87 改めて種族について。
今まで主に学んでいたのは、歴史、それと礼儀作法。
歴史はどんなに簡略化しても、何処も歴史が長く問題もそれなりに有った、しかも神話や民間伝承も含むので時間が掛かる。
そして帝国やココの礼儀作法についても、歴史的背景も解説頂いていたので時間が掛かった。
次いでココの場合は民族衣装や料理についても学んだし。
その前の東の国は庶民の生活と歴史、地獄では歴史をザッと教えて貰っていたので、主に社交と悪魔の生活について。
まぁ、ヒナちゃんと買い物したりお喋りして、食べて観光してと言う感じだったけども。
合間に遊園地、そもそも常識の擦り合わせがもうね。
今考えると、そりゃ知恵熱も出しますよ。
だからこそ、分類だとか生態は後回しにしてたんですよ。
殆ど人種の場所で、少し尋ねて教えて貰う、その程度で過ごせてたので。
ですが、とうとう来ましたよ。
『先ずはココ、僕の国での解釈、説明ですね』
種族講習はノーク君。
お隣にはルーイ氏、玉響ちゃんと、ココの図書室に居るの本の妖精種ピーちゃん。
ピーとは、精霊や霊、妖精も含む略語であり総称。
ココで精霊はピーサーンテーワダーと呼ばれており、良いピーはテーワダーとも呼ばれている。
自然霊で山の精はチャーカオ、水の精はピーナーム。
穀物の精霊プラメーフォーソプ、それとは別に稲の精霊クワウンカーオ。
水源の精霊、特に何処にも属さぬ精霊をピーパー。
そして守護精霊。
木の女神サイガーム、夫人タキアン。
祖先の霊は勿論、英霊も存在し。
家を守る霊、村を守る霊も存在している。
精霊や神、妖精や霊が特に分け隔てなく存在しており。
高位であれば有る程、神と同一視され。
守護神が存在している。
「守護神」
『はい、ですが一方で祀られない霊は悪霊となってしまいます』
分類は妖怪に近く、餓鬼も存在しており。
夢魔も居る。
そしてシャーマンも。
憑依儀礼と言う存在が居り、除霊師であったり占い師として存在しているそう。
ただ、やはり最高位のインドラ神やタラニー母神、増長天さんや多聞天さんには会えないらしい。
そして精霊も、高位程に会う事が難しく、お祭りの際に会えたとしても全員が見えるワケでは無いらしい。
「凄く肌馴染みが良いです」
『ですよね、ありがとうございます』
そして守護神とは、個に着くモノ。
精霊種が人種に全てを捧げ、守護するモノとなる。
「ちょっと、休憩で」
『はい』
守護霊では無く、守護神。
「東には」
《はい、お兄様がなられました》
驚いたけど。
どおりで何も連絡が無いワケだ。
「成程」
《はい、私は半ばお兄様のお守り、ですので今はこうして動けているのです》
「成程、では守護霊では無いのは、神霊種だから」
《はい、守護霊よりも強力に守れる力が備わります。ただ、その者が生を終えると守護神としての役目も終える、ですので滅多に願う者は居りません》
「精霊種も神霊種も、実質不老不死」
《ですので、添い遂げる者と同じ形となるか、守護神となるか》
「恋や愛が怖くは無いですか」
《以前は、少し、ですが今はお兄様を送り出しましたし。今は、そうですね、幸せになってみたいですね》
「なれます、絶対に」
《ふふふ、ありがとうございます》
「あ、神霊種同士って」
《はい、ございますが稀ですね。特に連なる系譜ともなると、ほぼ身内ですから、山の神霊種と海の神霊種が添い遂げる事が稀に有る程度ですね》
東の国は、人種の発生神話はほぼ向こうの神話と同じ。
先ず神が居り、人種や土地を作った、そして国譲りが行われ神々は神の国へ戻った。
感謝や軽いお願いはすれど、現れてくれ、とは考えないらしい。
引退した祖父を引っ張り出す様なもので、申し訳無さと恥が立つとの事。
なのでお願いは主に神霊種へ。
その1つが龍人族、山の恵みは山人族。
玉響ちゃんの鉱物種は、金属の神様、金山彦神の系譜。
山人族とは別だそうで、殆ど女の子が産まれるらしい。
「一瞬だけ、ノーク君をと思ったんですけどね」
《でしたら、まだカイル氏の方が良いですね》
「本当にモテますねカイル氏」
《誠実で真面目ですし。弁える分別も有るからこそ、気持ちを素直に受け取れない所が、本当にいじらしいですから》
「ふぇえ」
《ふふふ》
休憩を挟み、改めて守護霊や守護神の説明をノーク君から受けたけれど、ほぼ同じ。
なので、次はルーイ氏からの解説となった。
《先ずは僕の事からかな》
帝国領だけでは資料が足りず、強欲の国やココ、東の国や地獄での情報により補完したらしく。
玉響ちゃんからの情報と同じく、精霊種相当らしいが、帝国としては変更はしないらしい。
実際に木の精霊や水の精霊から、いやアレは魔獣種、ココの精霊とは違い過ぎる。
と、改めて言われたらしい。
『ですけどウチではピーの扱いですね』
「国により異なる、面倒な種」
《まぁ、不便は無いから問題は無いよ》
尚、書類上の細かい分類は、魔獣属の人種らしい。
コレは産まれた時は魔獣でも、後に人種になった場合に付くそうで。
元は人種だったとしても、現在の状態を表す為、この表記になるらしい。
「稀有さも有りますか」
《そうだね》
『滅多に居ませんからね、人種から妖精や魔獣にはなっても、更に人種寄りになる事は殆ど無いと聞いています』
「妖精になれるんですか」
『ウチではなれますよ、ピーの相手となれば』
《ウチは稀だね、人種は人種のままが殆ど》
「玉響ちゃん、人種は妖精とかになれますか」
《人種が願えば、ですけどあまり無いですね、人種ならではの何かが欠ける事にもなりますから》
「人種ならではの何か、何か変化は?」
《後でネネだけに教えてあげる》
「じゃあ続きをどうぞ」
コレも昨日の予習とほぼ同じ。
魔獣種と人種なら、魔獣種が優性遺伝として発現し、あまり人種は産まれない。
そして人種同士は人種が殆ど、けれど稀に隔世遺で魔獣種が誕生する事も有り、中には離れて暮らす場合も有る。
逆は意思疎通が可能でも、子が魔獣種となると意思疎通が難しいらしい。
『因みにウチに魔獣種は居ません』
「全てピーですか」
『ですね、代わりに聖獣種は居ますが、魔獣と言えば外に居る害獣。悪意が有るかどうか、ですから』
帝国領や強欲の国、そして地獄では悪意の有無に関係無く、意思疎通が出来るかどうかで害獣か魔獣かの分類となる。
「東と同じですね」
東の国は悪意の有無、意思疎通が少しでも可能なら、全て妖怪や怪異。
精霊種は寧ろ少ない、付喪神や妖怪や怪異は凄い居る。
ぶっちゃけ、肥後ずいきの付喪神さんと一緒になったって人種に会ったけど、男同士なのに子供が居て。
マジで熱が出そうになった。
『魔獣、魔族、亜人に獣人。細かいですよね、欧州や北の分類って』
《そうだね》
おさらいすると、魔族は闇の眷属的な方々。
コレは外見の分類では無く、属性、影や闇に属する何か。
吸血鬼とか夢魔、そうした類の何か、見た目は人種だったりヤバそうなロバの様な見た目。
どちらかと言うと、悪魔と人種の間の子に近い見た目。
悪魔のガミュギュンさんに会ったが、ほんのり水色がかった芦毛のミニロバさんで、アフリカ大陸出身のお嫁さんに世話をされて喜んでらっしゃった。
だけ、もう、悪魔だと紹介されなければ全く分からなかった。
それは吸血鬼も同じ。
外見は人種が殆ど、牙すら収納式なので単に八重歯にしか見えない。
そして亜人は、人種に明らかな外見的差異が有る者。
翼が生えてたり、蛇の尻尾が有る、人種に近い何か。
獣人に至ってはもう、獣の特徴が濃い、二足歩行で人語を喋れる者。
例え人語を話せても、二足歩行以外は魔獣か聖獣扱い。
因みに帝国領でコンちゃんは聖獣扱い、黒蛇さんは魔獣。
そしてココでは両者が聖獣扱い。
聖獣か魔獣の分類は、国によって其々。
けれど今は特に扱いの差も無いので、問題無し。
そして諸外国でも問題にはならないらしい、それこそ邪神、悪魔すら口に出さないCの邪神は流石にダメらしいが。
所属する国で問題視されていない限りは、問題無し。
《そろそろ、お昼では?》
「ですね」




