好きな子が『ハンドタオル』に転生してしまい...とりあえず僕はそれで手を拭いた、顔を拭いた♪
なんということだ...
片想いのあの子が、あろうことか...
ハンドタオルになってしまった!
前々からおかしいとは思っていたのだ。
高校生活の初日、自己紹介のとき、
あの子はこう挨拶したのだ。
「わたしの家はタオル家系なんです!タオル一族なんです!」
ん...
「わたし...肩より上に手をあげたら、タオルになってしまうんです!」
ええ!?
「ハンドタオルになってしまうんです!!」
ざわざわ...
それから半年がすぎ、彼女はいまだタオルになっていない。
というか、みんなタオルの件は忘れている(忘れようと努力した)
僕はすっかり彼女に恋をしていた。
こんな可愛い子はみたことがない...まるでひとり芸能コースだ。
僕は今日、彼女に告白することに決めていた。
よし!いくぞ!
はう!?
クラスで一番のチャラ男が彼女となにやら話している。
ポッケに手を突っ込み、片足に重心をかけ、なんか全体的に体が斜め!
彼女の頬が赤らんでいる。
まんざらでもない...
くそ!くそ!ちきしょー!
そこからはあまり記憶がない。
僕は彼女に突進し、彼女の手を頭上に持ち上げたらしい。
肩より上に手をあげてしまったらしい。
彼女はハンドタオルになってしまった。
少しずつ...
足、腰、胸、そして顔...どんどんタオル化していき...
サヨナラ...
僕は涙ながらにハンドタオル(彼女)を拾い上げ、チャラ男を吹き飛ばして
教室を飛び出した。
そして、やることないからとりあえず手を拭いた。
それから顔を洗って、拭いてみたりした。
「なにこれ!素早く水分を吸収するんですけど!」
完
タオルになっちゃう女の子と洗濯バサミに生まれ変わる男の子の話、
『あたらしい美少女はいちど洗ってから♪』を連載中です(❀╹◡╹)ノ゛