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24JK  作者: 百雲美呪丸◎
八章
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第10話「どこどん、どこどん、どこどん、かっ、どこどん、どこどん、ど~ん」

「んー、ワタシはー、エアホッケーしたいのー」


 放課後ゲーセンに来た。一日萌々奈・花恋はまだ終わらない。疲れて・触られて仕方ない。


「あ~ん!? 太鼓の名人~!」

「あーん、エアホッケー!」


 右腕をギャル巡条さんに・左腕をナチュラル(メイク)黒川に引っぱられる。


「わ、わかったよ、どっちもやろう! すぐそこだからエアホッケーから!」


 頭バシっ。ごら~! モーモーナー! ヨシヨシ。腕とか脚とかバシバシ・ヨシヨシ――

 疲れて・触られて仕方ないって……。


「じゃあねー、お付き合いしてるからねー、ワタシとクマくんがペアでーす」


 テーブルの片側へ連れてかれる。こいつレンちゃんじゃなくて〝彼女〟がやりたかったんだ。一日花恋を盾に・建前にやたら甘えてくる。化粧を薄めに恥部(素顔)をほとんど見せてまで。そう思うと健気でかわいげがある。ないけど付き合ったら僕の好みに、清楚にしてくれそう。


「2対1とか卑怯ごら~! 次は代われごら~!」


 ゲームスタート。長方形のテーブルの向かいのごらごらレンちゃんが、白い円盤を――

 スカっ! 百円投入とともに発生した微風によって滑っていってしまう。


「まってまって~!」


 素に戻ってテーブル横から追いかけて押さえて確保。所定の位置に戻ってもう一度――

 スカっ! まってまって~! 三度目こそ――スカっ! まってまって~! …………。

 バトミントンのとき(ヒュン!)と一緒! モモも素に戻ってイラ立って言う。


「ねー、早くしてくれるー? これ時間制なんだけどー」

「そ、そうよね~……え~い!」


 あきらめて手で滑らせてきた! 一回横に、枠に当たってモモの真正面に来て――


「えーい!」


 かわいく真似つつストロングに・ストレートに弾く。円盤があっちに・点がこっちに入った。


「ウフフー、クマくんやったわー」


 片手を上げてぱーんってしてきて痛いって……。レンちゃんこんなパワフルじゃない……。


「ご、ごら~!」


 その隙に――スカっ! テーブル横から追いかけるも手が届かず、おなかをぶつけてぐふっ。円盤がこっちに漂って来てしまい、モモは血も涙もなく卑劣に・強烈にアハハハ打ち返した。


「も~ぅ! がら空きなのにずるいわ~!」

「がら空きにしたのアンタじゃーん! こんなの勝負になんないんだけどー、アハハハハ!」


 12‐0でまったく勝負にならなかった……。僕は憂き目の・涙目のレンちゃん側につく。


「お、おまえ下手すぎるな。風で滑るけど打つのくらい訳ないだろ」


 モモとして悪態つく・凛として円盤突く。枠に二回当たってサーブ(?)で普通に決まった。


「ふ、ふ~ん、やるじゃ~ん。佐~のくせに~」

「く、くせにってなんだよ、悪かったな」

「あはは~、ば~かば~か」


 あっかんべ~。……それはレンちゃんです。やりとりしてる隙に速攻でサーブ決められた。

 巡条さんはやたら突っかかってくる。甘える黒川が嫌なんだろうけど、それだけじゃない。一日萌々奈でやりたかったのは、僕と奴の距離感・空気感だと思う。口が悪くて遠慮がなくて、自分たちより距離が近い・空気がいい――なんて妬いてるのかも。そんなことないんだけどな。


「は~~~~!? ムカつく~~~~!」


 7‐6で僕らが辛勝した。レンちゃんも素に戻って優しく・嬉しくハイタッチしてくる。


「うふふ、クマくんやったわ~」


 偽物じゃない・パワフルじゃない。ちなみにサーブ以外もスカしがち、戦力にならなかった。


「じゃあラスト、カレンこっち来てー! タクひとり負かすからー・泣かすからー!」

「泣くか……」


 負けるか。正直言って巡条さんは足手まとい、利点にならない(欠点になる)。

 8‐5で僕が勝った。モモはまたムカつくと声を荒げ、レンちゃんに耳打ち。


「え、おい」


 ふたりして足早に・無愛想に行ってしまう。萎えさせた・怒らせた……? 巡条さんまで? 女子同士だけに花を持たせてあげたらよかったのかな……不安になって追ったら太鼓の名人。

 バチ持って襲いかかってきた!


「バカバカバカバカー!」「ごらごらごらごら~!」


 フルボッコだドン! 萎えても怒ってもなくて冗談だった。楽しそうに笑っててなにより。


「にしてもカレンがこれしたいって意外なんだけどー」

「ゲームはさっぱりって言ってなかったっけ?」

「あのね~、ネット番組のコーナーでね~、一時期よくやったの~。だから得意よ~、うふふ」


 ほんとかな? 言っちゃなんだけど料理・歌・踊り以外、そんなに得意なものなさそうで。

 まず僕と対決することに。曲は夏の祭りのヤツで難易度むずかしい。これが十八番という。


「どこどん、どこどん、どこどん、かっ、どこどん、どこどん、ど~ん」


 ……口ずさんでかわいい。結構な量流れてくるけど結構な良。得意に嘘偽りない、上手い。


「カレンやるじゃーん。けどさー、タクも負けてないじゃーん」


 おには無理だけどむずかしいならまあなんとか。この曲〝ドン〟ばっかりだしまだいける。


「え~~~~!? 自信あったのに~……」


 僅差で負けてびっくりした・がっくりした。横から黒川にバチを奪われて、せーので――


「バカバカバカバカー!」「ごらごらごらごら~!」


 もう一回もてあそべるドン!

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