プロローグ
幼女生態研究部初の小説。
丸く柔らかい地球儀。
真っ白いミルクティーを垂らすとその味は?
白い声の問いかけは目を覚ます直前に一回だけ聞こえてきた。
城の朝は早い。陽が昇ると人が動き、国が始まる。
豪華な朝食はこの国の繁栄を表している。
ミルクロリは天候にも恵まれている。
季節は一年を通して初夏を思わせる暖かさがあり優しい日差しは気分を向上させる。
だが、俺の気分は晴れない。
今日は、18歳の誕生日だ。この国では18歳を成人の基準としている。成人を迎えた国民は兵役や産業などの職につく。
そして、ある1つのことを生きがいとして命が尽きるまで働く。
この国の価値観は少々変わっている。
大人は子供を崇め、狂信的なまでの愛情を与えている。
それは、まるでロリコンやショタコンの様に…。
しかし俺の悩みは真逆だ。
鏡に映る俺の姿はどう見ても18歳には見えない。良くて10歳、もっと幼く見えると讃える人もいるだろう。
理由は分かっていないが、俺の一族は10歳程度で成長が止まる。
そのおかげで国民は俺たち一族を王として従っているというわけだ。
成人の年齢に達した男女は必ずこの価値観になる。教育機関の思考調教の賜物だろう。
洗脳だと思われるかもしれないが、国民側が提案してきたのだという。
先代の王の時代は教育を受けなくても、全ての国民がこの思想に染まっていたのだ。
大人にもなれない、哀れな王様以外はな。
心は18歳になるが体は18歳にはならない。この矛盾は俺を掴んで離さないだろう。
もし、成長することができるならなんだってする。
ありえないとわかっていながら、俺の心は堅くなっていた。
あの日までは…
ロリコンの現実逃避見苦しいゾ