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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第5章 帝国編2
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92話 親善パーティー

庭園での一幕が終わり、今は親善パーティー会場。


まずは、初めて親善パーティーに参加するシリウスとリゲルが自己紹介をしていた。

意外なことにしっかり挨拶も出来ていた。

陛下の挨拶も終わり、歓談が始まる。


私はシリウス達と食を楽しんでいた。さすがに和食ばかりではなく、洋食もありデザート変わりのフルーツが盛られていたりもする。

私はある程度食べてフルーツに移っていた。


「こ、これ‥‥。」


ぶどうじゃん!桃もある‥‥!

あぁ~ゼラチンあったらゼリー作るのに~!

あ。ジャムは作れるな‥‥ケーキも作りたい~!

前世あんま料理しなかったのに今になって衝動が!

いや。衝動じゃなくて反動だな。便利なレンジとかの調理家電が無いのに敢えてやりたくなるなんて‥‥!


「マリン?」


「どうした?」


「多分思考の中だな。」


「そうなのか?」


「ああ。マリンは考え始めたら周りの声が耳に入らないからな。」


私の側で陛下と一緒に近づいてきたレグルスとシリウスとリゲルが話していた。


‥‥私は気付いてませんでした。


「なに考えてるんだろうな?」


「料理じゃないか?」


「本人に聞いてみたらいいじゃねぇか。」


「父上。こうなったマリンは揺さぶったりしないと気づきませんよ。」


「じゃあ揺さぶれよ。」


「何を揺さぶるんですか?」


「いや‥‥お前だよ、マリン。」


「え?私ですか?‥‥レグルス、なんで?」


「考えごと始めたら周りに気づかないだろ?だからだ。」


「あ。なるほど。そっか、それで陛下とレグルスに気づかなかったのか。いつの間に来たんだろ?って思ってた。」


「だろうな。それで、何考えてたんだ?料理のことか?」


「うん。この果物達でお菓子とかできそうだな‥‥。とか考えてた。」


「マリン。料理するのか?」


「うん。あれ?‥‥‥あ、そっか。シリウス達には作ったことなかったね。」


「俺達には?」


「うん。去年帝国に来た時にレグルスもだけど、リリ様達も陛下もみんな食べてくれたんだよ。」


「そうなのか!?」


「うん。まあ簡単なものだけどね。」


「でも美味かったぞ?」


「それなら良かったです。」


と、話してると後ろから複数の女の子の声。


『マリン様!』


去年もいた帝国の貴族令嬢の方々です。

私は振り返ってお返事。貴族令嬢に戻らないとです。


「あ、皆様。お久しぶりです。」


「お久しぶりですわ。マリン様。あの‥‥マリン様に伺いたいことがあるのですが、よろしいでしょうか?」


「?‥‥はい。なんでしょう?」


「去年、皇太子殿下がマリン様に模擬戦を挑んでいたと記憶しておりますが‥‥。」


「はい。挑まれましたね。」


「やはり!‥‥結果を伺っても?」


「え?あれ?‥‥殿下は帝国にいらっしゃる間にお伝えしてなかったのですか?」


「ええ‥‥。」


「な、なんで‥‥ってまさか‥‥。」


と振り返ってレグルスを見ると、なんとも言えない顔をしていた。


「そのまさかですわ‥‥。話してくださいませんでした。」


「そうですか‥‥。では私がお話しますね。結果は私が勝ちましたわ。」


『え!?』


「ま、マリン様。皇太子殿下に勝たれましたの?」


「はい。勝ちました。なので殿下の妃になってほしいというのは叶ってません。」


「そうなのですか‥‥。」


「でも私はマリンを諦めてませんよ?婚約者は駄目でしたが友人になってくれました。だから王国に留学しているのですよ。」


「で、殿下が‥‥」


「殿下が?」


「私達に話してくださいましたわ!」


「え!?‥‥‥どれだけ話さなかったのですか?殿下。」


「ははは‥‥。」


「皆様。殿下は本当に一言も話さなかったのですか?」


『はい。』


マジか‥‥。レグルス、本当に人見知りだったんだな。


「信じられませんね‥‥殿下が話さないでいるなんて。」


「ええ。学園では私達とよく言い合いをする程話すのですが‥‥。」


「魔法対決なども私達とよくしますし‥‥。」


皆様。信じられないかと思いますが、私の後に話したのはシリウスとリゲルです。


変わるものだなぁ‥‥。


「まあ!そうなのですか?‥‥‥マリン様も?」


「ええ。皇太子殿下やシリウス王子、リゲル様もシリウス王子のいとこでいらっしゃいますから、学園が身分関係なしと言っていようと、やはり教師の方々もどこか強く言い辛い様で‥‥。選択授業だけではありますが、私が共通の友人ということで任されてしまいましたので必然的に‥‥。」


「まあ!マリン様。お3方共ご友人ですの!?」


「ええ‥‥まあ‥‥はい。」


「どうかなさいました?」


「皆様からすれば信じ難いかと思いますが、先程、シリウス王子やリゲル様が仰った様にお3方で言い合いをしたり、魔法対決をしたりと‥‥。たまにやり過ぎることがありまして苦労しているのです。」


「「「すまない。」」」


「と、思っていらっしゃいませんよね?」


「「「ええ。」」」


「はぁ‥‥。」


「ま、マリン様。すごいですわ!皇太子殿下がこれ程話して下さったことなどないのに。」


「そうですわ!あ、もしかして普段はもう少し気安くお話ししていらっしゃいますか?」


「え?何故そう思われたのですか?」


「それこそ去年、皇太子殿下が呼び捨て敬語無しがいいとマリン様に申し上げていたではありませんか。」


「あ。そうでしたね。普段は確かにシリウス王子、リゲル様、皇太子殿下のお3方共呼び捨て敬語無しで話しております。ですが、私も貴族家の者ですから今は礼儀を優先しているだけですよ。」


「そうでしたの‥‥できれば普段の皆様の様子を垣間見れればと思いましたが、無理そうですわね。」


「申し訳ありません‥‥」


「いえ!お話を聞かせて頂いただけで十分ですわ!」


そしてその後も和やかに談笑して親善パーティーは終わった。


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