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転生はバッドエンドから

「今後一切、僕達に近づくな。これは王子としての命令だ。ラフィに近づいたら、お前は処刑されると思っておくがいい」


 わたしは取り押さえられていた。

 押さえている人はわたしが趣味でやっていた乙女ゲームの攻略対象の一人、騎士団長令息

 目の前には一人の女性を三人の男性が囲んで守っているような形。

 男性三人は全員攻略対象で王子、宰相令息、公爵令息で、一人の女性はこの乙女ゲームの悪役令嬢であるはずの公爵令嬢だった。


 この場面、どこかで……。

 あっ、悪役令嬢のラフィ・ナーリアが攻略対象四人と乙女ゲームの主人公ファナライア・コーリッフに断罪されるイベント。

 このイベントはファナライアがハーレムルートに進んだ時限定で行われるイベントなはず。

 ならばこの場合目の前にラフィがいるのはおかしい。


 そもそもわたしは誰なの?


 わたしはラフィの碧い瞳を覗くと、そこに写っていたのは騎士団長令息に取り押さえられた主人公ファナライアの姿。

 そしてそのファナライアがわたしだということも分かった。

 写っている瞳の中でラフィをマジマジと見ているのはファナライアだけ。

 そしてその行動を取っているのがわたしだけなのだ。


 わたしが、ファナライア?

 それも悪役令嬢ポジション状態で?

 明らかにストーリーがおかしい。


 そもそもわたしはなんで転生したの?

 わたしは……この乙女ゲームを全ルート最速クリアして、ご飯を買いに行くために外に出た時、階段から落ちて……。

 死ん、だ……の?


 それで今の状況になっている。


「返事をしろ! ファナライア嬢!」


 わたしは何がなんなのか分からずに下を向いて考えていると、王子から怒鳴られた。

 どうやらわたしが先程の発言に対して何も言わなかったからのようだ。


 髪が抜けたんじゃないかと思うくらい強くガッと髪を引っ張られて、無理矢理ラフィと王子達の方を向かされた。


「痛っ」


 あまりの痛さに思わず声が出てしまう。

 しかもずっと引っ張られているため、最初程ではないが痛く痛みが引く気配もない。


 四人を見るとやっぱり綺麗だなと思うのと、なんて冷たい目で見られているんだという恐怖が、わたしの感情に現れた。


 元悪役令嬢であるラフィは金色の髪に碧い瞳を持っていて、まさにファンタジー世界の住人という印象で、とても美しい。でも少し涙目で優しく温かな目でわたしのことを見ていた。

 このカラリリア王国の王子であるジークは紅い髪と瞳を持っている。けれどラフィとは真逆でわたしのことをゴミを見るような目で睨みつけてくる。


 王国の宰相の息子で侯爵令息でもあるデューガは翡翠色のした髪と瞳を持っており、かけている眼鏡をクイっと手を使って上げ、わたしを上から見下している。ジークと同じ目で。

 公爵令息でありラフィの腹違いの弟でもあるラグナはラフィと同じ金色の髪と緋色の瞳をしていた。わたしのことを見ようともしない。

 わたしを取り押さえている騎士団長令息であり侯爵令息でもあるギラルザはデューガと似た翡翠色の髪だが少し鮮やかめで瞳は蒼かった。わたしがラフィから視線を外そうとすると、取り押さえる力と髪を引っ張る力が強くなり、ますます痛くなる。


「やめてあげてください、ギラルザ様っ。ファナライア様が痛がっています!」

「……分かった。ラフィがそういうなら」


 ラフィがわたしが痛がっている様子を見て、やめてもらうようにギラルザにお願いした。

 そのお願いをギラルザはすんなりと受け入れた。


 ラフィって、こんなキャラだったっけ?

 こんなに優しくて純粋そうなキャラじゃなくて、悪役って程じゃなくても悪口を言ったりとかはするようなキャラなのに。

 それにわたしがファナライアに転生する前に、ファナライアはどんなことをやっていたのだろう。

 少なくともラフィが断罪された時に行ったのと同等なことはやっているはず。


「ファナライア様、何故わたくしにあのようなことをやったのですか?」

「あのような、こと?」


 ラフィはしゃがみ込んで限りなくわたしに顔が見えるようにして近づいてきた。

 わたしが言ったことは惚けていると王子達には思われたようで、ラフィの後ろから睨まれている。


 確かに、今みたいなことを言えばふざけていると思われても仕方ないことだ。

 わたしは転生してきたから分からないけど、転生前のファナライアならどんなことをしたのか分かる。

 でも今はファナライアの中にいるのは本人ではなくわたしなのだから、知らないのも無理はないこと。


「惚けているのか! お前はラフィの目の前で悪口を言ったり、ラフィに暴力を振るったりしていただろう。言い逃れ出来ると思うな。今ここにいる皆が証言していることだ」


 あまり気にしていなかったけれど、周りには大勢の人がいた。

 この乙女ゲームの舞台は学園なのだから、殆どの人が貴族の令息令嬢。

 その全員が証言したのはおかしいな。

 大凡王子や親が強い権力を持つ三人に聞かれたから、いいえや知らない分からないとは言えなかったというところか。


 ここで記憶にないと言ったりしたら罰が重くなるかもしれない。

 ならば潔く認めて、なんとか軽い罰で済むようにしよう。


「いえ、済みません。完全にわたしが悪いです」

「流石にこんな状況に追い込まれれば素直に認めるか。ではお前に罰を与える」


 罰、か。

 確かハーレムルートでもヒロインの選択肢次第で罰が変わったはず。

 子爵令嬢から平民へと身分を落とされるか、牢獄行きか、国外追放か。


「ジークの名の下に罰を下す。ファナライア嬢、君は国外追放の刑に処す」


 国外追放はマシな部類の罰だ。

 牢獄行きなんてものになっていたら、わたしは泣いてどうにかしようと思っていたから、そんな醜い姿を晒さなくてよかったと思える。


「分かりました」


 返事をするとギラルザはさっさとわたしを離し、洋服などを手で払っている。

 まるでゴミでも触ったかのように。


 そうしてわたしが罰を受け入れると、ラフィが近づいてきて耳元でこう囁いた。


「正ヒロインの座は貰ったわ、悪役令嬢さんっ」

「……」


 確信した。

 このラフィは乙女ゲームの中のキャラではなく、わたしと同じ転生者だということ。

 それもわたしより早く転生してきて、正ヒロインの座を奪った。


 本物の悪役はこの転生したラフィだとわたしは思ったけれど、口には出さず黙ることを決めた。

 これ以上何かを言ったところで、どうしようもない。


「さっさと出ていけ! この悪女が!」


 皆んなからは軽蔑の目で見られ、王子からは罵倒され、ラフィは悲しそうな顔をしながら本心は愉快に笑っているのがわたしだけが分かる。

 そしてこの場には王子達を止める者も居なければ同情する者も居ない。

 皆んなが皆んなわたしのことを馬鹿にし、笑う者すら居るくらいだ。


 わたしは駆け足でその場を去った。


###


「これから、どうしよう……」


 部屋から出た後に、外に出ようと学園内を走り回った。

 けれど着いたのは広い中庭。

 走り回ってかあの場にいたせいなのか、どちらかは分からないけどとても疲れた。


 中庭にあったベンチに座り、地面を眺めながら今後どうするかを考え始めた。


 国外追放だから外に出れば、騎士達に連れていかれるだろう。

 きっと人としては扱ってくれずに、他国のスラム街にでも放置されるのがオチだ。

 今すぐここから出て行って、一人で他国に脱出するのが一番良い。


「なぁ、お前」

「なんですか? 今は余裕が無いんですけど」


 少し強気で言ってしまう。

 けれどわたしに話しかけてくれる人だと思って、顔を上げて相手を見た。

 するとそこには……。


「ルリート、皇子……?」


 わたしの目の前に居たのは、銀色の髪にとても透き通り見惚れてしまうほど綺麗な蒼い瞳を持つ男性。

 その人はルリート・ウォラリア。

 この学園があるカラリリア王国の隣国に位置するウォラリア帝国の皇子で、ヒロインがハーレムルートの断罪イベント後にある場所に行くと現れる隠し攻略対象だ。

 ルリート皇子が出現するには完璧な手順でハーレムルートを攻略していかないといけない。

 つまりラフィは完璧にハーレムルートを攻略していっていたというわけか。

 この乙女ゲームをプレイしていたから、完璧な手順で進めたのだろう。


 そしてある場所というのがこの中庭というわけだ。


「よくオレのことを知っていたな。学園には月に一、二度と程しか通っていないんだが。それにバレないように変装もしていたのに」

「いっ、いえ、偶々見かけたことがあって」


 確かに変装はしている。

 眼鏡をかけているだけだけど。


 リルート皇子は帝国からお忍びでこの学園に通っているって設定で、同時に帝国の執務もしている。

 だから学園にはあまり顔を出せない人物だ。


「そうか、ならこれは必要なさそうだな」


 そう言ってリルート皇子は眼鏡を外した。

 リルート皇子が眼鏡を学園内で外すのは相手が面白そうな奴と思った時か、敵と認識した時だけ。


 わたしは王子達に国外追放を言い渡されているから敵と認識されたのかもしれない。

 ヤバい、この場からすぐに逃げないと。


 わたしはそう考えて、ベンチからすぐに立ち上がる。

 そしてまたも駆け足で中庭から出ようとすると、誰かにぶつかった。

 ぶつかった相手は、そうラフィである。

 彼女が倒れてしまえば牢獄行きになりかねないと思い、ラフィの手を引っ張ろうとした。

 すると彼女は偶然かわざとかは分からないが、わたしの手を叩いて自ら倒れていった。

 それに釣られてわたしも反対方向へと倒れようとした時、肩を掴まれぐるっと半回転し誰かの胸の中に入った。


「大丈夫か?」

「えっ、あっ、はい……」


 わたしはリルート皇子の顔を見ると恥ずかしくなって、思わず下を向いてしまう。

 間近で見てみるととてもかっこ良くて美しい。


 ど、どういう状況ですか、これ。

 わたしは今完全に悪役令嬢ポジなのになんでリルート皇子に助けられているの?

 それもラフィじゃなくて、わたしを助けたの?


「リルート様っ! 何故その女を助けたんですか! ソイツは悪役令嬢なんですよ! わたくしはソイツに虐められたんです!」


 おっ、おお、本性現したな。

 ていうかラフィってリルート皇子までもをハーレムの中に加えようとしてたの?

 リルート皇子をハーレムに加えるのは不可能っていう設定だから、いくらチャレンジしたところで無駄なのに。


「何故か? それはお前がコイツの助けを拒み、自ら落ちて行っただろう。それに敢えて走っているコイツの方向へ近付いていたのは分かっている」

「なっ! 違います! 助けられてなんかいませんし、近付いてもいません!」


 リルート皇子、ちゃんと見ているんだな。

 でもわたしの悪評を知っていたとしたら、まず間違いなくラフィを信じると思う。

 リルート皇子がわたしの悪評を知らないのか、自分の目で見たことを全く疑わない人なのか。

 今はどっちでもいいけど、わたしを信じてくれたことは素直に嬉しいな。


「ソイツが悪いんです! わたくしを虐め、今は突き飛ばした。なんでわたくしが悪く言われているんですか!?」


 ラフィは立ち上がりわたしに向かって指を刺して、リルート皇子が言ったことは真っ向から否定した。

 わたしはというと未だにリルート皇子の腕の中。

 一向に離してくれる気配がない。


 ラフィ、この乙女ゲームをプレイしていて、リルート皇子の性格を知らないわけがない。

 リルート皇子は自分が直接見たり聞いたりしたことは絶対に疑わず、それを否定されることを嫌う人だ。


「虐めた証拠を出せ。お前や誰かが見たや聞いたという証言は要らない。例えばそうだな……虐められた時についた身体の傷や服の汚れ、そういう物的証拠を持ってきたらいい。そういう物を見せてくれればオレが謝罪しよう」


 物的証拠って、皆んなを味方につけているんだからあるに決まってるでしょ。

 あーあ、リルート皇子もダメなことしちゃったな。

 そもそもわたしを助けたこと自体が間違いで、ラフィを助けていれば良かっただろうに。

 でも個人的には滅茶苦茶嬉しいんだけど、リルート皇子のことを考えれば最悪なことになりかねないんだろうけどね。


「物的証拠はないです。服などは全部捨てましたし、傷も治りました。でも多数の証言があるということは事実じゃないですか」


 物的証拠、ないのかよ。

 まあ確かにその理由なら納得できる。

 ここまでわたしを糾弾してきたのだから、そういう証拠の一つや二つあるものだと思っていたんだけどなぁ。


 でも多数派が勝利するのは世の理みたいなもの。

 多勢に無勢って言葉もあるし多数決っていう多数派が勝つような決め方もあるわけだから。

 それに人間って多い方に付きたがるって聞いたことあるし、それがたとえ間違っていようとも。


「オレはな、証言というものはいくらでも捻じ曲げることができる。物的証拠も意図的に作り出すことはできると思うが、より信じれるのが物的証拠というものだと考えている。でもまあ両方が揃っているのが一番の証拠なんだけどな」


 証言というのは人が意図すればいくらでも変えれるもの。

 物的証拠は作り出すために物が必要になるし、その時の状況と同じ物にしなければならない。

 両方が揃うことが完璧だけど、今回の場合はそうならないみたい。


「ッ! ファナライア、貴女は国外追放じゃ済まないようにするから! 待ってなさいよ!」


 そう捨て台詞を放って、走り去ってしまった。

 居なくなったのを確認したリルート皇子はわたしを解放してくれた。


「大丈夫か? ファナライア」

「あっ、はい。大丈夫です、リルート皇子」


 改めてわたしが無事かを聞いてくるリルート皇子。

 身体的に大丈夫と聞いたのか精神的に大丈夫と聞いたのかは分からないけど、リルート皇子が守ってくれたから大丈夫だったんだと思う。


「でもなんで助けてくれたんですか?」

「なんでかって、それはオレが曲がったことが嫌いだからだ」


 あー、そういえばそういう性格だったよね。

 リルート皇子は自分が正しいと思ったことを信じ、間違っていると思うことは決してしない。

 それに他人が間違っていることを行おうとすると止めるし、行った者には容赦が無い。


「そう、でしたね」

「? お前、オレのこと知ってんのか?」


 ミスった。

 ここは「そうなんですね」が正しいのに、「そう、でしたね」なんて言ったら疑われるに決まってるでしょ。

 どうにかして誤魔化さないと。


 ていうか、さっきはファナライアって呼び捨てしてくれたのに、今はお前に戻ってる。

 ファナライアってあの声で呼ばれるのめちゃ嬉しかったのに。

 ん、待てよ、何故わたしの名前を知っていたんだろう。

 ……あ、そっか、ラフィがわたしの名前呼んだから分かっただけか。


 それより言い訳だ。

 考えなければ。


「今のは言い間違いでして」

「……正直に言え。オレは嘘も嫌いなんだ」


 そうでしたね、そうでしたよね。

 嘘も曲がったことに入るし、自分を騙そうとしていることになるから、そりゃあ嫌いですよね、知っていました。


 正直に言うしかないけど、乙女ゲームで知りましたって言っても信じてもらえるわけがないし。

 これ、詰みじゃない?

 仕方ない乙女ゲームで知りましたって言うより、マシな手が一つだけある。

 それは賭けだけど、あの理由よりは幾分か勝機はある。


「言えません」

「……? 何故だ」


 わたしは言えないという選択肢をした。

 リルート皇子はとても冷たい声で、質問してくる。


 何故だって、信じてもらえないからに決まってるでしょ!

 わたしは死ぬしかないの?

 多分ラフィが国外追放じゃ済まさないって言ってたから、牢獄行きの可能性もあるし選択肢外の処刑なんて道も……。

 ここで死ぬか処刑台で死ぬか、二つに一つ。

 ならば好き勝手やってやろうじゃない!


「リルート皇子、わたしを助けてください」

「オレが、お前をか? お前は確か国外追放を言い渡されたんだったよな」


 国外追放の件を知っているってことは、あの場にいた可能性が高い。

 ならばどうにかして国外追放先を帝国へとしなければ。


 帝国はスラム街などなく、誰もが安全に幸せに暮らせる国。

 国外追放なら帝国以上に良い場所はない。


「そうです。だから助けて頂きたい」

「お前はオレに嘘をついたんだぞ。そんな奴の願いを聞く義理はない」


 ですよね。

 わたしも嘘をついてきた相手の願いなんて聞きたくないからね。

 でも今回の場合はどうしても聞いてほしい。

 どうするべきか。


「ふむ、ならば一つ、面白いことをしてみせろ。オレが面白いと思えば、その願いを聞いてやる」

「面白いこと、ですか? 例えば?」

「そうだな、ならばオレから何か一つ奪ってみせろ。オレから物を奪える実力、オレから物を奪おうとする度胸、それを見るのは中々に面白いことだと思うぞ。まあそんなことできないだろうがな」


 何かを奪えって、そんなの不可能じゃない?

 か弱い乙女が、男性に挑むなんて無茶でしょ。

 それに皇子から何かを奪ったって噂になれば、わたしどこにも居場所無くなっちゃうよ。

 バッドエンドの未来しかなくなるんじゃ……もう既にバッドエンドですが。


「5秒だけ、目を閉じておいてやる。5、4、3」


 そう言ってリルート皇子は数え始めた。

 何を奪えばいい?

 完全に油断している物を奪うしかない。


 どこだ、どこだ。


「2」


 ……もうこれしかないっ!


「1」


 わたしはリルート皇子に近付いて、何を取るでもなく顔を近付ける。

 そして……リルート皇子の唇を奪った。


「!?」


 リルート皇子は思わず目を開け、わたしはすぐに離れる。

 何が起こったのか分かっていないようだ。


「リルート皇子、奪いましたよ。貴方の唇を」

「ハッ、ハハハ! 面白い。実に良い」


 リルート皇子は唇を奪われたというのに何故笑っていられるんだ?

 それに乙女ゲームのイベントで、リルート皇子とキスする時、リルート皇子はそれが初めてって言ってたはずなのに。

 わたしに初めてを奪われて笑っていられるなんて、どういう神経してるんだ。


「ああ、いいぞ。お前を助けてやる。ファナライア」

「えっ、良いんですか?」

「オレは嘘はつかないからな、ファナライアと違って」


 まだ、さっきついた嘘のこと根に持っているんですね。

 前に言ったことを今また後悔するわたしだった。


「ただし、オレのファーストキスを奪った代償は払ってもらうことを忘れるなよ」

「え、えぇ」


 代償ってどんなんでしょう。

 でもまあ一先ず、安全な国に国外追放される目処は立ったようだ。

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