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こちら、人外対策部です  作者: 焼きだるま
第一部 前日譚
43/60

番外編 誰にも見られず

この作品は一話ごとに登場人物や時系列、舞台が変わります。それをご理解の上でお読み下さい。


 山林にある道は、ある家庭のいつもの散歩に使われていた。


 麦わら帽子に、白いワンピースを着た少女が言った。


「今日は、山で何を教えてくれるの?」


 笑顔でそう聞いてくる少女に、父親であろう男が笑顔で答える。


「そうだなぁ、今日は山によく生えているキノコについて教えてあげようか?」


 やったぁ!と喜ぶ天使のような笑顔は、山林の中でも眩しく輝いていた。


「キノコはね、専門家じゃないと分からないくらいに似た見た目をしているものがあるんだ」


 へー、と相づちを打つ少女に向け父親は続ける。


「だからプロの人じゃない人は、キノコを無理に取って食べてはいけない。食べれそうなキノコ、知っている見た目のキノコでも、食べると毒ということがあるんだ」


 そう言うと、父親と思しき男はしゃがみ込み指を差す、少女もそれに従い、指差した場所を見る。


「 カキシメジ 椎茸に似ているけど、これも毒キノコの一種なんだよ」

「すごい!お父さんキノコのこといっぱい知ってるのね!」

「僕なんてまだまだ浅いよ、きっと山で茸を探している人が居ればその人の方が僕より詳しいさ」


 すると、少女が道から外れた向こう側を指差す。


「じゃあ!あの人なら、もっといっぱい知ってるかな!」


 父親は立ち上がり、娘の指差す方向を見る。


 しゃがみ込んでいるそれには――角が生えており、体表は赤黒く黄色い亀裂が見える。


 ◇◆


 翌日の午前6時、テレビを点けるとニュースにはこのような内容が流れていた。


「昨日、午前7時頃。◯◯の山道に少女と父親と思しき身元不明の死体が発見されました」


 物騒ねぇ、と言う妻は、テーブルに入れたての茶を置いた。


「殺人事件だろうか」


 そんな事を言いながら、60代ほどの男はソファに座り、ニュースを見ている。


「死体の損傷から、人外対策部はこれを人外による事件とし。人外対策部は、犯人である人外を現在も捜索中です」


 人外事件、それは日本では殺人よりも多い事件であった。


 またか……と溜息を吐きながら、男は二階にある自身の部屋へと戻っていった。


 ◇◆


 男の家は食堂をやっており、いつも11時から開店する。この辺りでは、それなりに名の知れた人気の店であった。


 ニュースのことも忘れたいつかの日、男が厨房で調理をしていると、客が一人入ってきた。


「いらっしゃいませ」


 妻が出迎え、席へと誘導する。


「お〜!個人でやってるお店って感じで良いね!」

「ありがとうございます。ご注文が決まりましたら、お呼び下さい」


 お冷を出し、妻は一度下がる。男はチラッと客の方を見た。女性のその客は、刀のような物を持っていた。どうやら、あのような女性でも人外対策部の隊員らしい。


 女性は、注文が決まると妻を呼び、トンカツ定食を注文した。


 最近、ニュースでこの辺りの山道で起きた人外事件のことを思い出した男は、女性にトンカツ定食を持っていくと、聞いてみることにした。


「トンカツ定食です。失礼ですが、人外事件は解決しましたか?」


 すると、女性は笑顔ですぐに答えた。


「はい!とっても弱かったです!」

 あとがき

 どうも、焼きだるまです。

 今回のお話は、Twitterで投稿した番外編に、加筆修正と追加のお話をしたものになります。

 箸休めとなれば幸いです。では、また次回お会いしましょう。

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