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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第5章 帝国編2
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80話 仕返し

前半はレグルス視点です。

途中からマリン視点に戻ります。

マリンの部屋から玄関にゲートで移動してすぐ。


「あ。殿下、マリンちゃんは!?一緒ではなかったのですか!?」


「先程まで一緒にいましたよ。今は部屋にいます。大丈夫ですよ。」


「そうですか‥‥。」


「ですが、すごく泣いたので今の顔を誰にも見せたくないから今日は部屋から出たくないそうです。」


「‥‥‥分かりました。」


「殿下!マリンは?」


「今は部屋にいますよ。」


「そう‥‥マリン泣きました?」


「ええ。私は初めて見たので最初驚きました。」


「私も初めて見ました。マリンは何があっても泣かなかったので。」


「クリス様も見たことなかったんですか?」


「ええ。誰も見たことないと思いますよ。」


「じゃあ、見られた私はやっぱり役得ですね。」


「ふふっ。そうですね。‥‥それで、泣きはらした顔を見せたくないって引きこもりました?」


「正解です。」


「そう‥‥。大丈夫そうでした?」


「ええ。思いっきり泣いて憑き物が落ちたみたいにスッキリしたそうです。」


「なら大丈夫ですね。ありがとうございます。殿下。」


「いいえ。‥‥ただ、リリアーナ様とマリア様は今回のことで腹立つからしばらく話さないとも言ってました。」


「え!」


「自業自得ね。」


「はい。」


「そんなぁ~!」


「あ。リリ、クリス、殿下。マリンちゃんは?」


今度はマリア様が来たので二人と同じことを話した。


「え‥‥じゃあ、マリンちゃんの気が済むまで口きいてもらえないの?」


「そういうことよ。」


「ええ~!?」


「自業自得よ。」


「はい。」


「うぅ‥‥‥。マリンちゃん許してくれるかなぁ?」


「どうだろうね?」


「クリスぅ~!」


「大丈夫よ。マリンは2人のこと好きだからね。」


「ええ。」


「「本当!?」」


「‥‥‥疑うならそれでもいいけど。」


「「信じる!!」」


そして宣言通りマリンは夕食の席に現れなかったので、私が説明すると辺境伯様が申し訳なさそうに返した。


「そうですか‥‥。マリンがご迷惑をお掛けしました。ありがとうございます。殿下。」


「いいえ。マリンに頼って貰えて嬉しかったですから。お気になさらず。」


「あのマリンが泣くとはな。‥‥‥忘れがちだがやっぱりまだたったの12歳の女の子だな。」


「ええ。そうですね。兄様。‥‥‥だから早く話せば良かったのに。」


「「うぅ‥‥。」」


「リリ、マリア。知ってるだろうけど私達兄弟の結束は硬いわよ?‥‥マリンを泣かせた罪は重いわよ。」


「「うっ‥‥」」


「こらこらクリス。お2人を苛めてやるな。」


「だって父様、マリンを泣かせたのは事実ですよ?」


「まあ、そうなんだがな。‥‥でももう大丈夫なのでしょう?殿下。」


「ええ。思いっきり泣いて憑き物が落ちたみたいにスッキリしたって言ってましたから、大丈夫だと思いますよ。」


「ならこの話はこれで終わりだ。マリンがいつも通りなら俺達もいつも通りでいるべきだ。‥‥そうだろう?」


『はい。』


いいな‥‥。やっぱりこの家族。

私もいつか仲間に入りたいな‥‥。

マリンが優しい理由が改めて分かった気がする。


「いいな‥‥姉上達はこの家族の中に入れて。」


「ああ‥‥」


シリウスとリゲルもか。

まあ、負けるつもりはないけどな。


◇◇◇◇


翌朝。帝国に向けて出発する。

今年は何故かヒスイ兄様とフレイ兄様は母様達とお留守番するそうだ。

つまり、王都からのメンバーと同じだ。母様が一緒じゃないだけ。

ここからは馬車は2台になる。

勿論私はシリウス、リゲル、レグルス、ベネトさんが乗る帝国の馬車。

父様、アクア兄様、姉様、リリ様、マリア様がうちの馬車。

今は正直助かる。リリ様達と顔を合わせ辛いから。


でも、聞いておかないといけない事があるので出発前に姉様に聞く事にした。


「姉様姉様。」


「なになに?」


「リリ様達はいつ結婚するんですか?」


「秋よ。王都で式をするそうだからマリンも出席出来るわよ。」


「本当ですか!?良かった~。」


「リリ達もマリンに出席して欲しいって言ってたから出てあげてね。」


「勿論です!出席できない方が一生の後悔になりますから!」


「でも、すぐには話してあげないのよね?」


「はい。素直に喜べなくなったのでちょっとした意地悪です。本当はリリ様達がお姉ちゃんなんてすごく嬉しいのに。最後なのは大いに不満です!‥‥姉様。これ、言わないで下さいね。」


「ふふっ。分かったわ。」


「「あ。」」


「じゃあ、姉様。もう馬車乗っちゃいますね。」


「ふふっ。分かった。」


「「‥‥」」


ちょっと罪悪感を感じながらリリ様達を見ずにレグルス達が待つ馬車に乗った。

そして馬車が出ると。


「マリン。まだ続けるんだな。」


「そりゃそうだよ!レグルスも知ってるのに私は最後なんて。私にとっては嫌がらせだよ!」


「だよな‥‥姉上にも言っても大丈夫だって言ったんだがな‥‥。」


「俺も大丈夫だって言ったけどな‥‥。何がそんなに心配だったんだか‥‥。」


「だよな?俺から見てもマリンはリリアーナ様達を慕ってるようにしか見えなかったから言い辛い意味が分からん。」


「ですよね!?なので私の嫌がらせは当然だと思います!

‥‥4人共言わないで下さいよ?」


「「「「はいはい。」」」」


「はぁ‥‥もう。出来ればこの嫌がらせもやりたくないんだけどな‥‥さっき罪悪感が‥‥」


「マリンらしいな。まあ気が済むまでやったらいいさ。」


「うん。‥‥‥あ。そういえば、これでシリウスやリゲルと縁戚になるのか‥‥。なんか変な感じ。」


「「同じく‥‥。」」


「まあでも何も変わらないかな。リリ様達がお姉ちゃんになるだけで。」


「嬉しいか?」


「勿論!リリ様達大好きだもん。」


「「「「だよな。」」」」


「みんな分かるのになんでリリ様達は分からないかな?」


「謎だな。」


「「謎だ。」」


「謎でしかない。」


その後は話しててもしょうがないと、話は変わりつつ数日。帝国に入り、街で休息をとって再び帝都へ向けて出発する。


そんな中、私はまた考え事をしながら窓から外をボーッと見ていた。


「マリン。今度は何考えてるんだ?」


「何か考えてる前提なんですね‥‥考えてるっていうより思い出してました。色々。」


「何を?」


「リリ様達にゲートと全属性の話した時とかですね。」


「ん?」


「リリ様達には去年話してたんですよ。うちの領地にいる間に。だからレグルス達に初めて会った時にはもう知ってたんです。」


「そうか。」


「でも、やっぱり言うのは怖かったんですよ。リリ様達に恐がられるんじゃないかなって。不思議と嫌われるとは思わなくて、恐がられるのが心配でした。だからあっさり受け入れてくれた時は安心したんですよね‥‥。私は恐がられるのを覚悟して話したのにリリ様達はそうしてくれなかったなって‥‥。」


「私達に話す時は?」


「ん?‥‥リリ様達が変わらなかったからレグルス達も変わらないかなって。リリ様達の時程は怖くなかったかな。」


「そんなに心配することだったか?」


「はい。4人共私の実力とか、とりあえず4属性とストレージの空間魔法を使えるのは知ってたでしょう?」


「「「「ああ。」」」」


「普通はそれだけでも恐がられるんじゃないかなって。ここにいる4人の誰と反対の立場でも私はその段階で恐がった気がするのに、それが全属性ですよ?どの属性で攻撃されようと全て相殺できるんです。脅威でしょう?」


「言われてみるとそうだな。マリンのことを何も知らない状態で聞かされたら脅威だな。‥‥でも俺達はマリンを知ってるからな。」


「ええ。マリンがどんな力を持ってようと関係ないって思えましたしね。」


「うん。それは嬉しかった。‥‥‥なのにリリ様達は私の何を見て信じてくれなかったんだろ?‥‥‥って思ってたら段々腹立って来てたんだよね‥‥。それを紛らわす為に外を見てた。」


「そ、そうか。」


「うん。」


口にしたらまた腹立ってきたな‥‥荒野でぶっぱなすかな?


1年の最後が仕返し‥‥。しょうがないですかね‥‥。

今年はこれが最後になります。

また来年更新していきたいと思いますのでよろしくお願い致します。


皆様よいお年をお迎えください。

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