サルリア偏~フランのユニークスキル
――俺とフランは買ってきた服を着て、店を出た。
「そろそろお昼だから、ゴブリン退治の前にご飯を食べに行くか。」
それより何でだろうな。周りの視線がこっちを向いてるような気がするな。......気のせいだよな。
「はい。それとアリス様可愛いですね」
「あっ!あそこの店で食べようぜ」
(マスター。可愛いですよ)
......くそっ!リアまで、俺が考えないようにしてることを言ったな。
今俺は青がモチーフの服を着ているのだが、スカートなんだよ......。
想像してみてくれ。15年間男として生きてきた俺が、いきなりスカートを履いてるんだぞ。何も感じないと思うか?
下がスースーしてめっちゃ恥ずいんだよ!しかも誰かとすれ違う度にめっちゃこっちを見てくるし。
よし!気にしないようにしよう。って思うだろ普通。
はぁ......。
「アリス様。落ち込んでないで店に入りますよ」
「そうだな」
店に入った俺達は、近くの席が空いてたのでそこに座った。
「あれっ?フラン、なんで地べたに座ってるんだ?」
「私は一応アリス様の奴隷ですから。アリス様と同じテーブルで食事はできません」
......はぁ。奴隷ってそんなことしなきゃいけないのか。
「いいかフラン。『命令』だ。俺と一緒のテーブルで食べるんだ」
「......アリス様は優しいんですね。......ありがとうございます」
よし。フランも席についたし、注文するか。
「すいませーん。注文いいですかー?」
――昼食を食べ終えた俺達は、ゴブリンが住んでいる森へ向かった。
「ここが、ゴブリンがいる森か」
「はいそうですね」
(マスター。まずは、フランさんの戦闘能力を見てみてはどうですか?)
そうだな。
「そういえばフランって、戦闘した経験あるのか?」
「いえ、ありません」
「じゃあまずは、あそこにいる3匹のゴブリンを一人で倒してきてくれ。危なそうだったら俺が助けるから」
「はい。わかりました」
フランは鞘から2本の双剣を抜き、ゴブリンの方へ駆けていった。
さて、どのくらいできるかな?
1匹のゴブリンに後ろから、疾風のごとく詰め寄ったフランは、ゴブリンの首を、一撃で落とした。
2匹のゴブリンが気づいたかと思うと、1匹は足、もう1匹は胴体を双剣によって切断された。
「グギャァァァァ!」
足を切断されたゴブリンの絶叫が聞こえるが、フランの足に踏まれ、......頭が潰れた。
......えっ?なにこれ。周りが血の海なんだけど。
てか何、あのフランの動き。あんな動き普通できないし、頭を踏みつぶすなんて精神的に出来ないだろ。
(......マスター。フランさんに鑑定を使ってみてください)
あ、ああ。わかった。
(鑑定)
――――――――――
名前 フラン
年齢 13歳
種族 人間 レベル5
状態 奴隷 (狂戦士)
HP 24/24(240)
MP 12/12(120)
STR 22(220)
VIT 14(140)
DEX 16(160)
AGI 17(170)
INT 12(120)
MEN 14(140)
LUK 15(150)
スキル
生活魔法レベル5 解体レベル3
料理レベル2 剣術レベル2
暗殺レベル1 俊足レベル1
ユニークスキル
狂戦士
称号
奪われた者
戦闘狂
――――――――――
(......どうやらフランさんのユニークスキルの残りの条件が、戦闘だったようですね。
狂戦士の効果は、戦闘中ステータス10倍です。欠点は、自我の制御が難しいところですね)
フラン。......チート化したな。スキル俊足は何となくわかるんだが、暗殺ってなんだ?
(暗殺とは、ターゲットに気づかれないように殺す技術ですね)
ああ、だから俊足と合わさって、あんなに早くゴブリンを倒したのか。ってか、まだゴブリンと戦ってるよ。
(ちなみに、今は話しかけない方がいいですよ。自我が保ててないので)
最悪じゃねぇかよ。はぁ......。まぁいいか。今のステータスならゴブリンに、楽勝で勝てるだろうしな。
(それより、マスターもゴブリンと戦ってください)
でも俺、レベル58だから倒してもほとんど上がらないんだよな。
(レベルは上がらないですけど、ポイントは倒した相手の、レベル分増えますから)
そうだったんだ。なら戦おうかな。
――それから俺とフランは、ゴブリンの集落を見つけ、徹底的に壊滅させ、討伐の証であるゴブリンの耳を約300個ほど集めて、街に戻ってきた。
「フラン。これからは、暴走したりしないように練習するんだぞ」
「うう、ごめんなさい」
まぁでも、強くなったのはいい事だけどな。これからは俺が完全に、守りきれるとは限らないだろうしな。
「とりあえず今日は、宿をとって寝るか。明日、フランの冒険者登録と、クエストクリアの報告に行くか」
「では、宿はあそこがいいですよ」
「おう。よく知ってるな」
「洋服屋の人に聞きましたから」
「そっか。じゃあ入るか」
「すいませーん。泊まりたいんですけど、部屋ありますか?」
「いらっしゃーい。部屋は2人部屋かい?夕食付きで、一人銀貨3枚だよ。」
「い、いえ個別で「2人部屋でお願いします」っえ?」
「了解。これが部屋の鍵だよ」
「お、おいフラン。2人部屋でいいのか?」
「......私はアリス様の奴隷ですから、一緒に同じ部屋で寝るのは、当然です」
フランの顔が赤いような気がするが、気のせいか?
「大丈夫か?顔が赤いぞ。熱でもあるのか?」
「っ!なんでもありません!は、早く行きますよ」
「ああ。......明日からも一緒に頑張ろうな」
「はい!」
(私も頑張りますよ)
ああ。リアもこれから長い付き合いになるだろうがよろしくな。頼りにしてるぞ。
(私がいる限り、マスターが死ぬようなことは、決してありませんよ)
ははっ。頼もしい限りだな。
――その日俺は初めて、今の生活が楽しいと思った。




