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終夜  作者: ヨモスガラ
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特殊能力

「おーい、おきていますかー」っとその声で俺は目覚めた。可愛げのない女の子の声だ。ドアを叩く音も聞こえる。放置しておこうと思ったがドアを叩く音がなりやまない。

「くっそ、めんどくせいなぁー」

めんどくさがりながらもゆっくりドアに近づきドアを開けた、そこには年下にも見える、黒髪でポニーテールの可愛い女の子が少し怒った顔でこっちをみている。

「どうしたんだ?」

「どうしたんだ?じゃありません今日はあなたの転入の手続きをするのではないのですか」完全に忘れていた俺は、女の子に何も言わずに力一杯ドアを閉め急いで準備に取り掛かった。準備が終わり玄関に向かった。

「んじゃ、行ってきまーす、ってそうだっただれもいないんだった」

少し虚しくなった。

俺の名前は佐藤さとう 柊哉しゅうや、白色の髪に少しねずみ色の目をしているところ以外は普通の16歳だ。ここにくる前俺は、田舎で暮らしていた。兄と姉と妹がいて裕福ではないが幸せに暮らしていた。そこで俺は特殊能力と呼ばれる能力が発動してしまい、今ここに連れてこられたってわけである。

ゆっくりと靴を履いてドアを開けた。するともう15分くらい経っているにもかかわらずポニーテールの女の子がまだドアの前に立っていた。

「遅いですよ、何していたんですか?もう1時間も遅刻しているですよ」

「あー悪い完全に忘れてた、ってまずお前誰なんだよ」

すると彼女は反対方向を向いて歩き出した。「私が誰かは歩きながら説明します。私の後についてきてください、遅れているのでいそいでくださいね」

しぶしぶ俺は彼女の後をついて行った。

「私の名前は小川おがわ まいと言います。バトルネームはMYです。」

「あのーまいさん?バトルネームってなんですか」

「バトルネームとは私たちが敵と戦うに関して呼ばれるときの名前です」

「敵?なんだよそれ」

「あなたまさか何も知らずにここにきたのですか!?」

「それはそうだろ、気絶させられて勝手に連れてこられておきたらあの部屋にいたんだぜ、何が何だかわかるわけねぇだろ」

「なら仕方ないですね。順を追って説明しますね」

「頼む」

「今から1年ほど前東京に突如現れた巨大な地下迷宮、その地下迷宮に何人もの研究者が立ち寄ったが、一人として帰ってきたものはいなかった。しかし、調査を始めて3カ月ほどたったとき1人の研究者が帰ってきた。その研究者は一枚の写真を撮ることに成功していた。そこに写っていたのが私たちが戦う敵通称シャドウです。シャドウは夜にしか行動できませんがとても強力な力を持っています。爆弾はもちろん科学兵器などは何も効きませんでした。」

「おいおい、まさかそのシャドウとかいうやつに俺たちが戦うとかゆうーんじゃねぇーだろうな」

「その通りです。私達のもつ特殊能力はシャドウに対して有効だという事がわかりました。そのため私たちが特殊能力を使いシャドウを倒すのです」

「そんなことしなくても地下迷宮にさえ入らなければいいんじゃねぇのかよ」

「最初はそう思っていましたが夜になればシャドウ達は街に出てきて人を喰らいます、なので私たちが戦わなきゃならないのです」

「おいおいまじかよ」

「その戦いで私たちが勝つためいや人間が生き残るために設立されたこの学園、聖域学園です。この学園では特殊能力をもつ子供達が通っています。」

「みんな特殊能力をもっているってことか」

「はい、さっきまであなたが寝ていた場所が聖域学園の寮になります。これからはあの部屋があなたの部屋になります。ではそろそろ学園につきますので詳しいことは学園長を含めて話すことにしましょう」

白色の壁にレンガのような色の屋根、普通の学校よりもかなり大きいが普通の学校と対して変わりはないこの季節は桜が散り始めていて道には花びらが散っている。この学園は特殊能力をもつ子供達を育成するための学校なのである。

「学園長の部屋につきました。では入りますよ」

「わかった」

「すいません、まいです。転入生を連れてきました。」

「入れ」

ドアを開け中に入ると俺は驚きにあまり自分の目を疑ってしまった。そこには金髪の女の子が座っていた。身長は座っているからあまりわからないが俺より低いだろう顔立ちは童顔でどう見ても小学生にしか見えない。

まいは俺の方を不思議そうに見ている

「あのーすいませんなにをそんなに化け物を見たときのような顔で驚いているのですか」

「いやだって学園長っておじさんのイメージがあるからこんな可愛らしい女の子とは思ってなくて」

学園長は少し怒りながらこちらをにらんだ。

「まぁ2人とも座れ本題にしよう」

「はい」

まいと俺は声を揃えた

学園長は腕を組みながら話し始めた

「柊哉、お前がこの学園に来た理由は知ってるか」

「はい、さっきまいにききました。」

「それは話が早い。ではまずこの学園の仕組みとこれからのお前の生活について話すぞいいか」

「はい」

「ではまず学園の仕組みからだ、この学園はシャドウを倒すために設立されている。そしてそのシャドウを倒すために特殊能力の力をみてA〜Fまでランク分けされている。このランクは3カ月に1回行われる実力テストによって区分けされている。まずお前にはFランクに入ってもらう」

「わかりました」

「そしてこれからお前は特殊能力の腕を磨き前線に出て戦ってもういいな」

大雑把すぎるがわかりやすい教え方だ。

「わかりました。では俺は強くなればいいのですね」

「そーゆーことだ。まぁ学園もそんなに堅苦しいところではない楽しんでくれ」

「はい」

「話はこれで終わりだ。まいこの学園の案内をしてやってくれ」

「わかりました。学園長」

それで俺たちは学園長の部屋をあとにした。

とても長い廊下だたくさんの部屋もあるが何より廊下が長い。しかも女の子と2人というとても気まずい展開だ。

「なぁまいさん」

「まいでいいわ。で、なんですか」

「まいはこの学園でのランクはなんだ」

「私ですか、私はAランクでこの学園の生徒会長をやらしていただいております」

「え、まいすごいやつだったのか」

「まぁそんなことはどうでもいい話です。とりあえずよく使う部屋だけ案内します」

「りょーかい」

そして少し歩くとまいが立ち止まった

「ここが図書室です。そしてこの横の扉が保健室になっています。」

道もほとんど覚えていないのだが急に言われたのではいとしかいいようがない。

そしてまいはまた歩き出した。

「図書室の前の渡り廊下を渡ると武器屋になります。ここの武器屋は入学した人に一つずつ配ることになっているのです。武器の修理や強化はここでおこなってください」

「りょーかい、俺も武器を見て行ってもいいか」

「いいですよ、あとはクラスに連れて行って終わりなので」

「んじゃ、決まり」

俺は武器がとても好きなので楽しみで仕方がなかった。中はとても暗くなにも見えない。

「すいませーん」

すると奥から渋い声が聞こえた。

「なんじゃこんな時期に武器の調整か」

奥から出てきたのはとても大きくがたいのいい男が出てきた。

「おい、お前見たことない顔だな、転入生か」

「はい、今日からこの学園で生活する。佐藤柊哉と申します」

「そんなにかたくならなくていい武器が欲しいのか中に入れ」

奥へ進むとたくさんの武器が並んでいる。剣から銃までいろんな武器が置いてある。

「柊哉って言ったかお前はどんな武器が欲しいんだ」

「剣がいいかな」

「剣かこれとかどうだ」

軽い片手剣だ、俺はあまりこの剣がいいとは思わなかった。

「すいません、おっさんこれはセンスないね」

「どれがいいんだよ、柊哉好きな剣を一本選びな」

そう言われるとおくの方にある黒と青紫色の長剣に目を取られた。

「にぃちゃんそれはやめときなそれは人を選ぶ剣だぜもてはしねーよ」

「おっさんこれに決めた」

そう言って手を伸ばしその剣を手に取ると剣が青紫色に光り出した。武器屋のおっさんは驚きのあまり武器を構えてしまった。

「にぃちゃんお前なにもんだよ。適正ランクAだぜ、その武器にしな」

「ありがとよ、おっさんこれにするぜ」

「武器には名前をつける必要がある、好きな名前にしな」

「おう」

少し時間がたった

「決めたこれからこいつの名前はナイトメアだ」

「なかなかいい名前だ」

「ありがとよおっさんまた来るよ」

「おう、がんばれよ」

そしておれは武器屋をあとにした。

まいは武器屋の前で待っていたのでまいと合流した。

「あの、柊哉さんそのいかつい剣はなんですか」

「ナイトメアだ、おれの剣だぜ」

あきれた顔でおれを見ていた

「はいはい、武器で盛り上がるのはそれくらいにして、クラスに行きますよ」

そして俺たちはクラスに向かった。

俺たちがクラスについた頃にはもう最後の授業に入っていた。

黒板の前には眼鏡をかけたおじさんがいた。きっと先生だろう。生徒は40に前後といったところだが教室には十分に空きスペースがある。まいは授業中にもかかわらずにドアを開けていた。

「おい、まい勝手に開けたらまずいだろう」

まいはおれの話など耳にも入れずにメガネの教師と話している。

「まいさん、こんにちは、今から属性の確かめをしに行くところでした」

「そう、ちょうどよかったは転入生も一緒にお願いできるかしら」

そう言うと俺の手を掴んで無理やり黒板の前まで連れいていかれた。

「おい、まいなにすんだよ」

「今日からあなたが通う教室よ、挨拶くらいしときなさい」

そう言うとまいはなにも言わずに教室から出て行ってしまった。

俺はどうしていいかもわからずに困っていた。

すると教師が名前を黒板に書き始めた。俺の名前を書き終わると俺に何か言えよと言わんばかりの目で見てくる。

俺はあまり気に食わなかったが自己紹介をすることにした。

「俺の名前は佐藤柊哉だ。特殊能力とかなんとかあんまりわからんけどよろしくお願いします。」

するとクラスのみんなは白い目をしながら俺を見ている。先生は俺の腰に手を当てながら指をさした。

「あなたの席はあそこだからね」

そこは窓側の一番後ろの席だ。

「わかりました」

俺はクラスの目線を気にしながら席についた。

俺の席の前の奴は茶髪のソフトモヒカンの男子、斜め前は銀の髪をしているいかにもお嬢さまってかんじの女の子、隣の席は大人しそうなショートカットのメガネっこだ。

まぁ大人しくやっていこうと思ったそのとき、前のソフトモヒカンが俺の机に両手を置いて興味深そうにこちらを見ている。

「ねぇ、君柊哉って言うんだよね」

返事するのも面倒だから適当に相槌を打っていた。

「どんな特殊能力もってんの」

「まだ俺も自分の能力は知らないんだ」

そう言うと残念そうな顔をしながら話を続けた。

「俺の能力は、聞きたいか」

そこまで言われた聞きたいに決まっている。

「ああ」

少しにやけながら自慢げそうな顔をしている。

「俺の能力はな、ある一定の質量なら思うように動かせるのさ」

「おおそれはすごい」

そうすると男は黒板に手のひらを向けた。

「まぁ見とけよ」

すると手の周りに魔法陣のような形の光が現れた。

「ムーブ!」

すると黒板の前にあった先生のボールペンが宙に浮いた。そして男は手を握るとその浮いているペンが机の上に落ちた。

自慢げそうにこっちを見てきた。

「どう」

俺は特殊能力を見るのが初めてだったので本当に心からすごいと思った。

「すごいな」

「だろ、そういや自己紹介がまだだったな。俺の名前は内田うちだ 達人たつとよろしくな」

こいつとは仲良くなる気がすると思った。

「こちらこそよろしく頼む」

すると先生が属性の話をしている。

「えーと、特殊能力には属性があり、属性には7つの属性があります、基本的には5つの属性なのですがごく稀に残りの2つの属性が出ることがあります。まずは基本の5つです、火、水、風、闇、光の5つです残りの2つは、妖精、龍の2つです。先生は妖精は見たことがあるのですが龍はまだ見たことがありません。なので龍の存在をあまり信じていないのですよね」

すると斜め前のお嬢様系女子が手を挙げていた。

「あの先生、その属性とはどうやって確かめるのですか。特殊能力を好きに発動することのできる人もいるけれどそうでない人もいるわ」

先生がこの質問には慣れているかのようにくすりと笑っていた。

「それはですね、学園の裏にある水があります、それは今の学園長が作った属性を確かめることのできる水です。その水に手のひらを乗せると水に映し出されるのです。その映し出された絵を見れば属性がわかります。」

完全に返されてがっくりきているのかすこし残念そうにお嬢様は椅子に座った。

先生がみんなの方を見た。

「ではいまから皆様に属性を確かめてもらいたいと思います。先生についてきてください。」

みんなが椅子から立ち上がり先生について行きました。

水に着く前の廊下で俺と達人は一緒に歩いて行った。すると楽しそうに達人がスキップしている。

「達人一体何がそんなに楽しみなんだ」

にやにやしながらこっちを見ている。

「だってさ自分の属性って気にならないか俺はやっぱり龍がいいなぁ」

「いやいやお前の能力を見るかぎりお前はきっと闇だよ」

「まぁ闇でもかっこいいからいいや」

するとにやにやするのをやめて真面目に俺の方を見ている。

「柊哉は何の属性がいいんだ」

「俺はそんなに属性とか興味ないし何でもいいよ」

「そう言うやつが光や精霊、龍を引き立てそうで怖いよ」

笑いながら話していると水の溜まり場のようなところについた。

すると、先生が立ち止まり順番に並ぶように言った。みんなは自分がなにの属性か気になっていたのでスムーズに確かめて行った。1番目は銀色の髪のお嬢さまからだ。

「ならわたくしが1番目に行きますわ」

お嬢さまは躊躇なく水面に手を置いた。

すると、水は激しく揺れ出し、水面に妖精の絵を映し出した。

先生は少し喜びながら手をひらげて少し自慢げでこちらを向いた。

「1番目のシャロンさんは珍しい妖精の属性を出しました。皆さんもシャロンさんのように属性を確かめて行きましょう。」

俺は達人に小さな声で人の悪口を言うくらいの声で話した。

「なぁ達人、あいつシャロンっていうのか、妖精ってすごいよな」

達人は同じ声くらいの大きさで返してきた。

「あぁ、あいつはロシアからきた特殊能力で名前はシャロン・F・フェアリー。まさか一発目に精霊を引くとは驚きだぜ」

全員の生徒が我こそはと水面に手をおくが珍しい属性が出ることなく、ついに残りは俺と達人と隣の席のめがねちゃんしかいない。めがねちゃんがこちらに笑顔を見せた。

「私から行きますね。」

俺と達人はどうぞと言わんばかりに頭を下げた。めがねちゃんが水面に手を置くと黒い靄が映し出された。これは闇の属性だ。普通の属性だったので騒ぎは起きなかった。残りは俺と達人だ、達人を見て見ると腕を回し次は俺だと言わんばかりに目を輝かしている。俺は少しあきれてしまった。

「達人、先に行くか?」

達人は嬉しそうにこっちをみた。

「いいのかよ、なら遠慮なく行かしてもらいます。」

水面に手を置くとめがねちゃんと同じ黒い靄が映し出された。達人は残念そうに戻ってきた。

「やはり俺には力がないんだよ。柊哉、お前だけはいい属性を出してくれよ」

俺は別に属性を気にしていないので適度に相槌を打っておいた。すると先生がこっちに目線をおいた。

「転入生くん、転入そうそう試験みたいなのでごめんね。ここに手を置いてくれたらいいから。」

先生は、あまり俺に期待していないかのように早く終わりたそうな顔をしている。俺はそんな先生を気にすることなく水面に手を置いた。すると水面が激しく揺れ始めた。水面に映し出されたのは真っ白の龍だった。先生の方を見て見ると、先生は驚きのあまり固まって動けなくなっていた。 後ろを見て見ると達人や他の生徒も先生と同様に固まっていた。

俺は先生の目の前に行って目の前で手を振った。

「おーい、大丈夫ですか」

先生は化け物にでも話しかけられたみたいに震えていた。

「柊哉といったか、本当に君の属性は龍なのかい」

「わかりません。でも龍が映し出されたのですからそうなのでしょう。」

すると、後ろから学園長がゆっくりと歩いてきた。

「誰だ、今、この場所で、龍の属性を出した奴は」

俺は怒られている子供のようにしていた。

「僕です」

学園長は僕の方をジロジロと見ている。

「君は確か、今日、転入してきた佐藤 柊哉だな」

「はい」

学園長は何か自分の中で納得したかのような顔をした。その後、生徒の方を見た。

「お前たちはもう帰っていい」

学園長は俺の方も見た。

「お前も帰っていいぞ」

「わかりました」

生徒たちは、こそこそ何か話しながら帰っていった。俺はその輪に入ることはできなかった。

生徒が全員帰った。

メガネのおじさん先生が少し深刻そうな顔で学園長に話しかけた。

「これは深刻なことになりましたね」

「あぁ、そうだな先生を全員集めろ、緊急会議をひらく」

学園長の部屋に全学年の先生とAランクの生徒たちが会議室に集まった。

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