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こちら、人外対策部です  作者: 焼きだるま
第一部 前日譚
28/60

第二十七話 改ざん

この作品は一話ごとに登場人物や時系列、舞台が変わります。それをご理解の上でお読み下さい。


 人外――それは、地球に落下した隕石に紛れて飛来したとされている。

 テキサス州にある森林。そこは、隕石落下以降、禁域とされていた。


 正確に言えば、森林含めた周辺も禁域である。17年前、人外の発生源と思われる隕石が落下したのはここだ。それ以降、この付近には人外が多発した。

 謎の地球外生命体に、周辺住民や、その存在を確かめに来た者は皆蝕まれた。


 災厄はすぐに広がり、アメリカは対応に急ぐこととなった。

 隕石の落下地点から広範囲を禁域とし、境界線に軍による防衛線を張った。

 しかし、既に人外による被害はその範囲からも出ており、他の州でも、人外の被害は報告された。


 地球外生命体の侵略は、全世界に報道された。

 突如現れた隕石、未知なるウイルス、国が裏で進めていた実験の結果、UFOの墜落。色々な憶測が、世界中に広がった。


「――その後わずか半年程で、人類は人外対策部を設立。斯くして、人類と人外との戦いは始まった」


 女は話終わると、棒菓子をポケットから取り出す。持ち手の部分はクッキー、そこ以外はチョコがコーティングされた細長い菓子だ。


「それで、その隕石を確かめる為にアメリカに行くと?」


 隣の席に座っている男は、両手を上げて冗談だろ?とでも言いたげな仕草をしていた。

 男は窓側、女は通路側に座っていた。


「人外の正体を突き止める。その為には隕石を調べたいんだ」

「地球外生命体だろ?」


 窓の外には、雲海が広がっている。雲よりも高い空の上、鉄の鳥はアメリカを目指し飛行していた。



 久我谷学美(くがたにまなみ)、それが彼女の名前である。

 人外についての研究をしており、ある日一つの仮説を立てると、研究所を飛び出し仮説を立証する旅に出ていた。


 彼女の立てた仮説は――人外は地球由来である、というもの。

 立証する為にはまず、隕石が何で構成されているのか、それを調べる必要があった。


 禁域から近いそこには、禁域を監視している施設が4つの方向にあった。久我谷はその一つへと向かう。



「やあ、待っていたよMs.久我谷」


 出迎えのは、北側にある監視施設の責任者である、ニコラ・シャイマンであった。


「Mr.ニコラ、今回の調査に協力をしてくれることを、本当に感謝している」

「いやいや、今まで失敗続きだったんだ。今回の君の案で、調査が進むことを祈っているよ」


 過去にも、隕石の調査の為、最新鋭の機器であるドローンを用いた撮影を試みたが、いずれも人外によって撃ち落とされていた。


「Ms.久我谷、早速だが部屋へと案内しよう」

「あぁ、話が早くて助かる」


 すると、久我谷が案内されたのは、モニターや電子機器が大量に設置されている部屋であった。


「既にミーティアライトは、禁域の中央を捉えれる位置への落下準備を進めている。しかし、落下した隕石を見る為に、隕石と同じことをするとはな」


 ミーティアライトは、今回特別に、人外が発生した隕石を調べる為だけに開発されたものだ。

 人外の攻撃が届かない遥か上空から、撮影用のミーティアライトを降下させる。

 とても重く。真っ直ぐに落ちてくるそれを、人外には止めることはできない。


「――しかし、何故人にしか危害を及ぼさない人外が、ドローンなどの機械を禁域でのみ攻撃するのか」

「全てはこれで分かりますよ、きっと」


 予定時刻――ミーティアライトは降下を開始した。


 鉄の塊は、猛スピードで落下地点へと向かう。

 人外も気付き、中にはミーティアライトを攻撃するビームのようなものもいくつか観測された。


 ミーティアライトは、目標地点へ落下。森林地帯、空からは見えないその隕石落下地点。映像は、すぐにモニターに映し出された――


「……?」


 全方位を確認するが、隕石はおろか、落ちた跡すら見当たらない。


「落下地点を間違えたか?」


 久我谷がそう言うと、


「いや――そんなはずはない。記録によれば禁域の中央。この場所に隕石は落下した」


 皆、信じられないといった顔をしていた。


「……隕石は――落下していなかった?」


 室内の空気は張り詰める。


「バカな!ならば人外はどこから現れた!?」


 声を荒げる責任者を、久我谷は宥める。


「恐らく、私の仮説は、半分が合っている」

「半分?」

「――あぁ、隕石が落下していなかったのは予想外だ。だが、これで確証が持てる。人外は、地球外生命体などではない」

「だが、生物学上にもこのような生物は地球には居ない!居たとすればもっと昔から――」

「あぁ、だから人外の発生した時期は恐らく間違っていない」

「――どういうことだ?」

「隕石落下はフェイクだ」

「フェイクだと!?」

「何かを隠すためのな」

「何を隠している!?」

「知らん。ただ、私の仮説では人外は別世界線から来ている」

「パラレルワールド?オカルトに脳をやられたか?」

「――いいや?そうとしか説明が付かないのさ」

「ならば、ワープホールが中央にでもあるのか?そんなものはモニターに映っていない」

「恐らく。ここにはない」

「ならば――」

「人外が発生したのは、ここではない」

「……は?」

「恐らくね」

「何を根拠に――」

「じゃなければ、人外は何故禁域の外にも発生している?」

「それは対応が――」

「ごく少数の内であれば、ミサイルやらなんやらで対処はできたはずだ。それができなかった、拡大したということは、それをした者が居る」

「……別世界線から、この世界を侵略しようと?」

「それはわからない。目的は不明だ」


 久我谷は、ポケットから棒菓子を取り出すと、ポリポリと食べ始める。


「少なくとも、相手は記憶の改ざんが可能なのだろうな」

「信じられん」

「ならば信じてくれなくて結構だ。ただ警告しておこう。今後、必ずもう一度別世界からの来訪者が来る。それは敵か味方かはわからないが、その時が来れば、私の仮説が真実であるとわかるだろう」


 菓子が無くなってしまった、と両手を上げた久我谷は、この辺りで失礼すると言うと、監視施設から出て行った。


 結局、その後も久我谷はオカルト研究家として有名となったが。わずか一年で、その通り名は変わることとなる。

 あとがき

 どうも、焼きだるまです。

 改善すべき点が今更になって見つかると、25話程修正しなきゃいけないのは中々にキツいですね……。

 知識ゼロから初めて、ここまで書けるようになっただけ、まだ、成長はしたんでしょうけど。

 まぁ、まだ早い段階で気付けて良かったのかな。

 小説を書いてみようと思っている方は、3点リーダーの使い方とか、そういう系はちゃんと調べてから書くと、後が楽ですよ。では、また次回お会いしましょう。

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