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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第5章 帝国編2
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74話 信頼

アルス子爵邸にて。

流石に部屋割りでは私はシリウス達とは別の部屋だった。

ということで今、母様、姉様と同室なのだが、そこにリリ様、マリア様、父様、兄様に集まってもらい、先程ふと思い出したことを話そうとしていた。


「父様、皆さん。私は大変申し訳ないことを思い出しました。」


「なに?マリン。」


「はい。それはですね。今ここにいない4人。つまりシリウス、リゲル、レグルス、ベネトさんに私がゲートと全属性使えることを言ってないということです!」


『あ。』


「ですよね!?すっかり忘れてましたよね!?このままだと領地に戻ってもいつも通りに魔法の練習ができません!」


「あ。そっちなのね。」


「へ?そっちってなんですか?姉様。」


「いや。2人の王子に知られたら国王にそれが伝わるって、それが嫌なんじゃなかったの?」


「はい。確かに嫌です。ですが、私の勘だと両国王は薄々は疑ってると思ってます。ハッキリ私が何を隠してるかは分からないけど何か隠してるな。ぐらいには。国王陛下は恐らく私が御使いだとまだ疑ってるんじゃないかと。ですよね?父様。」


「ぐっ‥‥そうだ。まだ御使いだと思ってるそうだ。‥‥‥だが、陛下に両方知られてもマリンは陛下の思い通りにはならないだろ?皇帝陛下もだ。」


「はい。両陛下の思い通りになるつもりはありません。私は私の思う通りにこの頂いた加護を使います。」


「だったらその二つぐらいなら陛下に伝わってももう大丈夫だよな?」


「あ。そう‥‥ですね。父様。皇帝陛下にも話しますか?」


「ああ。話しても悪用するような人じゃないし、マリンも突っぱねられるだろ?」


「はい。それは大丈夫です。無理矢理言うことを聞かせようとするような方ではありませんが、そうなっても叩きのめして逃げればいいだけなので。」


「ああ。そうだな。‥‥ならシリウス王子達にも言って大丈夫だと思わないか?」


「‥‥‥‥‥‥そう‥‥ですね。」


「マリン。私もレグルス殿下は勿論、今のシリウス王子達なら言ってもいいと思うわ。」


「姉様‥‥。」


「マリンも信じたいんだろ?マリンの力をいいように使おうとするような人達じゃないって。」


「兄様‥‥。」


「マリンちゃん。2年前ならともかく、今のシリウスなら信じてって言えるわ。要は私達以外に話さないでってことよね?」


「リリ様‥‥はい。そうです。」


「なら話は簡単だわ。私達と同じようにマリンちゃんが自分で信じて話した人達以外には話さないでってリゲル達に言うだけじゃない。」


「マリア様‥‥分かりました。今ここにいない4人にも話します。でも領地に帰ってヒスイ兄様とフレイ兄様にも話してからにします。2人は私の判断を尊重してくれるでしょうが、私なりのけじめです。」


「うん。それでいいと思うわ。」


「ああ。マリンのことだからな。」


「ありがとうございます。先に相談して良かったです。」


「ああ。俺達にしてもマリンはちゃんと先に相談してくれるから安心できる。無茶しないしな。」


そしてこの日はそのまま解散して眠りについた。


アルス子爵領でいつも通り2日程休ませてもらったあと、再び辺境伯領へ向けて出発した。


そして馬車に揺られること数日。

辺境伯領の屋敷へ到着です。


「ただいま戻りました!」


「「おかえり。みんな。」」


「あ。そうか、今年は王子達もいるんだったな。」


「はい。今日からお世話になります。」


「お世話になります。」


そう言って頭を下げたシリウスとリゲルに兄様達は驚いていた。


「ヒスイ兄様、フレイ兄様。シリウスとリゲル。変わったでしょう?」


「ああ。‥‥‥そうみたいだな。」


「ああ。‥‥‥ん?マリン、シリウス王子達も呼び捨てにすることにしたのか?」


「はい。レグルスは呼び捨て敬語無しなので不公平かなと。あと、2人共2年前とは変わりましたから。拒否反応も無くなりましたしね。」


「そうか。マリンがそれでいいなら俺達も文句はないよ。

‥‥‥と、そういえばレグルス殿下もマリンと同じ学園に転校してたんでしたね。」


「はい。私達もお世話になります。」


「ええ。一先ず体を休めてください。皆さんも、どうぞ。」


「「「お邪魔します。」」」


「皆さんそれぞれ部屋へご案内致します。こちらへどうぞ。」


メイドさん達がレグルス達客人を案内していったので、


「ヒスイ兄様、フレイ兄様。お話があるので私の部屋に来て頂けますか?」


「ん?」


「ああ。いいぞ。」


そして2人に私の部屋に来てもらい、アルス子爵邸で父様達と相談し、話した内容を伝えた。


「なるほどな。‥‥‥俺もマリンが大丈夫だと思うならいいと思うぞ。」


「ああ。俺も。シリウス王子達は分からないが、レグルス殿下達は俺も信じられるからな。マリンの意思を尊重するよ。マリンのことだからな。」


「はい。ありがとうございます。‥‥では兄様達、明日から?」


「「勿論!」」


「ふふっ。はい。分かりました。楽しくなりそうですね。」


「ああ。」「そうだな。」


こうして私はシリウス、リゲル、レグルス、ベネトさんにもゲートと全属性だけだが伝えることにした。


いつかリジアにも話そうかな‥‥。


そして翌朝。いつも通りの時間。

一緒に旅して来たことで初めて知ったが、シリウス達も普通に私達と同じぐらいの時間に起きてきていたのだ。


なので呼ばなくても自然と集まった。


「さて、これから私達のいつもの魔法の練習をしに行きますが、その前に。シリウス、リゲル、レグルス、ベネトさん。4人に私が言ってなかったことを二つ話します。」


「「「「え?」」」」


「まず、一つ目。私は4人に水、土、風、光とストレージを見せてますが、実は全属性使えます。」


「「「「え!?」」」」


「次に二つ目。私は空間移動、ゲートも使えます。」


「「「「え!?」」」」


「ゲートは見てもらった方が早いと思うので、早速このまま練習場所に向かいます。」


そして私がゲートを開くと、見馴れてる兄弟達とリリ様、マリア様が先に通って行く。

それを見て最初は戸惑っていた4人も恐る恐る通った。


「‥‥‥本当に違う場所に出た‥‥。」


「‥‥‥マリン。ここどこだ?」


「‥‥それは秘密です。」


「あ。それは教えてくれないんだな。」


「‥‥‥えっと‥‥説明ができないので‥‥。」


「‥‥なら俺達も含めてマリン以外全員知らないのか?」


「はい。」


「そうか。なら聞かないよ。マリンはちゃんとこうして話し辛かっただろうことを話してくれたしな。他に何か隠してても話したくなったら話してくれるだろ?」


「はい。」


「そうか。それが聞ければ十分だ。‥‥‥それで、ゲートと全属性はここにいる人達と両親しか知らないんだったか?」


「はい。父様と話して両陛下にも話そうということになりましたので、それ以外の人達には‥‥」


「ああ。話さないよ。折角マリンが信じて話してくれたんだ裏切るつもりはないよ。な?殿下。」


「ああ。勿論だ。シリウスとリゲルもだろ?」


「ああ。話してもらえたのは嬉しいからな。信用を裏切りたくない。」


「俺も。他に話すつもりはないよ。大体、話す相手ってシリウスとレグルスとマリンぐらいだからな。」


「あ。それもそうだな。」


「‥‥なあ。私もそうだが、それ言ってて虚しくないか?」


「ぷっ!‥‥‥ふっ‥‥くくっ。」


「マリン。笑うなら堂々と笑ったらいいだろう。」


「ぷっ!‥‥あはははは!」


「本当に笑うのか‥‥。」


「お、王族って‥‥た、大変だね‥‥‥(※深呼吸)ああ~笑った!3人共難儀してたんだね~。」


「まあな。だから今が一番楽しいよ。」


「そっか。3人共綺麗な顔してるのにね~。性格かな?ベネトさんは友達沢山いそうですよね。」


「おう。いるぞ。」


「レグルスは人見知り、シリウスとリゲルは何故か性格がねじ曲がってたからか‥‥。勿体ないなぁ。ベネトさんぐらい最初から話しやすかったらもう少し友達いただろうに。」


「「「‥‥‥」」」


「マリン!そろそろ例のやつやらないか?」


「え?ヒスイ兄様、早速ですか!?」


と話しながらマリンは4人から離れていった。


「マリンって天然の人たらしだな。」


「「「ええ。」」」


「マリンだけじゃないか。あの兄弟達全員だな。‥‥ん?人たらし兄弟が面白そうなこと始めるみたいだな。行こうぜ!」


「ええ。」「「はい。」」


そして兄弟全員による毎年恒例のマリン対上の兄弟4人の対決が始まった。

そして今年もマリンの勝利で終わった。


「すげぇなマリン。アクアさんは魔力刃も使ってたのに勝つんだからな。」


「実は私にとってもいい修行になるんですよ。」


「「「「え?」」」」


「え?なんで兄様達が驚くんですか?」


「いや。単純に俺達の相手してくれてるだけだと思ってたから‥‥。」


「ああ、そういうことですか。‥‥私にとっての修行は戦ってる範囲全体を見る視野を広げることと、冷静な判断を下す訓練ですね。特に魔法使いなら後ろからの後方支援が主になりますので全体が見えてないとまずいんですよ。」


「マリン、そんなこと考えてやってたのか。」


「はい。だから毎回、兄様達のほんの一瞬の隙をついて倒してるでしょう?」


「ああ。‥‥そういえば確かに。」


「‥‥‥なあ、マリン。まだ戦えるか?」


「ん?うん。兄様達ともう一回でも大丈夫だよ?」


「「「「え!?」」」」


「実は魔力量調整の練習とか最小限の動きで済ませて疲れ難い様にって練習もこっそりやってたんですよ。」


「「「「‥‥‥」」」」


「あ。それで、レグルス。それがどうかした?」


「ああ。‥‥私とシリウスとリゲル相手でもできるんじゃないかと思ってな。」


「レグルス達3人?」


「ああ。」


「シリウスとリゲルは連携とれるだろうけど、そこにレグルスが入ったら連携崩れない?」


「そこは私が合わせる。‥‥どうだ?」


「う~ん。私はいいけど、シリウスとリゲルは?」


「やりたい。」


「俺もやってみたい。」


「2人共乗り気だね。‥‥‥じゃあ、対戦形式どうする?魔法だけに絞ってやる?剣もありにする?」


「‥‥明日もやるんだよな?」


「え?うん。」


「じゃあ今日は魔法だけで。‥‥いいか?シリウス、リゲル。」


「「ああ。」」


「じゃあ、今日は魔法だけね。いいよ。」


こうして私対シリウス、リゲル、レグルスの対決が決まった。


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