あなたの仕事は、いい仕事? それともクソ仕事?
(* ̄∇ ̄)ノ 奇才ノマが極論を述べる
コロナウィルスのパンデミックからコロナ失業、コロナ倒産が相次いでいます。
2020年5月、厚生労働省が二十二日に公表した新型コロナ関連での解雇や雇い止めは、見込みも含め累計1万835人と1万人を超えました。
また、この新型コロナウイルスの感染拡大が病院の経営を圧迫しています。
病院団体が公表した集計によると、4月時点で約8割の病院で経営が悪化。
院内感染を恐れて通院を控える患者が相次いだのに加え、病院側も感染を防ぐため入院を減らさざるを得ない状況です。
病院も医療も社会に必要な存在です。
コロナウイルスから社会を守る為に、現場の医療関係者は尽力しています。
ところが医療関係者の努力と経済的な利益は無関係です。
その為に病院もまた、コロナ倒産、コロナ失業の危機にあります。
2020年5月、沖縄医療生活協同組合は記者会見で、
「経営の立て直しが到底できない」
「もはや働き続けられない」
と経営悪化から医療崩壊に繋がる危険を述べました。
医療機関が新型コロナウイルス感染症の治療に貢献すればするほどに、危機的な経営状況を迎えます。
組合全体の2019年度決算では、1月まで黒字で推移していましたが、2月からコロナウィルスで落ち込み、最終的に1935万円の赤字となりました。また、この状況が続くと半年で7億円の赤字になる、一生懸命働いても経営が悪化する矛盾がある、と会見で訴えました。
経営への打撃が、コロナウィルス対応を担う現場の医療従事者の給料減少、ボーナスカットに繋がる可能性が高くなってきました。
コロナウイルスが現行の経済、マネー資本主義の欠点を顕にしました。社会に必要な仕事をする者が尽力するほどに利益を得られず、経営が破綻していく、というシステムです。
人道的な事を真面目に努力していては、経営は悪化し貧困に喘ぐことになってしまいます。
では逆に病院の経営を第一とすればどうなるのでしょうか?
■精神病院
日本は世界で最も精神病院が多い国でもあります。
一般病院の精神科も加えたベッド数は34万4千で、人口当たりのベッド数は世界一です。
全世界にある精神病床の総数は約185万ですので、世界の精神病床の約5分の1を日本が占めているのです。
OECDの調査によれば、千人当たり1床を超えているのはベルギー、オランダと日本の3国のみとなります。
千人当たり2床を超えているのは世界で日本だけです。
これは、日本が他の国に比べて精神病者が異常に多い世界一の精神病大国、という訳ではありません。
1958年、『精神科の医師は他科の3分の1でよい、看護者は3分の2でよい』とする厚生省事務次官通知、『医療法の精神科特例』が発布されました。
1960年、医療金融公庫という病院や医院向けの国家的融資制度が開始されました。
ここから精神病院の経営は利益率が良いとなり、私立の精神病院が増加していきます。
精神病院経営がビジネスとして注目された結果に、日本は精神病院大国となりました。
日本医師会会長、武見太郎はこの精神病院の経営状況に『患者を家畜に見立てた牧畜業者』と痛烈に批判しました。
現状の精神病院では新規の入院患者が減少傾向にあり、経営の為に次は認知症患者を入院させるところが増えています。
とある精神病院経営者へのインタビューを紹介しましょう。
「なぜ精神病棟に認知症患者を入れるのですか?」
この質問に対し精神病院経営者は、
「職員を路頭に迷わせるわけにはいきませんので」
と答えました。
病院の経営を考えた場合、理想的な患者とは、いつまでも治らない病気に治療費を払い続けてくれる患者となります。
経営が一番とすれば、患者の人生は二番以降になります。これからの精神病院経営には、認知症患者の永久宿泊による牧畜業が、精神病院ビジネスにとって良いやり方となってしまうのでしょう。
経営者として成功するには、患者に同情しては経営を続けられません。そこで罪悪感を感じる良心の持ち主はストレスに耐えられなくなります。
利益が無ければ病院も経営が続けられず、経営破綻、赤字倒産となってしまいます。
資本主義経済には社会にとって必要な職業に従事する人は利益を得にくく、逆に人道上に反する行いの方が利益率が高い、という欠陥があります。
■利益とは
利益とは、行き着くところは二つしかありません。
自然から奪うか。
他人から奪うか。
極論すればこの二つ以外に利益を得る手段は存在しません。
長期的に利益を得るならば、自然との共存を謀り、自然保護を重視するようになります。自然を完全に破壊しては、未来において自然から得られるものが無くなります。
短期的に利益を得るならば、自然が破壊されるまで収奪すれば良い、となります。
人もまた同じく、長期的に見て社会を良くしようとなれば、人を育てる育児に教育といった分野に力を入れ、共同できる人材を育てようとなります。
短期的に利益を得るならば、騙す、奪う、という手段が効率的となります。
目先の利益を望めば収奪こそ最善となってしまいます。
利益だけを見た場合、医療従事者がコロナウィルス対策を真面目にする程に赤字となり、経営が破綻してしまいます。
ここに資本主義に代わる新たなシステムの構築が望まれます。
■ブルシットジョブズ
1930年、経済学者メイナード・ケインズは自動化の生産性向上によって、人の労働時間は週15時間に短縮されると予測しました。1日当たり3時間労働です。
しかし、この予測は外れました。逆に人の労働時間は増え、共働きが当然となりサービス残業やブラック企業、やり甲斐搾取などの言葉が産まれました。
社会人類学教授のデヴィッド・グレーバーはこのことを、
「テクノロジーがむしろ無意味な仕事を作り出すことに使われたからだ」
と説明します。
デヴィッド・グレーバー、2018年の著作
『Bullshit Jobs: A theory"』
クソ仕事、その理論
自動化が進展しても仕事が無くならないのは、先進国でブルシットジョブが増えているからです。
この無意味な仕事を生み出すのは、サービス業の多層化した人員構成に寄生する『経営封建主義』という思想のせいである、とグレーバー教授は述べます。
ブルシットジョブ、クソ仕事の定義とは、
『雇用条件の一部として、従業員はそうでないふりをしなければならないと感じているにもかかわらず、従業員でさえもその存在を正当化できないほど、完全に無意味、不必要、または悪質な有給雇用の形態』
と、なります。
『ブルシットジョブの多くは、創造された中間管理職であり、実用的ではありませんが、それらを実行する人々のキャリアを正当化するためにとにかく存在しています。しかし、明日彼らが去ったとしても、まったく違いはありません』
簡単に例を出すと、ハンコをペタペタと押し、またハンコが押されていることを確認するような仕事です。
人口減少する地方でも役所の仕事は年々増加していきます。
大きな組織は余分な仕事を減らすよりも、定期的に人を雇う為に無駄な仕事を作る傾向があります。
また、社会は常に新しい仕事をつくって雇用を増やさなければならない、という重圧にさらされています。
結果、存在している仕事をカットしてはいけない、という風潮もある中で、企業も政府も不要物を排除することをせず、ますます意味のない仕事を少しずつ作り出していきます。
グレーバー教授は社会的な仕事の半分以上が無意味なものであり、全く無意味な仕事を5つのタイプに分類できると言います。
■5タイプのクソ仕事
〇Flunkies
太鼓持ち
上司に重要な気分を与えるのに役立つ仕事です。
また、権力誇示のためにだけ存在する仕事です。
社長の親戚など、とりあえず何か仕事を与える場合もあります。他には会社での力が部下の数で測られる場合の人数要員として。ドアマンやテレフォンアポインターなど。
〇Goons
用心棒
広告のエージェントやテレマーケティングなど、必要ないものを必要だと印象操作をするような仕事です。他の企業が雇った他の悪党に反対する仕事です。ロビイストや企業弁護士など。
〇Duct Tapers
配管テープ貼り
永続的に修正される可能性のある問題を一時的に修正する人です。
根本的に壊れているものをガムテープで補強しながら無理やり使うようにする仕事です。
設計失敗したコアテクノロジーのパッチ開発。コードを修理するプログラマー。荷物が届かない乗客を落ち着かせる航空会社のデスクスタッフなど。
〇Box Ticking
箱形受信機
事務処理やジェスチャーをアクションの尺度として使用する人です。
プロセスを完了することを目的とし、そのプロセス事態に全く意味がない仕事です。
インタビューを行いそれをパソコンに入れ、そのデータを実際に使うところを見たことが無いなど。
他にもグループ合意をするためのミーティングで、誰も合意したことを覚えていないなど。
パフォーマンスマネージャー、社内報ジャーナリスト、レジャーコーディネーターなど。
〇Task Makers
仕事制作者
本当は必要ではない人を管理したり、その人達のための余分な仕事を作ったりする人です。フランキーズの為の仕事を作る仕事です。中間管理職、リーダーシップ専門家など。
これらのクソ仕事が増加し、またクソ仕事に従事する人ほど高級取りになります。
一方で社会に必要な仕事に従事する人、教師、看護士、保育士、バスの運転手、ゴミ回収業者などは、薄給で待遇が悪くなります。
労働者は、仕事は自分の価値を決定すると信じています。彼らがその仕事を無意味だと思っても、生産性の進歩を労働を減らすことに転換しなかったことが、クソ仕事の増加に繋がったということです。
グレイバー教授はこのサイクルを『深刻な心理的暴力』『私たちの集合的な魂の傷跡』と表現しています。
■解決策
社会に必要な仕事に従事する人に正当な報酬を。これを可能とすれば医療崩壊も病院の経営破綻も防ぐことができるでしょう。
また、看護士不足、保育士不足についても解決の糸口となるでしょう。
しかし、人類は未だにこの問題に有効な手段を実現できていません。
グレーバー教授は可能性のある解決策として『ユニバーサルベーシックインカム』を提唱しています。
資格無しにすべての人に支払われる現金給付制度です。
■クソ仕事の影響
クソ仕事が増加する中で、自分のやっている仕事に全く意味がない、自分の仕事の存在意義さえ疑っていると思っている人が増えています。
イギリスで約37%、オランダで約40%、ベルギーで約30%、日本で約41%の人が自分の仕事が世の中に役立っていないと答えました。
『シベリアに流刑された男は、
半日かけて穴を掘り、
半日かけてその穴を埋めるという
強制労働をひたすらやらされた。
朝、自分で掘った穴を、
午後、自分で埋めている。
何の意味もない単純作業を
延々とやらされると、やがて人は
精神に異常をきたし発狂する』
これはドストエフスキーの『死の家の記録』より。人は無意味と感じることを続けることに耐えられません。
うつ病の増加とクソ仕事の増加は関連があるのではないでしょうか?
一方で経済で見れば、クソ仕事とは最小のコストで最大の利益を産み、意味の無い仕事をすることで給料に繋がる理想的な職業、となります。
また、企業の役員などは効率的な組織運営をしている筈なので、自分の会社の中にクソ仕事が存在することを信じていません。
その仕事が存在する以上は必要だと信念を持っています。
必要の無い仕事を減らし、社会に必要な仕事をシェアできるようになれば、社会全体の労働時間は3割程度減らせることになるのですが、実現するのは難しそうです。
■ひとつの手段
1968年、ニューヨーク市でゴミ収集作業員7千人がストライキを行いました。
賃上げに待遇の改善を要求しました。
このストライキの結果にゴミは回収されず、街はゴミだらけになりました。
社会的な損失が現れ、ゴミ収集作業員はニューヨーク市に必要な職業と認められ、彼らの要求は受け入れられました。
今ではニューヨーク市のゴミ収集作業員は平均より報酬の高い仕事となりました。
■未だに解決は成らず
社会に必要な仕事とはなんでしょうか? 何故、世の中に必要の無い仕事の方が利益率が良いのでしょうか?
コロナウィルスと戦う病院が、経営破綻から倒産の危機となるのは何故でしょうか?
どうすれば看護士や保育士など、人手不足とされる仕事の賃上げや待遇改善ができるのでしょうか?
経済はこれらのデメリットを育てながら、良くも悪くも成長してきました。
その結果に貧富の差が増大し、僅か64人の大富豪が世界の富の半分を牛耳ることになりました。
相対的貧困が増加し、こども食堂は年々増加しています。
リモートワークの増加など、働き方がこれから変わっていくと思われます。
その中で人に必要な仕事と人に必要の無い仕事の選別もまた、見つめ直す時かもしれません。
資本主義経済の欠点を補う発明が望まれています。
あなたの仕事は、いい仕事ですか?
あなたの仕事は、クソ仕事ではありませんか?
あなたの仕事は、誰かに『ありがとう』と礼を述べられる仕事でしょうか?
■おまけ
"o(`皿´;) いやもう、ほんと誰か、現実世界で内政チートやってよ。医療関係者に募金、ぐらいしか思いつくこと無いから。