表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/12

第五話 準備

小説難しい...

 俺は父さんを埋葬した後、家に戻ることにした。

生き抜くために必要な装備や、動きにくい学生服から着替える必要もある。

だが、なにより休みたいと思ったからだ。

今後の計画も立てなければいけないが、精神的にも肉体的にも参っていた俺はベットに寝転ぶとすぐに意識を手放した。


 夢の中にいるときは、体がふわふわと漂う感覚がする。

疲れて眠った俺は、夢で広がる暗闇の中にいた。


(ここは?夢か...)


 疲れていたせいで真面な夢すら見れなくなったのだろうか。

正直、夢の中ぐらい幸せでもいいとは思う。


 ふと、気が付くと俺の周りに光球が漂っていた。

その光球はふよふよと漂いながらゆっくりと近づいてくる。


(なんだ?...あ。)


 とても懐かしい感じがした。

まるで、母さんのような温かいぬくもりを感じる。


(かあ...さん?)


 さらに一つ近づいてくる光球があった。

なんとなく、俺は光球の正体を感づいていた。


(兄さんだ。)


2つの光球は俺に近づくと、


(頑張ったな、俺たちはいつでも見守っている。)

(生き残りなさい、私たちはいつでも貴方の傍にいるわ。) 

とだけ言い、消えていった。


(まって、まってよ!母さん!兄さん!)


もう会えるはずもないとわかっていても、俺はみんなを呼び続けた。





「まってよ!」


 目が覚めると、辺りは明るくなっていた。

夢の中で、何かを追いかけていた気がする。

頬には涙の跡があった。


(?)


なぜ泣いていたのは思い出せないが、喪失感だけが胸の中にはあった。


(切り替えていこう...死にたくないから。)


 俺は昨日できなかった、生きていく為の準備と計画を立てようと思いまずはステータスを開いた。


「ステータス。」


ブオンと音を立てステータスが開かれる。


ステータス

風原 灰翔

職業 シーフ

属性 土

Lv 3

SP 10

HP 10/10→30/30

MP 2/2→3/3

筋力 2→3

器用さ 3→5

スタミナ 2→3

耐久力 3→5

知力 2→3

スキル

 >投擲Lv2(20)

 >逃げ足Lv1(10)

 >隠密 Lv1(10)new!

深層運命

 >英雄願望 Lv1

  >Lv1 全身全霊


「レベルが上がるとSPが獲得できるのか。」


SPもそうだが、それよりも新しいスキルが気になる。


「隠密か...名前だけ聞くと生き抜くためには必須の能力だな。」


―隠密 Lv1―

 音と気配、匂いをLvに応じて自動で抑制する。

 Lv1 10%の抑制

任意解除。


(これは...強くないか?)


任意解除ということは、常に発動するタイプのようだ。

基本的な生物は視覚、聴覚、嗅覚を使って周囲を把握する。

物理的な情報を制限できるのは、生き抜くために絶大な力を発揮するはずだ。


「今回のSPは隠密に使うか...」


今まで出会った化け物達を殺すには暗殺、それが一番であることはわかる。

というか、正面から戦って重傷を負えばどうにもすることができない。

俺は、SPを使い隠密のLvを1から2に上げた。


―隠密 Lv2―

 音と気配、匂いをLvに応じて抑制する。

 Lv2 20%の抑制

任意発動。


(やっぱり20%に上がるか...最大まで上げると100%になるのか?)


俺は、このスキルの恐ろしさに気づく。

完全なる隠密、それはつまり視界に入らなければ初撃は必ず叩き込めるということだ。


(まぁ、どれだけ考えても意味はない。これから計画を立てようか...)


まずは武器が必要だ。

食料の入手や拠点の確保も、おそらく化け物に襲われるだろう。

たまたま、今回は化け物を倒せたが次やその次もうまくいくとは思えない。

この隠密の能力を生かすためにも、武器と呼べるものが必要だろう。


(なら目指すは、ホームセンターだな。)


武器といえば、キャンプ用品や工具が売っているホームセンターが一番だろう。

隠密を解除しなければ、襲われる確率も低くなる。

いざとなれば全身全霊、逃げ足を同時に使えばゴブリンぐらいなら逃げ切ることができるだろう。


(そうと決まれば、準備をしようか。)


俺は、押し入れからバックパックを取り出し冷蔵庫に残っていたサンドイッチを詰めた。

包丁のカバーがなかったので段ボールを成形したあと、ホッチキスで周りを止め即席カバーを作り、バックパックの横ポケットに入れた。

最後に、災害用に買ったヘルメットをかぶった。


「よし、行くか。」


俺は、父の墓に手を合わせ家から出た。

町から上がっている黒煙の数は、少なくなっていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ