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第19話 余計な契約

とあるサポセンの応答を参考にしました

 時子さんが番号を入れて、サポセンに電話を掛ける。

 念のため、タイムに頼んで通話内容が聞こえるようにしてもらった。

 携帯(ケータイ)の通話内容を盗聴する程度なら、タイムには朝飯前だ。


「お電話有り難うございます。こちら、お助け転移者救済所でございます」


 お助け転移者救済所?

 あー、確か取説にそう書いてあったな。


「えっと……」


 時子さんが携帯(ケータイ)のマイク部分を手で覆って、俺の方を向いた。


「なにを聞けば良いの?」


 ……今までの流れで、何故分からないんだ。


「先月の利用料金かな」

「先月の利用料金が知りたいんですけど」

(うけたまわ)りました。それでは、ご契約の確認をさせて頂いても宜しいでしょうか」

「はい」

「ご契約者様のフルネームをお(うかが)いさせて頂きます」

子夜(しや)時子です」

「子夜時子様でございますね。ご本人様でお間違いありませんか」

「はい」

「有り難うございます。1度こちらでご確認させて頂きます。恐れ入りますが、少々お待ちくださいませ」

「はい」


 なんか、普通に電話会社のサポセンと同じようなことするんだな。

 きっちり保留音まであるときた。

 保留音が2週ちょっとすると、保留音が切れた。


「大変お待たせいたしました。ご契約の確認ができましたので、ご利用料金のご案内をさせて頂きます」

「はい、よろしくお願いします」

「先月のご利用料金は、79万6607円になります。こちら、ご滞――」

「79万円?!」


 ちょっと待て。

 つい最近高額だと思った金額を上回る金額が聞こえた気がするのだが、気のせいだろうか。


「はい、79万6607円でございます」


 気のせいじゃなかった。


「こちら、ご滞納されておりますので、通信速度を制限させて頂いております」

「……分かりました」

「他になにかご用はございますか」

「いえ、有難う――」

「ちょっと待って。時子さん、内訳を聞いてもらえるかな」

「内訳? えっと、利用料金の内訳を教えてもらえますか」

「少々お待ちください」


 再び保留音に切り替わる。


「モナカ、幾らなのよ?」

「だから、約80万円だよ」

「〝円〟じゃ分からないのよ」

「あ、そっか」

「エイルさん、約57万ポウトだよ」

「時子はそんなに使ったのよ?!」

「時子、分かんないよ。契約なんて、お母さんがしてくれたんだから」

「それは元の世界の話だよね。こっちの世界……えっと、お助け転移者救済所だっけ。そこで契約したのは時子さんだと思うのだけど」

「時子は変な契約をさせられたって言ってたのよ。それじゃないのよ?」

「……あ! したした、確かに契約したよ。えっと……」


 時子さんが鞄から大きな封筒を取り出す。

 確か取説が入っていた封筒だ。

 封筒には大きく〝お助け転移者救済所〟と書いてあった。

 そこから紙束を取り出すと、1枚だけ封筒に戻し、残りを俺に渡してきた。

 あ、やっぱり俺が読むのね。

 俺が契約書に目を通し始めたとき、保留音が切れた。


「大変お待たせいたしました。ご利用料金の内訳をご案内させて頂きます。まず、基本料金が1280円。Mmode(マジックモード)利用料が500円。パケット使用料が79万4827円となっております」


 え、なんでそんなにパケ代が高いんだ?

 契約書の通信に関するところに目を通すと、理由が分かった。


「定額制じゃない、従量制だ」

「え?」

「今の契約だと使い放題じゃなくて、使ったら使っただけ課金されるんだよ。しかもこれ、天井の設定が無いみたい」


 一緒に入っていたパンフレットにパケ放題が載っている。

 携帯(スマホ)でいうところの無制限って奴だ。

 契約書を見る限り、通信の契約はしているけれど、パケ放題に入っていない。

 つまり、天井が無い。


「でも、時子ネットなんて見てないよ。ちょっと、メールしてるだけだし」

「メール?」

「ううん、なんでもない」

「ネットは見てなくても、魔法をダウンロードしているから、沢山通信しているんだよ」

「そうなの?」


 時子さんの機械音痴がこういう形で返ってくるとは思わなかった。

 元の世界でもお母さんが契約したと言っていた。

 つまり時子さん本人は、契約になんら関わっていない。

 関わったことが無いから、どうなるかも分からずに契約した……ということか。

 どんな契約をしたのかが気になるけれど、今重要なのはそこではない。

 早急にパケ放題を追加しなくては。

 どうして時子さんはこれに入らなかったのだろうか。


「時子さん、パケ放題を追加して」

「え、パケ放題?」

「そう、サポートにそう伝えて」


 今からでは遅いかも知れない。

 何故なら、今月頭の分は従量制で課金されているからだ。

 パケ放題を追加したからといって、それまでが無かったことになるとは思えない。


「追加するの? お母さんは〝余計なものを追加すると高く付くからね〟って言ってたけど」


 それが原因かー!

 大体の場合は正しいけれど、内容を考えてくれー。


「パケ放題は余計なものじゃないからっ。必須契約だから。お願いします、契約してください」

「うん、分かった。パケ放題っていうのを追加したいんですけど」

「オプションのパケ放題を追加されるのですね。承りました。適応は明日からとなります。ご了承ください」

「分かりました」

「他になにかご用はございますか」

「いえ、特にありません」

「ご利用有難う御座いました。またのお電話、お待ちしております」


 なんというか……

 とりあえず、これで明日からの利用分に関しては、定額で済むようになる。

 しかし未払いのままでは制限を受けたままだから、魔法を使うのは難しいだろう。

 だからといって、あの高額な利用料金を支払えるかというと、無理だろう。

 その上今月頭の分だって、かなりの額になる可能性が高い。

 さて、どうしたものか。

いきなり大金の借金をしてしまった時子

その借金をなんとかする手段が次回やって参ります

ま、定番ですな

なので、第2部の目的は借金返済です(ヲィ

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