表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/16

第六話 レベル0と友人?

第六話 レベル0と友人?



「【ライト・プール】」


 スピーノは生きていた。


 生きていたとは言葉が正しくない。変わらず魔物狩を続けていた。それも夜通しである。


 先ほどから彼が何度か使っている魔法は自分の頭上に明かりを配置する魔法であり実はその明かりがあるため魔物を知らず知らずのうちに呼び寄せてしまっているのだが、その自覚はなく、今も呼び寄せられた魔物を切り伏せて夜通し寝ることもなく歩き通しでいた。


「お、またアイアングリズリーだ」


 またというのは先ほどから彼が切り伏せているのはこのアイアングリズリーであるためだ。


 実はこの魔物、このセントリアルス村で一番強いとされている魔物で、ギルドで言ってた夜になったら出てくる桁違いの魔物のことでもある。


 しかしこのスピーノこの世界の常識が通用しない。


 クラッグで鳴らしたその抜群の戦闘センスは何度かアイアングリズリーを狩っているうちに戦いやすい位置取り、攻撃しやすい箇所、ダメージの通りやすい箇所とすでに割り出しており、もはや敵ではない。


 スピーノが考えていることはただ2つ、携帯食料の残りと魔石を入れる場所だけというなんともあきれた行動をとっていたのである。




「ようやく日が昇ってきたな。これ、二日目?かな?わかんないな。てか眠い、海はまだなのかよ」


 俺はいい加減魔石を抱えるのが面倒になって夜のうちに襲ってくる魔物はもう、魔石ごとたたき切ることにしていた。そうすることによって魔物も消滅する。ただそのことで魔石の買い取り収入がなくなるのが痛いなー。


 どっかに鞄でも落ちてりゃよかったんだがそううまいこともなかったし。


 そもそも夜の内はあれだけ襲ってきた魔物が日が昇るにつれなりをひそめていた。おかげで今はサクサク探索できて楽だけど。


 でも俺の第一目標はお金稼ぐことだし悩ましい。まぁ異世界探検することもやりたかったことだしいいんだがなぁ。なんとも言えない。


 川を歩いているときはそれはそれは美しかった。夜空の星というものを初めてみた。あんなにもまぶしく輝くものかと不思議に思う。天体が太陽の光を反射しているだけと知識で知っていたものの実際に見てみると感激するばかりでそこに不躾な横やりは誰も入れようがないだろうな。


 しかし、そろそろ何かアクションがほしいな。暇になってきた。


「よし、次誰かとすれ違ったら話しかけてみよう。冒険者同士仲良くできるかもしれないし、初めての異世界友だちができるかもしれない」


 俺は疲れていたのか、もう人恋しさに飢えていた。もう何時間も人とあってない。もしかしてこの世界?この村?では夜は外を出歩かないのか?もしそうなら朝になってしばらくしたら人と会えるだろう、そうだ!その時魔石を見せていくらくらいになるか聞いてみてもいいかもしれない。そうしよう次は人とあって話しかけよう!


 俺はそう思って代わり映えない景色の変化を求めていたのだろう。


「だーもう!お前らじゃねーよ!」


 さっきから、出てくるのは魔物、しかもマーモラットマーモラットマーモラット。


「チューチューうっせーんだよぉぉぉ!!!」


 いい加減ストレスがたまっていた。出会うのは魔物だけしかも出会えば一撃しかけてすぐ逃げるマーモラットばかりストレスしかねぇ。


 そんな中ようやく、チューってくそみたいな鳴き声以外の鳴き声が聞こえた。


 というか泣き声?違う!叫び声だ!


 急いで俺は聞こえた方向へと走りぬく、川を渡ることになり、服が濡れてしまったが関係ない。そして森の中まで行くと草の影に灰色のローブを着た小柄な人影が見える。そのすぐ後ろにはアーミービーが幾匹か、詠唱開始!


「そこの人、そのまま伏せてろ!」


「???は、はい!??」


「【クイック】【アル・フレイム】」


 森の中だが仕方ない、火魔法を使う、蜂の魔物には火の魔法を見ると逃げ出す習性もある。今回は俺一人ではない、戦いをすぐに終結させる必要があった。


 狙い通り一発目の炎が一番前のアーミービーに着弾し燃え上がると後続の魔物は、急停止、さらに俺が二匹目を切り伏せるのを見て撤退していった。


 幸い炎に焼かれたアーミービーからは森に燃え広がらなかったので、火魔法を使った効果は結果よしとなった。


 さて、魔物は去った。


 俺の後ろの大木の根元には隠れる様に灰色のローブを被った人物が震えている。


「なぁ、もう大丈夫だぜ、魔物は倒したしもう追ってこないからさ、出てきな」


「も、もう倒しちゃったんですか…?」


 もそもそとフードを下ろして小柄な被害者が言う。最初はわからなかったが声を聴いたときわかった。


「で、なんでこんな森の中でアーマービーに1人で追われてたのさ、お嬢さん」


 次にであった人物が俺の初めての友人になるかなと、思った俺の思いとは裏腹に、この異世界生活は話を進めていくらしい。


 この少女、俺が知らない異世界をまだまだ俺に教え伝うためにこうして出会ったのかもしれない。



ええ、無職の常識なしですよ?

さすがスピーノさん馬鹿です。さすスピです。


携帯食料について

所謂カロリーメ○トみたいなものをイメージしてもらえれば。軍用レーションほどまずくはないし、腹持ちもしない程度です。割と結構な量を持たされています。それは見るからにギルドカード作ったときのスピーノさんの状態が見るに見かねている状況だったからですね。

お姉さんたちは親切で食料を恵んだんですが、それ幸いと無茶の暗夜行軍するスピーノさん、まじ馬鹿です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ