愛犬、友人、家族。虹を渡りました。
愛犬のアサが虹を渡った。16歳だった。
犬がほしい、と言い続けていたら小学5年の時に柴犬の女の子が家にやってきた。
ビビリなのか、初めての場所で警戒し、ソファの下に隠れて様子を伺っていたアサ。いつの間にか慣れてたみたいだけど、雷が鳴るとソファの下や床の間や玄関に逃げてた。
床の間や玄関はひんやりしていて気持ちいいのか夏場のお気に入りスポットだったらしい。冬はよく日向ぼっこをしていた。
柴犬にはキツネ顔とタヌキ顔の2種類ある。
アサはキツネ顔で美人で人懐っこい子だった。
大好きな“散歩”という言葉に即座に反応し、玄関まで一直線に走り、私たちの顔を「まだ?早く早く!」と見てくる。
散歩は1日2回。朝はそんなに時間はないから30分いけたら良い方だったと思う。夕方の散歩は1時間くらい行ってたかもね。途中、よく会う人や犬のお友達といっぱい遊んで、広場でこれでもかと走り回り……1回だけ広場で走っててそのまま広場をアサだけで出ていっちゃって急いで追いかけていったら家についたこともあったね。車があんまり走ってない場所だったから良かったけど、焦ったんだからね。
学校とか仕事から帰ってくると全身で大喜び。だけどすぐに満足するのか、スンッとクールになる。
あのテンションの差は一体なんなのか、ほんとに。
お風呂から上がってくるとバスマットの上で寝てたり、私の母親が起きてすぐにトコトコやってきて母親の寝てた場所に何食わぬ顔で二度寝し始めたり。
食べるのも大好きだったよね。特にあの白い骨の形をしたカルシウムたっぷりのやつ。
で、今から1年半くらい前。アサ14歳、お腹に水が溜まって手術。
あんなに大好きな散歩に行きたがらない、何だかしんどそう。そう思って病院いったら手術。薬療法でも良いけど、手術のが確実らしかった。
その手術くらいから認知症らしき症状が出始めて前足から弱っていった。同じ場所をクルクル回る。
最後の1年くらいはほぼ寝たきりみたいなものでご飯も温めて柔らかくしたものを近付けて食べさせる。日にもよるけど1回の食事に30分〜2時間くらいかかってた。
亡くなる前日は朝から一口も食べなかった。酷い下痢もした。
多分、長くないかもなって思った。
翌日は、亡くなった日だけど、日曜だから午前中救急に行き、栄養剤を貰い、夕方に栄養剤少しだけ飲み込んだ。
その日の22時亡くなった。
何故か死後硬直はしてなかった。
まだ息をしていそうだったが、止まってた。
いまいち、実感が沸かなかった。
火葬をしてもらって
母親がアサのベットや毛布やオムツを片付けたり
アサの食事の用意をしなくなって寂しくなった。
部屋でひとり、アサを思い出して泣いてみる。
自分の中だけで溜め込むのもどうかと誰に見せるでもなく文字にしてみることにした。