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91 紫禁城。

 ノーク君の方が落ち着いた頃、ココの歴史を学び終える寸前となった。

 ただ今回は王帝の要望により、万遍なく学んで欲しいとの事で、歴史は概要だけに留まった。


 運河の元となった地表断裂が起こる前、ココは3分割に統治がなされていた。

 主にインドとタイ、それと中つ国。


 そして当然の様に来訪者が無理な統一を行おうとし、戦争の一歩手前までいったが。

 別の来訪者により、地表断裂が引き起こされ、仲良く統治する事となった。


 結局は強さ。

 無理に統治を行おうとした者は、地表断裂を引き起こした者と戦う寸前、能力が皆無となった。


『はい、では何故でしょうか』

「はい、仲良くしようとしなかったからでは」


『はい正解です』


 方向性は同じ、統一が平和の為だと思っていた。

 けれど、意見の相違が出た。


 自分がしようと思っていたのに、こんなにも強引な事をする必要が有るのか、と。


「正直、川の分断は正解だと思います」


 ガラパゴス化している、と言われる国の歴史は長い、だからこそ物理的な線引きは必要だと思う。

 土地が隣接している限り、何かしらの諍いは起こる。


 そして安定して継続させるには、王族や皇族、それと宗教。


 少なくとも帝国領、強欲、憤怒の国は安定している様に見える。

 そのどれもが長い王族皇族の歴史と、宗教が根付いているからこそ。


『では黒の強欲の国の宗教とは、何でしょうか』

「主にドルイド信仰、北欧神話、それとスラヴ神話です」


 そして帝国領は北欧神話を除く様々な宗教が混在しており、どちらかと言うと自然崇拝教。

 中でも海側は全て多民族集団の地区となっており、文字通り、不可侵の域。


 はい、どうやらその境、緩衝地帯に居たので保護しようとしてくれていたらしいが。

 コチラが怯えてしまい、人種が来たので、仕方無く敵役になってくれたらしい。


 改めて謝罪に向かった際、クンクン言われた。


 そして地獄(ゲヘナ)に至っては、もう、地獄教です。

 自然崇拝と天国と地獄を基礎にした、謎の宗教。


 いや、コチラとしては非常に馴染み深いので違和感は無いんですが、一神教の方は頭を抱えるかと。


『ではココの主な宗教は』

「自然崇拝、五行信仰、仏教です」


 生憎と道教は既に学問の領域になっており、儒教は芽が出る前に悪しき見本の聖典として道教に取り入れられている。

 そして自然崇拝の中に女媧信仰が入っており、天地創造は女媧と伏儀、下半身が蛇の亜人が行ったとされており。


 地方によっては仏教の神とされ、自然崇拝とも仲良く共存している。


 そして五行信仰も、同じく自然崇拝と仲良し。

 五行信仰ー自然崇拝ー仏教、こんな感じ。


 けれど仏教を信じつつも、五行も信じる。

 その間を取り持つのは、五行信仰の風水師。


 物理的により良く生きる為に、厠は何処そこが良いだとか、上手く迷信と実態の兼ね合いを調整してくれており。

 突然に阿呆みたいな高い家が町の真ん中に立つ、なんて事を防いでくれている。


 そしてココには科挙が有る。

 先ず大まかに五行の国選風水師、自然崇拝の国選巫師(ふし)、公務員だ。


 仏教は僧に一任されており、ある意味で宗教分離は叶っており、風水師と巫師は謂わば免許制。

 基本は篩い落とし、それと指名手配犯の確保の為、各所で年に2回無料で行われている。


 何でか、良く捕まるらしい。


『はい、結構です、次は。個人面談でどうぞ』


「ほう」


《ふふふ、私とおさらいです》




 と言う名の、私とネネ様の休憩です。


「はぁ、怠い」

《痛いの怠いの、憎いアイツに飛んでいけー》


「薬草が無い世界だったら、確実に性転換を願いましたね」

《すみませんね、全く分からなくて、ふふふ》


「いや寧ろ助かります、合わせて貰っているので」

《では、このまま軽く、お昼まで寝してしまいましょうね?》


「ぅう、はい」


 ネネ様は、侍女が休んでも構わない。

 けれどご自分は休む事を遠慮なさる、そうした月日を送っていたそうで。


『“ありがとうございます”』

《よーうぇるかむ》


 当たり前をこなすだけで、お礼を言われてしまう。

 少しだけ、ネネ様のお気持ちが分かりました。


 こうして窘めるのは、私の役目。

 当たり前の事をしているだけ、なのですから。




《ネネ、起きて》


 妖精みたいな美少年。


 いやルーイ氏か。

 ビックリした。


「何でアナタが居ますか」

《お昼を一緒に食べようと思って》


「勘弁して下さい、まだ夢の中かと錯覚するんですから」


《調子はどう?食べれそう?》


「今の驚きで減りました、身支度してきます」

《うん、待ってるね》


 この世界の慣れない事は他にも有る。

 食っても太らない。


 いや、正確には太りはするんですが、向こうとは条件が違う。


 加工の手間が多い程、魔力や身にならない。

 そして未加工品は、魔力や身になる。


 だからこそ、兵の食事は簡素、加工度が低い程に身になる。

 では素揚げはどうなのか。


 身になる。

 加工とは、要するに製粉や精米、瓶詰めにすると魔力の素が僅かに飛ぶ。


 菓子に至ってはもう、有って無いも同然。


 容量だけは多いので、全く心配しておらず、向こうからも何も言われなかった為。

 全く勉強すらしていなかった。


 だが、もう少し胸を何とかしたい、となり。

 東の国で基礎を教えて貰った時には、あぁ、ココ異世界だったわ。


 と、久し振りに驚いたものです。


 で、問題は体重だけ増やす、ですが。

 はい、不可能です。


 魔力の素、魔素を取り込んでこそ身になる、なのでマッチョは野菜バリバリ、魔獣は生肉バリバリ。

 そこの原理を理解すれば、納得は出来るんですが。


 来訪者のデメリット、魔素を取り込み過ぎると体に害が出る。


 人種は既に魔獣などの血が入っている為、自然と逆止弁が搭載されているんですが。

 んなもん、純粋な人種には無いんですよ。


 今は魔獣に加え、ルーイ氏に若干吸い取られているので安定しているんですが。


 その逆止弁を生やすには、馴染むまで待つか。

 敢えて取り込み過ぎて、無理矢理逆止弁を生やすか。


 いや、害って凄いんですよ。

 尿管結石に盲腸、時には痛風の様な状態になったり、中には周囲を発情させるなんてのも有って。


 流石の悪魔さんでも、どう出るか分からない、と。


 胸か痛みか。

 正直、尿管結石は怖過ぎる。


 義姉がなって、出産より痛い、とか言うんですもん。

 無理、マジ無理。


「お待たせしました」

《無理しないでも良いんだよ?》


「いえ、鏡の前で胸について葛藤してただけですので」

《気にしなくても良いのに》


「無いよりは、圧倒的に有ったほうが良いです」

《それはネネの好みね》


「はい」

《僕はネネが好み、さ、行こうか》


「はい」


 最早、定番のやり取り。

 でも、だからこそ葛藤しているんです。


 だって皆さん、ムチムチなんですよ。

 根本の体型もそうですが、東の国ですら比較的ムチムチ、ココでギリ馴染めてる方。


 皆さんは理解してくれてますけど。

 やっぱり胸を増やすにしても、逆止弁を生やすしか無いのだろうか。

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