98 怠惰の罪。
はい、ココのお勉強の復習です。
主な宗教はドルイド信仰、北欧神話、それとスラブ神話。
コレは永世中立国ギリシャとローマに、其々ギリシャ神話、ローマ神話が存在している為。
そして横のドイツ相当に、かの虹の国が存在しており。
実質、ココがドイツ等の欧州や東欧となっており。
民族衣装はディアンドル、可愛いので思わず何着か買ってしまったが、普段着用です。
食べ物は芋、ソーセージ、プレッツェルパンが主食。
虹の国側程ドイツ色が強く、トルコ側程食事が多彩。
なのに王宮は虹の国側。
王様は食に無頓着なのか、ポトフとプレッツェルパンと、偶にニシンの酢漬け。
コレをルーティンさせる。
以前の自分なら出来るかもと思ったが、モンゴル料理程度は変化が欲しい。
そして何故、これだけ詳しいかと言うと、王妃様が読み聞かせをして下さったからです。
最初は王とは似ても似つかない可愛らしい王子が説明してくれていたんですが、例の件以降、勤勉さを見せ付けてやれとのご配慮を頂き。
王の執務室で読み聞かせをして頂いた。
実際、他とは違い良く学べたと思う、主に王の事を。
各地からの収支報告書の処理の場合、3年前迄の報告書を照らし合わせた書類と理由も提出させ、漏れや無駄が無いかの最終チェック。
納得がいかなければ指摘し、差し戻し。
それを滾々と続ける。
分担した上での最終チェックだけでも、膨大な量。
そして内容も其々。
業務外だけれど、時には重罪人の報告書を読み、妥当かどうか目を通す。
あまりに軽いか重いと、判事を呼び出し理由を書かせ、納得出来無い場合は言葉でぶん殴る。
はい、良く分かりました。
如何に勤勉で、アレに悪意は無かったのだろ、と。
ですが、真意が分からない。
「はぁ」
『あら、何か分からない所が出たかしら?』
「王の真意が分かりません」
『ふふふ、では尋ねてみましょう』
「いえ、最後の最後にしておきます」
『そう、ふふふ』
別に、王と仲良くする理由も無いですし。
聞いたからと言って、理解出来るかは別ですし。
「で、勉強も落ち着いたので伺いますが、何故ですか」
《何がだ》
「接触を止めなかった」
《あぁ、敢えてコチラから関わらせる事はしない、と言ったんだが》
「はぁ、ですから」
《何故か、神々が君を気に入ったなら、邪魔をしてはならない。そして我々への試練なら、受け入れるしか無い、そう言う事だ》
「どうしようも無い信念で、なんて事を」
《得るモノは有っただろう》
「必要有りましたかね」
《それは悪魔にしか分からないだろうな》
「アナタの言う神々とは、どなたを指しますか」
《この世、この世界を不器用に司る神だ》
「世界の神」
《木の神、木の精霊が居るなら、この世界の神も居て然るべき筈》
「それが、呼んでいる」
《ついでに来てしまう者も居るが。必要だからこそココに呼ばれ、滞在を許されているのでは無いだろうか》
「くすぐられて瀕死になった方とは思えない」
《アレは最高の拷問だったな、早速ウチでは禁じた》
「では是非帝国へお招き致しますわね」
《神は時に愛し子に試練を与えるのだろう、その結果に何かしらを得る》
「交渉無しの譲渡は甚だ迷惑なんですが」
《それ以外の譲渡の方法を知らないか、若しくは出来無いのか、他に理由が有るか》
「その存在を、本当に信じてらっしゃるんですね」
《少なくとも、こうして信頼は得られた》
「アレが演技なら、騙される方は悪くないですから」
《1度やってみろ、臨死体験が出来るぞ》
「絶対に嫌です」
《何を得られた》
「人種の弱さ、繊細さを改めて認識し、私は意外と強いと自覚しました」
《あぁ、強いな》
「馬鹿にされているとしか思えない」
《繊細さも目敏さも、弱さも強さも、良い悪いでは無いと分かってはいるだろう》
「ですが、頭が悪いもんで」
《皮肉屋》
「狂信者」
《達者でな》
「次の拷問方法を携えて、またお伺い致しますね」
《言っていろ、次は謝らんからな》
「ありがとうございました、ではまた」
《あぁ、またな》
この国では、勤勉さが最も美徳とされています。
ですが、清く正しい勤勉さが、最も尊いとなされています。
『良かったですね、彼女がココの者では無くて』
《あぁ、だからか》
『だからこそ、アナタは張り合いたかった、試さずにはいられなかった』
《あぁ、らしい》
『ふふふ、勤勉さを封じるに、実に良い手段をお教え頂きました。彼女の事は、正しく評価して下さいませね』
《あぁ》
彼女は、寝食を欠かさず、誠実で勤勉な者だった。
まさしく、王の器でした。
私の王は、少し油断すると勤勉過ぎてしまいます。
なので私が居ないといけないのです。
寝かし付け、食べさせなければ直ぐに身を削ってしまう。
優しい王、可哀想な王なのです。
『さ、今日はパイにしましょうね』
《あぁ、やっとか》
はい、次は青の悲嘆国です。
ただ、ココは少し他とは違い。
いや、コレもまた策略なのだろうか。
《私、レオンハルトの元婚約者なの》
侍女として紹介された女性が、密かに耳打ちして来た。
そして読み聞かせには。
『私、本当はルーイの婚約者だったの』
「あぁ、そうですか」
としか返せず、正直、何がしたいのかサッパリ分からなかった。
なんせルーイ氏もレオンハルト氏も、今は帝国領で報告中、真偽を確かめる術は。
有るには有るが、正直、対応が面倒臭い。
妄言女子を放置するヤバい国、としか思えない。
いや、仮に本物だとして、何がしたいのか全く分からない。
もう試練も何も終わりだ、とマジで怠惰国の王妃にも言って頂けたし。
何だ。
何がしたいんだ、悲嘆国。
いや、ココで勉強した内容を纏めよう。
極東の国、青の悲嘆国。
虚栄国の次に多民族国家であるココは、王族は辛うじて連絡係として存在するのみ、そう見えてしまっている。
食べ物はロシア相当。
ピロシキは勿論、モモやボルシチ、アザラシ料理も有って食べるには楽しい。
そして宗教は、自然崇拝だけ。
熊を崇めていたり、鯨を食べたりと、非常に親近感は湧くが。
基本的には地元民を招き語って頂くので、読み聞かせ係は、あくまでも補佐。
彼女達は嫌がらせはしないものの、好き勝手にお茶会を開いたり、ドレスを。
そうか、成程。
もし思った通りなら、ココは中々に面白い。
どの道、乗るしか無い。
折角ですし、自分を試す為にも、乗りましょう。




