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闇堕ち聖女のガチ絶望ライブ中継

――【放送事故】捏造聖女、独房で「本性」を晒す

 第四基地のサーバー室では、基地全体の警告アラートと同期するように、d-tubeの「急上昇ランク」が真っ赤に染まっていた。

軍が「未知の呪い」として隠蔽しようとした地下室の映像は、兵士たちが横流しした軍用魔石のレンズによって、全世界に「超高画質」で垂れ流されている。


「おい見ろよ! あの聖女様の指から出てる黒い霧、壁を溶かしてやがるぞ!」



「ぎゃはは! 軍は『呪い』とか言ってるけど、これリアネ様の『地属性』だろwww 今までよく隠してたな!」



「地属性どころか『墓属性』だろ! 触るもの全部死なせて泣き喚くとか、ダークヒロイン狙いすぎだろ聖女様よぉ!」



「運営! 壁の溶ける音をもっと鮮明に拾え! リアネ様が絶望して爪を立てる音、ASMRで聴きたいんだよ!」



画面上を埋め尽くすのは、驚天動地の弾幕だ。

かつて彼女に癒やしを求めていた信者たちは、今や「汚物を見るような快感」に酔いしれ、彼女が独房の壁をドロドロに溶かし、パニックに陥る姿を指を差して笑っている。


「『全部コウタのせいよ』だってよ! あんなにバカにしてた無能に、今さら全責任押しつけてんぞwww」



「今の声聞いたか? 『助けてよ、ねえコウタ』って。さっきまで呪ってた相手に縋るとか、チョロすぎて草も生えない」



「おいおい、お前の汚い魔法なんて、あいつの『光』に触れた瞬間に消滅しるわ!」



「【朗報】リアネ様、あまりの執着心に顔つきが完全に『メス』になる。おい、これ教育に悪いぞwww」


リアネが独房の中で、自分自身の「腐食」という本質に気づき、「私は魔女じゃない」と叫んで泣き崩れる。

その絶望的な叫びは、ネット上では「神セリフ」として即座に切り抜かれ、テクノ系のBGMとリミックスされて拡散されていく。

視聴者にとって、彼女の魂の消滅は、単なる「面白いコンテンツ」の一つに過ぎなかった。


――【神回】「気持ち悪い」愛の自白と、莫大なスパチャ

 深夜のネット掲示板とd-tubeのコメント欄は、もはや物理的な熱を発しているかのようだった。

モニターに映し出されているのは、独房の床で自分の身体を抱きしめ、荒い息を吐くリアネの姿。

画面中央には、視聴者が投げ銭で設置した【本能メーター:臨界点突破】という下劣なギミックが、赤く点滅している。


「『私、何も綺麗なものを持ってなかった』――はい、伝説の名言いただきましたぁ!」



「綺麗なものがないなら、汚いもので埋めるしかねえよな! いいぞ、そのボロボロの法衣をもっと汚して泣け!」


「見える! 涙でぐしゃぐしゃの顔が、コウタの名前を呼ぶ瞬間に『女』の顔になってるのが見えるぞwww」


「スパチャ300万突破! ボーナスタイムだ! 基地の空調を切れ! リアネ様の熱い吐息をもっとマイクに叩き込め!」


視聴者たちは、かつて清純を売りにしていた聖女が、一人の少年の記憶だけで「雌」として壊れていく様を、最前列の特等席で観賞していた。

リアネが「私、何も綺麗なものを持ってなかった」と独白し、自分の法衣をさらに汚していく様子に、アンチたちは「これぞ最高のメシウマ」と狂喜乱舞する。


「『あんたがいないと、私は……こんなに、汚い』」



「出たああああ! 完全降伏宣言! コウタ様、この女、完全に仕上がってますよwww」


「見える! 見えるぞおおお! 拒絶しながら、指がコウタの感触を探して自分の肌を這いずってるのが!!」


コメント欄の熱狂は、リアネが自分の右手を頬に当て、コウタの残滓を貪るシーンで頂点に達した。


「うわああああああ! 『気持ち悪い』きたああああああ!!!」



「【祝】リアネ様、無能への依存を全身で認める。おめでとう! 今日からお前はただの執着女だ!」


彼女が発した「気持ち悪い」という拒絶の言葉は、ネットの海に放たれた瞬間、皮肉なことに「究極の愛の肯定」として翻訳された。


――【伝説】愛の逃避行スタート!全世界が見守る「出荷」

 隔離基地のオペレーターたちは、端末に表示される天文学的な額の「解放支援金ドネート」を見て、下卑た笑いを浮かべた。


「……おい、もうこれ、止める理由がないぞ。視聴者様たちが『彼女を戦地へ出荷しろ』って言ってるんだ」



「ああ、隔離解除だ。リアネ様の腐食魔法で壁が溶けたことにして、外へ逃がしてやれ。もちろん、魔導端末のカメラは死守しろよ。ここからの『追跡ライブ』が本番なんだからな」


リアネは知らない。

自分が「地獄からの脱出」を決意し、鉄格子を溶かして歩き出したその瞬間。

画面の向こう側の数百万人が、「待ってました! ヤンデレ聖女の『ストーカー行軍ライブ』開始だ!」と拍手喝采を送っていることを。

翌朝、ふらふらと、腐り落ちた鉄格子の外へ踏み出したリアネ。

基地のスピーカーからは、視聴者たちのリクエストによって選ばれた「感動的なBGM」が大音量で流れ始めた。


「……な、なによこれ……。なんで、こんな音楽が……」


リアネは涙を拭い、混乱した頭で荒野を見つめる。

彼女は自分が「一人の少年の人生を再び生贄に捧げる」と決意したその冷徹な顔さえも、世界中の視聴者にとっては、次の大型アップデートを待つ「ゲームのイベントシーン」でしかなかった。


「よし、全チャンネル追跡モードに入れ! 【聖女リアネ:愛(執着)の再捕獲編】、投げスパチャ準備しろよお前ら!」



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