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第六話 正面戦闘

 ホームセンターに向かうため化け物をよけながらホームセンターに近づいていく。

比較的ゴブリンが多いが、たまに色が違うやつがいたりする。


(亜種か?別種か?希少種か?まあ、知らない敵と戦うのは得策じゃない。)


 できるだけ敵と当たらないように移動し1時間、やっとホームセンターについた。

見た限りゴブリンが駐車場に二匹。室内に五匹いる。


(暗殺...できるか?)


 いやできるかじゃない、やらなきゃ物資は手に入らない。

俺は持ってきた包丁をカバーから取り出し、駐車場にいる内の一匹の背後に忍び寄る。

隠密の効果か、ゴブリンは一向に気づかない。


「ふっ!」


俺はゴブリンの首筋にむけ、包丁を直角に振り下ろし突き刺した。


「ギョ...」


 叫びそうになったゴブリンの口を押え包丁をひねり上げる。

ゴブリンはそのまま訳も分からずに死んだ。


(もう...慣れた!)


 俺はもう一匹も同じように殺し、ホームセンターの入り口に近づく。

入口の横の窓ガラスが割れていたので、破片を少しいただく。


(投擲で使えそうだ。)


 入口付近にはゴブリンがいたので、その割れた窓ガラスから中に侵入する。

入口近くにいたゴブリンが別のゴブリンと談笑しているのが見える。

俺は素早くゴブリン近づき、喉に一閃。


ポキン


 鮮血が舞い散るが、包丁も折れてしまった。

突然のことでもう一匹のゴブリンはまだ呆然としていた、俺は急いでガラス片を取り出しもう一匹のゴブリンの喉に突き刺し押し倒す。


「がっ!?」


 もう一匹のゴブリンは即死せず、俺の腹部を蹴り上げた。

ゴブリンは仲間を呼ぼうと、叫ぼうとしたが破片と血のせいで声が出ない。

俺は腹部の痛みに耐えながら急いで喉に刺さっている破片を押し込む。


「ごぶっ...」


ゴブリンは俺を恨めしそうに睨みながら息絶えた。


(...腹がまだ少し痛いがさっきよりマシになってるな。レベルアップの影響か?)


 外から見た時、室内には五匹しかいないように見えた。

だが、外からは見えなかった奥の方にでかいのが一匹いる。

太った体に豚の頭...

オークだ。


(だが、目は一つなのか?)


 なぜかこの世界に現れたモンスター全てが、生理的嫌悪感を掻き立てるような外見をしている。

ゴブリンは皮膚が剝がれたような体、そしてオークは一つ目。

それにどんな意味があるかはわからない。


(ゴブリンが残った状態で見つかると積みだな。武器の調達とゴブリンの抹殺を最優先にしよう。)


 俺は、そう思いキャンプ用品売り場に移動した。

思った通りにサバイバルナイフや鉈、斧が売っている。

俺は鉈をカバンに入れ、ナイフと斧をパッケージから取り出した。


(サバイバルナイフは緊急用にカバーの中に入れておこう。)


 斧の方が、初撃の一撃で仕留めやすい。

仕留めきれなかった場合のサバイバルナイフだ。


(あとは、ゴブリンとオークか...)


 俺は、斧を構えながら残りのゴブリンを探した。

ゴブリンを見つけたが...残り三体は同じ場所にいる。


(...俺の力を試したい、どこまでやれるのか。)


 俺は、駆け出すと手前にいた一匹の首筋に斧を振りぬく。

レベルの上がった俺の一撃はゴブリンの首を跳ね飛ばす。


「ギャ!?」


(一匹目!)


返す刃で、ゴブリンの頭に斧を突き刺し振り抜こうとしたが半分程度で斧が止まった。


「ぐっ!?」


(まずい!勢いが止まった!)


 斧が刺さりっぱなしだが死んではいる。あと一匹だ、俺は急いで距離を取りサバイバルナイフを取り出し、残ったゴブリンの心臓に突き刺した。


「ギャギィ!」


ゴブリンはそう断末魔を残し息絶えた。

やり切った...と思った。


グォォォォォオ!


室内にオークの鳴き声が響き渡る。


(...ばれたか。)


今まで俺は、死なないように不意打ちをメインに戦っていた。


...初めての、真面な正面戦闘だ。


「...っ!?」


 オークが一直線に突進してくる。

俺はナイフを急いで引き抜き転がり避ける。


ドゴォォォン!


 傍に置いてあった商品に衝突し弾き飛ばす。

オークは体勢を立て直し、近くにあった鉄パイプを片手に襲い掛かってきた。


(勝てるか?正面戦闘で?)


オークが鉄パイプを振り下ろしてくる、俺は横っ飛びをして回避しガラス片をぶん投げる。


「投擲!」


勢いよく射出されたガラス片は、空気を切り裂きながらオークの目に突き刺さる。


「ブゴォォォォオ!?」


(よし!これで何も見えないはずだ...どっちにせよ生き残る上で、何時かは正面戦闘することになるんだ。それが今になっただけだ!)


俺は、怯んでいるオークの左手をナイフで深く切り裂く。

これで、左手は使い物にならない。


(いける!)


...と思っていた。


「ブヒィィィィィイ!!!」


「!?」


突如叫んだオークは全身を赤く染め、傷が次々と治っていく。

そして、鉄パイプを振り抜いた。

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