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閑話1




俺の名前は大島 大翔だ。



実はこの学校に来てからずっと片思いをしている。相手は一ノ瀬 茜。



まぁいわゆる一目惚れってやつだ。



クラス1の不良なんて言われているが自分はそう思ってない。だって、まだ1度も一ノ瀬に話しかけることが出来ないてない臆病者だしな。



いつかこの気持ちをつたえられればいいけどな…...







今日神崎 海斗とかいう昨日までひきこもってた奴が学校にきた。俺の感じた第一印象はモテなさそうってことだ。



その後すぐ、自分は神様とかいってるチビに異世界とやらに転移させられた。その時はふざけんなと思ったが、緑川が出てきたから問題は起こさなかった。



緑川はなんでも自分が正しいと思ってる奴だ。それに空手を習っているからむちゃくちゃ強いし、俺もあまり問題を起こしたくない。







――転移させられてから1週間がたった――



俺は今かなりムカついている。



理由は神崎だ。

神崎の野郎。ひきこもりで顔ブサイクのオタクの癖に、一ノ瀬と仲良くしやがって。



この前、神崎と茜が一緒に図書館で本を読んでいるところを目撃した。訓練の時も一緒、ご飯の時すら一緒だ。



まぁなんだ。つまりめちゃくちゃ仲がいいんだよ。特に一ノ瀬は神崎に惚れているんだと俺は思う。



だから一ノ瀬に神崎のことどう思ってるだ? と聞いてみたことがあった。これが念願の初会話になったのはあまり嬉しい事ではなかったが、気になったからな。



「なぁ、一ノ瀬。神崎の事どうおもってるんだ?」



「うーん。内緒」



「好きなのか?」



「っ!! そ、そ......そんなわけないじゃん。あっ用事があるからじゃあね!」



これは、あれだよな。好きってことだよなこれ。この後、俺はブチ切れて神崎の胸ぐらを掴んで殴ろうとしたが緑川に止められた。



くそっ! なんで俺じゃないんだ。何であいつなんだ?



緑川ならわかる。幼なじみらしいし顔だってイケメンだ。けど神崎は緑川と真逆だ。モテる要素なんてないぞ。なんでたった何日かで一ノ瀬と仲良くなれるんだ? 俺なんてまだ、一ノ瀬のことを下の名前で読んだ事すらないんだぞ。







その夜俺は明日からのダンジョンでの訓練に備えて、早く寝ようと自分の部屋に戻った。



「あれっ? 鍵が空いてるぞ?」



確か出る時に鍵掛けたはずなんだけどな。まぁいいか。



俺が中に入ると真っ黒なローブを着た人が椅子に座っていた。



「こんにちは大翔くん。待ってたよ」



「お前誰だ? なんで俺の名前をしっている?」



「まぁそんなことは別に関係ないじゃないか。今回私は君に、ある取引がしたくてね」



「......取引ってなんだ?」



「ところで君。神崎君って子のこと嫌いだよね」



「まぁ否定はしねぇよ」



「私が始末してあげるよ」



「......どうやって」



「明日ダンジョンで訓練するんだろ? その時にモンスターに襲わせてだ」



「それなら俺にだってできるはずだ」



「君がやったなんて知られたら一ノ瀬さんはどう思うのかなー?」



チッ! この野郎、俺が一ノ瀬のことが好きだって知ってるのか。



「......取引ってことは俺は何を支払うんだ?」



「君にはこれから私の駒として言われたことをしてくれればいいだけだ」



「......わかった。だが、神崎のことはしっかりやれよ」



「わかってますよ。それではまた」



真っ黒なローブを着た人は窓から飛び降りいなくなった。



これで良かったのか? もし成功して俺が計画したなんてバレたらやばいんじゃないか?



まぁ明日になったら考えるか......






その次の日、俺達はダンジョンに突然現れて突然消えたモンスターに遭遇し王宮に帰ってきた。ひとりを除いて。



王宮に帰ってきて以降、一ノ瀬は元気がなく部屋で引きこもっている。緑川が部屋から出るように説得しているが一向に出てくる様子がない。



......これで良かったんだ。俺は悪くない。



......悪いのは一ノ瀬と仲良くなった神崎だ。



......俺は悪くない。俺は正しいことをしたんだ。






大島 大翔の心は徐々に壊れ始めた......





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