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24JK  作者: 百雲美呪丸◎
八章
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第11話「開いた片っぽでちょーん・ころーんだからー」

 太鼓の名人もエアホッケー同様、三回・三通り(花vs拓・拓vs萌・萌vs花)遊んだドン。モモがクっソ下手くっそ、力任せに大振りで叩くからずれまくり。僕に完敗して悪知恵働いた。


『クマくんクマくん、ワタシのおてて取ってねー、直接教えてほしいのー』


 一日花恋を活用・悪用するな……。背後にまわって密着して、両手の上から握って操って。実質レンちゃん対僕の三戦目、不覚にも不可抗力にもドキドキしてしまって負けてしまった。勝って素に戻って喜んだのも一瞬で、『べたべた・デレデレすんなごら~!』って襲いかかって。ドコドンドコドン血祭りだドン! 『やーめーてー!』ってやり返してあわや太鼓の殺人……。

 ふたりの仲を取り持って、UFOキャッチャー巡りへ。


「佐~、あたしになんか獲ってほしいんだけど~」

「なんでもいいんだったら――あれとかどうだ?」


 ちっちゃいキーホルダーが山積みになってる。あれだけあればひとつふたつすくえそうで。


「いいじゃ~ん、お毛並み拝見じゃ~ん」

「……手だよ」


 思わず素で訂正しつつ百円投入。チープな・ファンシーなBGMが流れ、アームが作動する。横・縦移動のボタンを適度に押して、キーホルダーの山のてっぺん目がけてかぶりつかせた。がぶっといくけど貧弱アーム、ぼとぼと落とす。それでもツメの両方に一個ずつ引っかかった。

 落とし口まで落とさず運んで二個ゲット。


「萌、ほらよ」


 ちょっといい気に・いい男になってふたつとも渡す。なんかドクロの・宝箱のキーホルダー。

 ……海賊かな。こんなの要るかな・付けるかな――そう思ったらドクロをかばんに付けた。スクールバッグのアーチ状の持ち手の根っこのとこに。宝箱のほうは僕のほうに同じように。


「こういうのもおそろいっていうかしら~? ふふっ、ありがと~」

「う、うん」


 今こそデレデレしてしまう。おそろい――か。『こんなの』が途端に大事に・特別に……。


「ダっサー、なにそれー、ウフフフフー」


 黒川が戻ってきてほぼ素で馬鹿にする。千円札の両替に行ってた。


「ふたりともこっち来てー。あのねー、おなかねー、すいたからねー、お菓子獲りましょー」


 ついていったら串刺しのイカが入ったヤツ。オレンジのフタの筒でスーパーでも見かける。


「お菓子っていうかおつまみだろ……おっさんかよ。人のことおばさんおばさん言うくせに」


 ヨシヨシ――いや、ゴシゴシしてきた! 痛い痛い痛い!


「クマくーん? ワタシはレンちゃんよー?」

「お、お菓子っていうかおつまみじゃないかな! まあでもいいね、大人だね!」


 透明な台に筒の両端が載ってて横倒しの胴が持ち上げれる。偽レンちゃんは自信ありげ。


「一回で獲るから見ててねー・褒めてねー」


 百円入れてアームを動かしだす。横移動で大幅に右に通過してしまった。挟んでつかめない。


「ば~かば~か、へたくそ~」


 煽るのも気にせずモモは縦移動、筒の胴に合わせられた。これで筒の上に来てたなら……。


「フフっ、これは獲れたわねー」


 アームが開いて降下して――ツメの片方が筒の胴を押した・転がした! 落とし口にぼとっ。


「まぁ~! すご~い・かしこ~い!」


 巡条さんが素で褒める。『褒めてねー』って約束を守るまでもなく、僕も称賛した・興奮した。


「こんなの持ち上げて運ぶのムリだからー。開いた片っぽでちょーん・ころーんだからー」


 中三のときの三人目の彼氏仕込みとか。ゲーセンかセxクスかそればっかの彼氏だったとか。


「な、生々しいからやめて~……」

「いやー、タネもナマで仕込――」

「生々しいからやめろって!」


 危ないから生は・中はやめろって(童貞だけど)! ちゃんと避妊してんのか(童貞だけど)?

 ベンチに座って三人で二本ずつ食べる。歯ごたえあってタレかかっててピリ辛でおいしい。モモは次はでっかいお菓子を獲るって挑んだけど――両替した残りの九百円、ぜんぶすった。気前よく・機嫌よく僕らに二回ずつやらせてくれたのに、アンタらの四回返せって半ギレ……。


「大体モモナだけずるいわよー。ワタシにもなにか獲ってほしいわねー」


 しょうがないから簡単そうなのを探しまわって、これって指差したのが動物のぬいぐるみ。手のひらサイズの薄茶の犬を獲ってあげた。……レンちゃんの二回も託されて五回かかって。


「ウフフー、ありがとー、大事にしちゃーう。じゃあねー、最後はねー、プリ撮りましょー」


 プリクラ連れてかれる。巡条さんも乗り気だけど……参った・滅入った。女子同士どうぞ。


「クーマーくぅん!」「佐~ごら~!」


 ふたりで撮ったらいいのに……僕はいいのに。ただでさえ写真なんか撮られたくないのに、サイクロプスみたいなデカ目にされたくない! 単眼だから大きいのに(?)それの双眼って。


「あはは~、あんた真ん中だから~。――花恋さ~、ポーズどうしよ~?」

「んー、そうねー、ほっぺぷにー?」


 ギャル巡条さんに右の・ナチュラル黒川に左のほっぺたつねられた。最近のトレンドらしい。男サイクロプス捕獲の図になった。『ももな たくま かれん』って各々の下にモモが落書き。女ふたりきゃっきゃして置いてけぼり……一番小さいシールをスマホの裏に各自貼ることに。

 そのうち一枚が今に剥がされることに――


        ◎


 太平。名詞・形容動詞。世の中が平和に治まっていること。昇平。「――の世」「天下――」

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