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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第5章 帝国編2
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94話 準備

皇帝陛下の指名依頼でアンデッド討伐に行くことになったのだが‥‥。


「陛下。帝都から少し離れた場所とは具体的にどれぐらいの距離なのですか?」


「馬車で片道2日だ。」


「‥‥‥え?」


「だから、片道2日だ。」


「‥‥‥あれ?今から行ってすぐ終わらせて帰っても王国に出発する日になりますよね?むしろ帰る準備して行く事になるんじゃ‥‥。」


「ああ。そうだ。」


「え?‥‥‥帝都‥‥歩けないってことですよね?」


「全員で討伐に行く必要はないだろ?申し訳ないが、マリン以外で帝都観光したいなら先にしてもらったあと、先に王国に帰ることになる。その分、マリンだけ帝国に滞在する日数を増やす。これなら帝都の観光できるぞ。」


「確かにそれならマリンも観光できるでしょうが、1人だけ置いて帰るのも‥‥。」


「ゲートを使って屋敷に帰ればいいじゃないか。」


『あ。』


「その手がありましたね!‥‥マリン。私は手伝えないけど頑張ってね!」


「姉様‥‥。私は姉様達と観光したかったんですが‥‥来年ですね‥‥。」


「悪いな、マリン。」


「仕方ありません。‥‥では早速準備しないと‥‥って、陛下。私冒険者ギルドにも顔出した方がいいのでしょうか?」


「ん?ああ‥‥そうだな。確か依頼としても出してたから行かないとな。」


「じゃあ先にギルドに行ってきますね。」


「ああ。」


「なあ、マリン。1人で行くのか?」


「え?ギルドぐらい1人で行けるよ?」


「そっちじゃなくて、アンデッド討伐の方だよ。」


「うん。そのつもり。‥‥陛下もそのつもりでしたよね?」


「ああ。マリンしか浄化魔法使えないからな。他は足手まといになる。‥‥‥それが分かってても心配か?3人共。」


「「「はい。」」」


「え?‥‥‥いや、でもさすがにそんな危ない所に王家の人達を連れて行けないよ?」


「マリンの言う通りだ。レグルス、シリウス、リゲル。心配なのは分かる。俺もできれば12歳の女の子にアンデッド討伐なんか頼みたくない。でもマリン以外出来る奴がいない。そしてレグルスとシリウス。2人は次期王となる者だ。心配だからといってほいほいついて行かせる訳にはいかない。

‥‥‥3人共、言ってることは分かるな?」


「「「はい。」」」


「じゃあ3人も滞在日数伸ばしてマリンちゃんと一緒に帰ってきたらいいじゃない。」


「「「「え?」」」」


「ああ、そうだな。3人共、城で待つなら許可するがどうする?」


「「「待ちます!」」」


「え!?えっと‥‥3人共、待っててくれるの?」


「ああ。本当は討伐も一緒に行きたいところだがな。」


「ああ。残念ながら俺達は実際マリンより弱いし、浄化魔法も使えない。足手まといだからな。」


「帝国の為に父上からの依頼を受けてくれるんだ。皇太子として、マリンの友人として一緒に行って守りたかったが、足手まといだからな。大人しく待ってるよ。」


「殿下が待つなら俺もだな。」


「!‥‥‥ありがとう。」


「とりあえず冒険者ギルドには私もついて行こう。」


「ああ。頼む。」


「え?レグルスも来たらギルドが騒ぎにならない?」


「でもギルドに依頼を取り下げに行かないといけないからな。」


「‥‥‥そういうのって皇家の人達で行ったりしないよ?普通、危ないからって代理人が行くんだよ。なんでレグルスが行くの?皇太子なんだから駄目だよ。」


「え?‥‥‥だそうですが、父上どうしましょう?」


「マリンがいれば狙われても返り討ちにできるだろ?2人で行ってこい。そんなこと言ってたら帝都の観光なんてできないぞ?」


「うっ。」


「馬車の用意とかはほぼ終わってるからすぐ出発できるからな。さっさと戻って来いよ。」


「だそうだ。早速行くか?マリン。」


「陛下‥‥分かりました。行こ‥‥レグルス。」


そして、城から出て帝都を歩き出した瞬間‥‥予想通り騒ぎになった。理由は一つ。レグルスが出てきたから。


そういえばなんで歩き?皇太子が出掛けるなら馬車じゃないの?普通。

自分が1人で行くなら歩きでいいや~になるけど‥‥

いや、貴族令嬢としてはその考えも駄目なんだけど。

レグルスはもっと駄目だろう‥‥

なんで誰も何も言わないんだ。私も特に考えず、ふらっと出ちゃったじゃん‥‥。ベネトさんも送り出すし。


「人通りが多いな。いつも普通に通れるのに。」


「それは普段会うことがない皇太子が歩くからだよ。いつも普通に通れるのは馬車に乗ってるからでしょ?」


「あ。そういえばそうだな。」


あぁ‥‥レグルスが歩きとか気にしなくなってきてる‥‥

それは皇太子としてまずいでしょ‥‥


「レグルス。やっぱりふらっと出てきちゃ駄目だったんだよ。私も特に考えずに出てきちゃったけど、レグルスは皇太子なんだからもっと駄目だよ。」


「確かにな。出してくれる方もどうかと思うが‥‥」


「ああ‥‥門番さん、止めることすらしなかったもんね。」


「マリンが一緒なら大丈夫だと思ったんだろうな。兵士全員にマリンが父上に勝ったことが知れ渡ってるらしいからな。」


「え!?そうなの!?」


「ああ。‥‥と、こっちだ。マリン。」


「え?あ、うん。‥‥道覚えてるの?」


「ああ。帝都なら地図が頭に入ってる。」


「全部?」


「ああ。」


「すごっ!」


「そうか?」


「うん。私、うちの領地でも全部は頭に入ってないよ。」


と、騒ぎになったのに今普通に話しながらギルドに向かえてるのは騒ぎの中心になった、当のレグルスのお陰。


城を出て帝都に出た瞬間、国民に取り囲まれた私達。

四方八方から掛けられる言葉にどうしようかと戸惑っていると、レグルスが片手を上げた瞬間ピタッと静かになった。


そして一言。


「私はこれから客人であり、友人でもあるこの子の案内をしたいんだ。だから私達のことはそっとしておいてほしい。頼めないか?」


と言うと国民の皆様、口々に「分かりました」とか「失礼しました」とか言ってサッといなくなった。


すげぇ~。皇太子すげぇ~。


ってことで今私達をほっといてくれてる。


そして冒険者ギルドに着いたのだが、そこでもざわついた。同じくレグルスが一言言って黙らせて用事が済んだらすぐに出た。


‥‥‥疲れる。精神的に。レグルスの隣の子誰?ってみんな言うんだもん。私はレグルスが喋ってくれてる間、無言でいることにした。

‥‥質問攻めは疲れるからね。


そして城に戻ると、本当に馬車が用意されていた。

というわけで馬車の御者さん含めて兵士さん数名と共に出発です。


「マリン。一つ頼みがあるんだが。」


「なんでしょう?」


「遺品。持ってこれたらでいいから頼んでいいか?」


「はい。分かりました。元帝国の国民の方でしょうし、遺品だけでも返して差し上げたいですからね。」


「ああ。頼む。」


「畏まりました。‥‥‥父様、姉様、兄様、リリ様、マリア様。帰りの道中お気をつけて。」


「「ああ。」」「「「ええ。」」」


「マリン。ゆっくりしてから屋敷に帰って来ればいい。」


「はい。父様。‥‥では行ってきます。」


『行ってらっしゃい!』


そして私はアンデッドの浄化の為に魔物の森へ向かった。


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