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僕は妻の下僕(しもべ)。

作者: 七瀬





”僕は妻の下僕しもべ。”




僕と妻が知り合ったのは、大学が同じで妻は”学園のマドンナ。“

男性が彼女の横を通り過ぎる度に、告白されるぐらい当時彼女は

めちゃめちゃモテていた。

そんな僕も彼女に一目惚れした一人だ。

奥手な僕がどうにかこうにか彼女に振り向いてほしくて、

僕は勇気を振り絞って彼女にこう言ったんだ!



『”僕は死ぬまで君の下僕しもべになると誓うから、

どうか僕と付き合ってほしい!“』

『”それ? 絶対に約束破らないよね?“』

『勿論! 約束するよ。』

『じゃあー付き合ってあげる!』

『えぇ!? あ、ありがとう。』





 *





・・・あれから15年。

僕は彼女と約束を今も守りう通している。

”完全に僕は彼女の下僕しもべになった!“

例えば? 深夜、彼女が小腹が空いたと言うと、

僕をコンビニまでパシらせる。



『ああ~お腹空いた~今からコンビニに行ってなんか買って来てよ!』

『えぇ!? 今、㏂3時過ぎだよ。』

『別にいいじゃん! お腹空いたんだから、買って来いよ。』

『・・・わ、分かった、じゃあお金ちょうだい。』

『お小遣い余ってるでしょ! それで買って来いよ!』

『お小遣い制で、もうお金ないんだけど......。』

『分かった来月のお小遣いで1000円上乗せしておいてやるから、

今あるお金で買って来いって!』

『わ、分かった、でも何食べたいってないの?』

『おにぎり二つとカップラーメンがあればいいわ~それと甘い

スィーツ1つ買って来い。』

『・・・ううん、』





・・・僕の家族の権力の順番は?

妻、娘、息子、愛犬、愛猫、最近飼いはじめた亀、僕の順番。

僕が一番下だから娘、息子は僕にやたらと偉そうにする。

それ以上に、愛犬、愛猫まで僕を下に見ているんだ。

エサやおやつをあげる時だけ僕に甘えて来るくせに、

それ以外は妻か娘に懐いている。




それと娘は妻の性格にそっくりで、二人いっぺんに責められると

僕はもう心がすり減るほど落ち込んでしまう。

息子は僕の性格に似ておっとりして人見知り。

自分から何か僕に言ってくる事はないけど、妻や娘が一緒に居ると

仕方なく僕に攻撃してくるんだ。

何時も息子は僕と仲良くしてくれる。

学校であった事や友達がはじめてできた時も妻より先に僕に報告して

くれるんだよね。

まあ~僕の唯一の味方は亀ぐらいだと思う。

最近はエサやりの時に、今までの鬱憤を亀に話すようになった。

それが亀は苦痛なのか? 僕が亀に近づこうとすると必死で逃げようと

もがくようになった。

よっぽど僕の話を亀は聞きたくないのだろう。



ただこんな妻でも、”結婚記念日“だけは、僕と二人でデートをする。

家の中では絶対に見せない、乙女の顔に変わるんだ。

付き合いはじめの頃のような、甘酸っぱいデートをするよ。

二人だけで映画を観に行ったり、ショッピングをしたり、

いつもなら絶対にしない手を繋いだり僕の腕に手を回してきたり、

可愛らしい妻が僕は愛おしい。

でも? デートが終わり家に帰ると”いつもの妻に戻る。“

ああ~いつもこんなに可愛い妻ならいいのになと僕は本気で想っていよ。



最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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