表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24JK  作者: 百雲美呪丸◎
八章
105/214

第14話「まんまる海苔海苔おにぎりさんで~、おなかを爆発させちゃうわ~」

仕方ないって・心配ないって何回言っても納得してくれない。黒川には内緒でこうまで言った。


『私のいないお昼休みにね~、ふたりっきりで遊ぶのはこれっきりにしてね~』


 具体的には僕が教室からいなくなれと。食べたら姿をくらまして、5時間目まで戻るなと。残るはたった四日――19日(月)~22日(木)。23日(金)は終業式――だから受け入れた。それからバイトの日の放課後(17時以降)も、巡条さんに合わせて僕も帰るって申し出たほど。モモが怒るのは承知の・覚悟のうえ。レンちゃんが大事だから・彼女だから……許せ将棋ャル。


「水族館かー。デートの定番ぽいけどさー、オトコと行ったことないわー」


 てか誘えって肩グーパン! おまえ誘ったらデートにならないだろ……。


「ふふっ、ごめんなさ~い。今度は萌々奈も誘うわ~、三人で行きましょ~」


 土曜は家デート・日曜は外デートした。ちょいちょいカーピィをやっててとうとうクリア。オムライス作ってくれてケチャップで黄色いカーピィに。かわいかった・おいしかった……。昨日は巡条さんが言い出して水族館へ。そういえばバトミントンと同じくらい憧れだったって。一番大きい水槽の手前の座席に腰かけて、肩を寄せて何十分も眺めた。たまに隣の人魚の姫を。……やかましいわ? クリスマスは目前、僕らは健全。果たして聖夜は性夜になるのか――


「チラチラこっち見てなんか用ー?」


 声を強めに・大きめにあっちに言う。僕からいえば右にひとつ・前にふたつの席の英くんに。左隣の石田と話しつつ見てたらしい。今は2時間目終わりの休み時間で巡条さんだけ立ち話。


「よ、用っていうか……」

「じゃあなに、カレンでも見てたわけー? 小林さんよりブスなアタシ見るわけないしー?」


 ……問い詰めんな・追い詰めんな。あの話(三大美女選外)をわざわざ掘るな・皮肉るな。

 どういう意味かわからなくて石田ともどもぽかんとした。たわいない会話だし覚えてない。


「うふふ?」


 場をなごませるようにふたりに向かってポージング。両の人差し指で頬を突いて顔を傾けて。

 これが1位だ・かわいいだ(見たか4位・怖い)!


「おばさんがんーなキっツいポーズすんなっての!」


 おばさん言うな、スカートの上から尻つねんな! 元アイドルだしぜんぜんキツくないわ!

 わちゃわちゃしだした僕らを英くんはほほ笑ましく眺めた。そうして意を決してやってくる。


「黒川さんは鋭いね。実はちょっと用が――お願いがあって」


 巡条さんを向いて照れて切り出す。ほかのクラスメイトの例に漏れず、年上だから敬語で。


「小林さんと仲はいいですか?」

「ん~、そうね~、悪くはないわね~」

「聞いてほしいことがあるんです」


 僕とモモと石田(こっち見てる)には聞かれたくないのか、こそっと・ぼそっと耳打ちした。


「あら~! お安いご用よ~、頼まれました~」


 小林のほうにおっとり駆けて行った。席は佐藤と離れてて、昼休み以外は各々読書してる。巡条さんに英くんを示されてこっちを一回見た。いつもうつむき加減で暗くて・おとなしくて、メガネでも前髪でも目元が不明瞭だけどはっきり見えた。大きい目をしてる。鼻筋も通ってる。なるほど、隠れ美人かもしれない。ただセミロングの黒髪は跳ね気味で、手入れもなにもない。

 レンちゃんも跳ね気味にニっコニコで戻ってきた。


「英くん英くん、いいっていいって~!」


 恥ずかしいから場所を変えておねがいしますって~。英くんと小林が連れ立って出てった。


「ねー、なんだったのー? コクるのー?」

「言いふらさないであげてね~? かくかくしかじか~」


 いやあの、ほんとに『かくかくしかじか』って言われても……。モモがムカついて背中叩く。先週金曜に同じくうめいた・よろめいた。だから威力どんだけだよ……! 代わりにやり返す。


「っ……テメーが叩くなゴラ! ――ごめんごめん、またアタシ強かった……?」

「い、いいえ~、私が弱いだけ~。これじゃおばさんじゃなくっておばあさんね~」


 気丈に笑って人差し指を口の前に立てて、内緒にしてね~って小声で今度こそ話しだす。


「『ボクとルインを交換しませんかって聞いてくれませんか』って~。小林さんはオッケーで~、きっと好きなんじゃないかしら~。英くんも好きよね~、それで聞いたのよね~。両想~い」


 両手を頬にうっとり・ほっこりする。一方こいつはふーん、あーそーってどうでもよさげ。

 そういうことか。小林とコンタクトできる巡条さんとコンタクトできる僕に話しかけたのか。仲いいかどうかなんてのはあいさつで。三大美女に挙げたのも好きだからってのもあると思う。


「けどあのメガネってさー、アンタがかばった真犯人じゃーん?」


 インシツクソオンナって知ったらソッコー終わるわー。まあ……それはそうかもしれないな。


「真犯人なんかじゃありませ~ん! 私が犯人なの~」


 おうちで爆弾だって作ってるんだから~。クリスマスにクマくんに食らわせるんだから~。


「その爆弾って……おにぎり?」

「まぁ~! 正解よ~。まんまる海苔海苔おにぎりさんで~、おなかを爆発させちゃうわ~」

「ははっ、怖いなぁ。おにぎりって案外、今まで食べたことなかったね」

「でしょ~? チキンと一緒においしく・楽しく食べましょうね~」

「チッ……のろけんな!」


 そうこうしてるうちに3時間目で英くんと小林が戻ってくる。巡条さんに律儀に礼を述べた。

 そろそろ食べたい・眠たい11時台の授業。窓の外はどんより曇り空で降りそうで降らない。

 授業が終わってレンちゃんはお花を摘みに。なんかカレン毎日ションベン行ってなーい? ションベン言うな、せめて小便だろ……確かに毎日だ。時間はばらばらだけど一日一回必ず。前はそんな行ってた覚えない。赤青黄緑も出て行った。基本教室にいるのに奴らも毎日――

 まさか背中が痛いのって……!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ