あ~ん、舌打ちされちゃった~……。私ってグズだから・ドジだから嫌われているの~……。


「これ、からあげ・メンチカツ・焼き鳥の盛り合わせ、それにアワビ。さっさと持ってって」

「は、は~い」

「はいは伸ばさなくていい」


 はいは一回でいいんじゃ――なんでもありませ~ん。鈴木さんは急ぎレジに~、お会計に~。

 まずからあげ・メンチカツをお持ちして~、焼き鳥の盛り合わせとアワビをよいしょっと~。


「お待たせいたしました~、焼きと――きゃっ!」


 がらがらがっしゃ~ん! つまずいて転んじゃった~・ぶちまけちゃった~……いった~い。

 前にこけたのになぜか仰向いていて~、股間にアワビが乗っちゃって~……。

 あっ! 巡ちゃんのアワビって――そういうこと~!? いや~ん、も~ぅ、うふふふふ!

 笑っている場合じゃなかったわ~……慌ててやってきた鈴木さんにどやされました~……。


「巡条~~~~~~~~~~~~!」


        ◎


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