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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第5章 帝国編2
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89話 世界樹と浄化魔法

精霊王との会話は続き。


〈さっき浄化魔法の使い手は純粋で綺麗な魔力の持ち主しか使えないって言っただろ?〉


「うん。」


〈その魔力は人を惹き付ける。〉


「え?」


〈今までマリンは誰かに好感は持たれても、嫌われたことはないだろ?〉


「‥‥‥‥‥そういえば‥‥確かに。」


〈それはマリンの魔力に惹かれてるからだ。〉


「そうなんだ‥‥‥。」


じゃあレグルス達も‥‥‥


〈だがな、今マリンの周りにいる人々、恐らく家族とかだな。その者達は別だからな?〉


「え?」


〈その者達はマリンの魔力に惹かれる前にマリンが好感を持った者達なのだろう。マリンの魔力の影響を受けていないようだ。その中で特に3人‥‥他とは違う感情をマリンに向けている者がいるようだ。‥‥例えば先程一緒にいた者。彼は何者だ?〉


「皇太子。次期皇帝になる人だよ。」


〈そうか。ちなみになんだが、マリンをここに呼んだ時に株分けの方が光った様でな、それに気付いた城にいる者達でマリンに近しい者が集まってしまったようだ。〉


「え!?つまり株分けのところに寝てた筈の父様達がいるの?」


〈ああ。マリンがここにいるお陰で株分けを通してあの庭園内の気配を感じ取れる。だから先程影響を受けていないことが分かったんだ。〉


「そ、そうなんだ‥‥。」


〈話を戻すぞ。先程言った3人の1人は皇太子だったな。あとの2人もマリンは分かるだろ?〉


「うん。多分シリウスとリゲルかなって。」


〈その2人は何者だ?〉


「1人は王国の第一王子。もう1人は王子のいとこで公爵家嫡男。」


〈人間の家格は知らんが、2人の王子とそのいとことは‥‥マリン。なんというか‥‥大変だな。〉


「うん‥‥‥‥大変。」


〈でもマリンも分かっている様だが、その3人はマリンの魔力に惹かれたんじゃない。純粋にマリン自身に惹かれている様だ。そこを疑うなよ。可哀想だぞ。〉


「うん。分かった。教えてくれてありがとう。」


〈ああ。‥‥‥マリン。まだ時間あるか?〉


「え?うん。大丈夫だよ?‥‥‥待ってる人達が気になるけど。」


〈まあそうだよな。なに、ちょっと世界樹に関してマリンに知っておいてほしいことを伝えるだけだ。〉


「?」


〈何故世界樹と株分けが別々の場所にあるのか、何故帝国のしかも城内にあるのか、不思議じゃないか?〉


「うん。不思議だった。それを教えてくれるの?」


〈ああ。まずはこの世界樹の森だが、人間達には絶対にたどり着けない絶海の孤島にあるんだ。〉


「え?世界地図見ていい?」


〈あ、ああ。〉


そして世界地図を魔法で目の前に出し、現在地を確かめると、なんと本当に絶海の孤島と言える程各国から遠く離れた小さな島だった。


「世界地図で見ると小さいんだね、この島。大体の位置は分かったから今度からは株分けを介さなくても来れそうだな。」


〈移動魔法が使えるのか?〉


「うん。空間移動魔法が使えるよ。だからさっきいた帝国の城内にも自分で戻れるよ。」


〈そうか。でも魔法である以上それは出来ないんだ。〉


「え?そうなの?」


〈ああ。この世界樹を外敵から守る為にあらゆる結界が張ってある。だから魔法を使ってここに来ることは出来ない。だからこそ、世界樹の株分けを通して繋がる様にした。〉


「え?でも外敵を避ける為の結界なんでしょ?なんで人間のいるところに株分け置いたの?」


〈それこそ帝国の城内に株分けがある理由だ。〉


「?」


〈浄化魔法を使える者はこの世界には必要不可欠な存在だ。だからこそ稀有な存在でもあるその者を守る為には人間に接触する必要があった。だから人間の住む土地の中でも当時、質が一番綺麗だった()の地に株分けを置いた。〉


「浄化魔法がこの世界に必要不可欠って、なんで?」


〈人間が魔法を使うのも、動物が魔物化するのも自然界にある魔素によるものなのは知ってるな?〉


「うん。人は自然界の魔素を取り込んで魔力として溜めて体を循環させて魔法として放つ。だよね?」


〈ああ。〉


「あと、魔物は動物が魔素に惹かれて魔素溜まりに近づき、魔素を取り込み過ぎて変貌した姿だよね?」


〈その通りだ。‥‥それと、魔素は亡くなった人間をレイスとかに変えたりもするだろ?レイスなどは亡霊だ。そのままだと、自然界に悪影響が出るから成仏させてやらないといけない。〉


「成仏させられるのは浄化魔法だけ?」


〈そういうことだ。〉


「へ~。」


〈へ~って亡霊を見つけたらマリンが成仏させるんだぞ?〉


「え?あ、そっか。‥‥‥‥亡霊かぁ‥‥。」


〈話を戻すぞ。株分けを置いた所の側に城が建ち国が出来たんだ。そして皇帝が代々この地を守ると共に株分けのことを伝えてきた。〉


「じゃあ今の皇帝も株分けのことや精霊王のことも知ってたの?」


〈私のことは夢物語程度だろうがな。庭園にあるのが世界樹の株分けで、精霊達と同じように浄化魔法の使い手が現れたら連れて来るよう伝え聞いている筈だ。〉


「なるほど。去年は何も言われなかったのに今年突然庭園を勧められたから不思議だったけど‥‥そういうことか。」


〈ああ。私の話は以上だが、マリンは何か聞きたいこととかあるか?〉


「ある。むしろ聞きたくてしょうがなかった。なんで私、加護をもらった瞬間服装変わったの?」


そう。ずっと気になってた。レグルスと庭園に来た時はノースリーブのワンピースで上に半袖の上着を1枚羽織ってるだけだったのに。

なのに今、私の格好は膝丈のキャミワンピと中指に引っ掛けるタイプのグローブ?と足の脛まで紐で編み上げるサンダルを身に着けている。見えてないけど、多分頭にも何か着けてる。物語とかで例えるなら聖女?天使?みたいな「いかにも」みたいな格好っぽい。しかも髪の色も少し変わってる。うっすら緑系の色が入ってる。‥‥‥はずい。


〈ああ。それは察しは付いてるだろうが、精霊王の加護の影響だ。〉


「だろうね。‥‥ってそうじゃなくて、これ戻せるよね?」


〈当然だ。ただ、これから浄化魔法を使う度にその姿になるがな。まあ成長と共に服装は変わるし、それを解いたら元の服に戻るから安心してくれ。〉


「どうやって戻すの?」


〈とりあえずここでは戻せない。〉


「なんで!?」


〈私が側にいるから影響を受ける。‥‥まあ、戻す方法は庭園に戻って自分で探ったらマリンなら分かるだろ。〉


「え。私、自分で探るの?‥‥その間この姿見られるの?家族に?レグルス達に?‥‥‥‥恥ずかしい‥‥。」


〈何故だ?似合ってると思うぞ?恐らく庭園に待つ者達全員に好評だと思うぞ。〉


「そ、そう‥‥?でも恥ずかしいのは別だよ。私が個人的に恥ずかしいの。」


〈そ、そうか‥‥私は服装を選べないからな。どうすることもできん。すまん。〉


「いいよ‥‥。それならしょうがないし。」


〈他に聞きたいことはあるか?〉


「ううん。今のところない。」


〈じゃあそろそろマリンを帰してやらないとな。‥‥もう帰していいか?〉


「うん。‥‥‥覚悟はできた。お願い。」


〈お、おう。また世界樹に会いに来てくれ。株分けのところに来たらここにまた運んでやる。〉


「うん。分かった。」


〈ではな。〉


そしてまた視界は変わり、私は庭園に戻っていった。


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