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24JK  作者: 百雲美呪丸◎
八章
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第15話「どうなってもいいってなんだよ……ふざけんなよ!」

「来てくれ! 早く!」


 ダルそうに爪いじってるその手を取って急ぎ女子トイレへ。思い違いの可能性はなくなる。


「おまえら……!」「アンタら……!」


 いつか黒川をいじめた・辱めたときと同じ――黄島・緑原が番人のように並んで立ってた。


「清掃中でーす」「入れませーん」


 おちゃらけて醜悪に・酷薄に笑う。入口の両脇からすっと半歩動いてふたりで立ち塞いだ。


「どけ!」


 女子相手だけど・女子トイレだけど関係ない。頭も目頭も熱くなって肩からぶつかって行く。


「ぐっ……!」


 スクラム組んだツイン巨女に返り討ち、ぶっ飛ばされて尻もちついた。男だろ・鋼だろ……。


「なかにカレンいんの? イジメてんの?」


 いつになく落ち着き払って確かめる。覚醒でもしたみたいで静かなる怒りが計り知れない。


「シネ」


 瞬間移動くらいぱっと消えるように駆けた。向かって右、緑に殴りかかるも受け止められる。次いで繰り出した左のグーも易々と止められた。両拳をつかまれて身動きも退きもできない。

 左から黄が襲う!


「モモっ!」

「ぶっ!?」


 上履き飛ばして顔に当てた! 上げた脚で緑の腹を突き蹴り。両拳が自由に・黒川が修羅に。腹を痛がる間なんかなく、緑は頬を・顎をボコボコに殴られた。強っ! ノックアウト……。あまりの速さに・強さに黄は呆然。足止め食らって数秒で相方がのされて汗も肝も冷えてる。


「う、うわああああああ~~~~~~~~!」


 絶叫して襲い来る。モモは拳を開いて腕振った。爪っ! もはや武器だ、なんとかクローだ! ノールックで喉元に鋭利なネイルを突きつけられて、漫画じゃないけど黄島はへなへなぺたん。出血はないまでも気絶してる緑原の腕を肩に、無様な・無骨な大きい背を見せて去ってった。


「行こ」

「あ、ああ」


 改めて強っ・爪っ……。十数センチの身長差もなんのその、バトルセンスで瞬殺・圧勝……。


「ルナぁ!? うるさぁい、なんかあっ――」


 入ってきた僕らにぎょっとする(ほうき持ってて身構えた)。僕らは状況を見てぞっとする。

 奥の壁に手をついて立つ巡条さんを――青山がほうきで叩くところだった。


「らあっ!」

「うっ……!」


 背中を叩かれてうめく・よろめく――赤崎の復讐はとっくにはじまってたんだ……!


「レンちゃんっ!」「カレンっ!」

「クマくん……萌々奈……」


 壁に手をついたまま顔だけ振り向く。目には涙が・悲嘆が浮かび、痛みもつらみもこらえてる。


「おっと、人質っしょ」


 ぎょっとした赤と違って冷静沈着で、ほうきの持ち手の先端を巡条さんの頭に突きつけた。


「わかるっしょ? こっち来たらビリヤードみたいにひと突きっしょ」

「おまえ……!」「テメー……!」


 銃じゃ・刃物じゃあるまいし、死にはしないけど暴力には変わりない。脅しに屈してしまう。

 赤は赤で脇腹に突きつけた。余裕も笑顔も戻る。……外道が。人をいたぶって笑うなんて。


「気づくの遅かったねぇ? えっとぉ、9日からやってるからぁ、今日でもう十日だよぉ?」


 9日って言ったら例の事件(6日)から三日後だ。黒川との写真でなにをとち狂ったのか、前田がヨリを戻してくれと暴走した。赤はフられ、原因(写真)を作った巡条さんを恨んだ。『ぜぇったい許さないから。おばさん』と。違うのに――犯人は小林か佐藤か両方なのに……!


「ハイリョしたおかげっしょ。時間は毎日ばらばらにしたし目立つ傷とか作ってないっしょ」


 ほうきで袋叩きってだけであたいら優しいっしょ? やろうと思えばもっとやるのにねぇ。


「なにが配慮だ、ふざけんな! ――レンちゃん、背中とか青いあざになってない……?」


 頷いて認めた。道理でモモのバシっであんなにも痛がって……。なんでだよ……なんで……。


「なんで僕らに言ってくれなかったの……? なんでむざむざこいつらにやられるの……?」

「私が犯人だからよ~、罰は受けないと~。言ったら黙ってないでしょ~、秘密にするわよ~」


 赤崎さんとルインを交換したの~、それで呼び出されるの~。気づかなかったでしょ~?


「笑いごとじゃないから」


 ちゃかすような物言いに覚醒モモが冷めて言い放つ。


「アンタ犯人じゃないじゃん。なんでそうまでしてかばうわけ?」

「私が犯――」

「答えろ。コイツら今さら信じないから・謝んないから」


 今さら巡条さんが犯人じゃないって信じないし、犯人じゃないってわかっても謝らないと。


「ん~、そのほうがいいからよ~」


 こんなおばさんどうなってもいいじゃな~い。ほかでもない本人の言葉だけど腹が立った。


「どうなってもいいってなんだよ……ふざけんなよ! ヴィキに書いてた座右の銘、嘘かよ!」


 人に優しく、自分に優しく――〝自分に〟優しくしてないだろ! それとお姉さんだろ!


「おばさんおばさん自虐すんな! 世代で言ったらゆとりじゃないだろ、ギリギリZだろ! 人に優しくすんのも大概にしろ! 自分に優しくしてからにしろ! お人よし・おつむし!」


 どうなってもいいんだったら頭も腹も突かれちまえ! 我を忘れて破れかぶれで突進する。

 油断もあって赤はビビって個室に逃げ込む。青は即応、僕に向かってほうきを振ってきた。

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