85話 和解
そして私対陛下の模擬戦ですが。
勿論私が勝ちました。
でも去年と違って陛下は魔法を馬鹿な使い方しなかったから普通に戦った。だから去年より長引いたけど、最後私が魔法で陛下のお腹に衝撃を与え、気絶させて終了。
そして治癒と回復魔法を掛けると、日頃から鍛えてるそうですぐに起きた。さすが。
みんなのところに戻りながら私は陛下と話していた。
「あ~あ。また負けたな‥‥。」
「ふふっ。やっぱり悔しいですか?」
「そりゃそうだろ。12歳のしかも女の子だぞ?」
「その12歳の女の子によく平然と模擬戦挑みますよね。」
「ん?そりゃラルクの娘だからな。強いだろうって最初から思ってたからな。」
「そうですか‥‥‥。」
そして私達が戻ってくると、レグルスがにっこりと笑顔で声を掛けてきたので、私も笑顔で返した。
「おかえり、マリン。」
「ただいま。レグルス。」
「おい。レグルス。俺には?」
「おかえりなさい、父上。また負けましたね。」
「一言多い!‥‥事実だが。‥‥‥で、マリン。これからどうするんだ?」
『!』
いやいや何ビクッてなってんのよ。王国のみなさん。
「どうしましょうか?私は冒険者になったので自由に国を行き来できますからね。」
「え?冒険者になったのか?マリン。」
「はい。私は帝国や王国だけじゃなくて世界を見て周りたいんです。そして旅の途中、人の役に立てることがあるならやりたいなって思ったので。」
「なるほどな。冒険者なら人の依頼に答えながら金も稼げるし身分証明にもなるしな。」
「そういうことです。自由でいいと思いませんか?」
「そうだな。‥‥マリンが結婚を考えられないのはそれが理由の一つか?」
「はい。そうです。‥‥冒険者になった今、私は自由になりました。ゲートも使えば学園に通いながらでも依頼をこなせます。あ。陛下、私ギルドラルクBなんですよ?Eランクより受けられる依頼が多いんです。」
「だよな。‥‥‥それで?マリンは今夜の親善パーティー出るのか?」
「どうしましょう?‥‥‥陛下には悪いですが、今私は陛下達以外に笑顔は向けられないと思いますので辞退しようかと思います。」
『!』
そんな風に私と陛下が話していると、何故かレグルスが口を開いた。
「シリウス、リゲル。」
「「な、なんだ?」」
「私達が惚れた天使をこのまま堕天使にするつもりか?」
「え!?ちょっと、レグルス!?」
「マリン。私もこのままは嫌なんだ。だから‥‥みなさん。今のまま、マリンを傷つけたまま諦めるなら学園を卒業する前にマリンがなんと言おうと帝国に、私の側に縛ります。たった今から王国には帰しません。皆さんが連れて帰っても私が帝国に拐います。そして二人共成人したと同時に妃にして皆さんに二度と会わせません。それでもいいんですか?」
「レグルス‥‥。」
なんでレグルスが言うのよ‥‥。
陛下に頼んだの見てたのに。
しかもすごい格好いいこと言ってるし。
はぁ‥‥なんでこんな人が私を好きなのか本気で謎だよ。
‥‥‥‥‥何か恥ずかしくなってきた。
「シリウス、リゲル。いいのか?私がマリンをもらっても。」
「「よくない!」」
「じゃあどうするんだ?このままだとマリンはふらっといなくなって二度と会えないかもしれないぞ?‥‥マリン。」
「なに?」
「こっち来てくれるか?」
「へ?なんで?」
「いいから。」
「?‥‥‥分かった。」
そしてレグルスに近づくと、私の手をとって引き寄せ、抱きしめてきた。
『!』
「わっ!‥‥っと、レグルス!?」
「(このまま動かないでくれ。マリンは父上に頼んでたが私も黙っていられなかった。)」
「(‥‥‥分かった。)」
「マリンは私の側なら疑うことなく来てくれたぞ?シリウス達ではこうはいかないだろ?」
「「‥‥‥」」
「なんで黙ってるんだ?悔しくないのか?私は2人とマリンの取り合いをしてる間楽しかったが、2人はそうじゃないのか?‥‥‥皆さんも、このまま私がマリンをもらっても、二度と会えなくてもいいんですか!?」
最後だけみんなを咎めるかの様に強くなっていた。
『!』
「なんで誰も何も言わないんですか?」
「‥‥‥殿下。私達はどうやったらマリンに許してもらえるか分からなかったんです‥‥。昨日いくら話し合っても許してもらう方法は出てきませんでした。」
やっぱりね‥‥。何も分かってないからね。みんな。
「それで?クリス様。マリンに許してもらう方法が分からないから諦めるんですか?」
「私だって!‥‥‥諦めたくないです。だけど‥‥」
はぁ~‥‥姉様。泣くのはずるいですよ‥‥
しょうがないなぁ‥‥もう。
「レグルス。‥‥逃げないからちょっと離して。」
「やだ。」
「なんでよ!?」
「マリンを抱きしめてると癒される。」
「はあ!?‥‥‥もう!後でまた抱きしめていいから今は離して!」
「本当か!?じゃあ分かった。」
「何なのよ‥‥。それで、姉様。「だけど」なんですか?」
「‥‥‥マリン。どうやったら許してくれる?」
「結局聞くんですか‥‥?」
「だって分からないから‥‥」
「はぁ‥‥どう頑張っても一生全員完全には許しません。」
「え‥‥?「完全には」?」
「はい。‥‥‥自分でも甘いなって自覚はありますが半分だけ許します。但し条件があります。」
『条件?』
ここからは帝国の人達にも言ってないからね。
驚くかな。
「はい。‥‥私はいつか皆さんじゃ駄目なことをしないといけません。これは私にしか出来ないことです。もしかしたら命に関わることになるかもしれません。」
『え!?』
「私がそれをする時、止めないで下さい。何も聞かずに。それが条件です。」
「え!?そ、そんな曖昧な‥‥。」
「私もまだ詳しくは知らないんですよ。いつか私の師匠となる人が説明と修行をしてくれるみたいですから私も無駄に死のうとしてる訳ではありません。ちゃんと帰ってきて説明します。その時が来たら今日提示した条件を使うと申し上げます。ですから何も聞かないで下さい。」
「そこまでが条件?」
「はい。そうです。姉様。」
「そう‥‥。」
「もちろん、ヒスイ兄様、フレイ兄様、母様達、国王陛下、王妃様、あとは宰相さんもですかね。全員にも同じです。
‥‥‥父様、どうしますか?」
「‥‥‥俺達に条件をのむ以外の選択肢はないだろ?」
「そうですか?私は父様の娘ですよ?親の言うことを聞けと私に唯一命令できる人ですよ?」
「そんなことしたくもない。‥‥‥分かってるだろ?」
「はい。父様はそんなひどい人じゃないって信じてます。
‥‥‥では皆さん。私の提示した条件。のみますか?」
コクン
全員が頷いた。
これでやっと和解だ。あ~疲れた。




