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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第4章 学生編2
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59話 転校生

夏休みが終わって数ヶ月が経った。

シリウス王子が大人しくしてくれていたので平和そのものだった。


そして姉様も学園を卒業した。

卒業後の進路だが、結局決まらなかったそうで王都の屋敷にそのままいることにしたそうだ。


姉様の進路について話して時。


「私はマリンみたいに色々できるって訳じゃないからね。魔法師団に入ることも考えたけど‥‥あのフリード先生がいるからね‥‥。」


「そうですね‥‥いい人だとは思いますが、軽いですからね‥‥。」


「そうね。あの軽さで損してる気がするわ。」


「同感です。」


「う~ん。生徒会長やってても生かせる所なんてないのよね‥‥。まあゆっくり考えるわ。」


「はい。頑張って下さい姉様。私としては学園から帰ったら姉様がいるのは嬉しいですけどね。」


「ふふっ。それなら私も嬉しいわよ?」



そして学年末テストを終えて新学年。

今日から2年生です。1年の成績と学年末テストの結果で翌年度のクラスが決まるのだが‥‥

また首席でした。私。リジアも次席。また同じクラス。

そして講堂での始業式が終わり、新しい教室に入る。


「やったね、リジア。また1年よろしくね。」


「うん!こちらこそよろしくね。マリン。」


チャイムが鳴り、担任の先生が入ってきた。


「皆さん席に着いてください!今年もこのSクラスの担任を務めます。レイヤ・フォン・イザールです。‥‥まあ、殆んどの人が知ってますね。‥‥‥さて、なんとこのクラスに転校生がきました。」


「え?転校生?‥‥‥リジア知ってた?」


「ううん。知らない。」


「だよね?」


私達と同じことを思ったのか教室がざわついた。


「皆さん、静かに!‥‥‥‥どうぞ。入ってきて下さい。」


ガラッ


「失礼します。」


入ってきた人を見て私は驚いてつい声に出してしまった。


「え!?レグルス!?何で王国にいるの!?」


「マリンさん?お静かに。」


「あ。すみません。」


「ふふっ。作戦成功だな。‥‥改めて。今日からこのクラスに転校してきました。レグルス・アスタ・ルベライトと申します。皇太子という立場ではありますが、そこにいるマリンのように気軽に名前で呼んで頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。」


『おぉ~。』


いや、皆さん拍手は分かりますが。おぉ~ってなんすか!おぉ~って!どういう意味のおぉ~なの!?


「席は‥‥マリンさんの後ろが空いてますね。そこに座ってください。」


「はい。分かりました。」


そして私の後ろに座ると、


「驚いたか?マリン。」


「見て分かったでしょ?凄い驚いたよ。‥‥‥そのしてやった感が凄い顔、なんなのよ。」


「驚かせてやろうと根回しした甲斐があったよ。」


「そこのお2人。私、話してもいいですか?」


「「はい。すみません!」」


「‥‥‥注意されちゃったじゃない。レグルスのせいだよ?

‥‥レグルスの馬鹿。」


「ふふっ。」


「全く‥‥。そういえば昨年マリンさんは帝国に行ったんでしたね。」


「はい。友人になっていたものでつい‥‥すみません。」


「いいえ。‥‥では今年も選択授業を選んでもらいます。昨年と同じなので今年は見学はありません。‥‥‥あ。マリンさん。皇太子殿下に学園内を案内がてら選択授業のことを説明してあげてくれますか?」


「え?私がですか?」


「ええ。ちょうどこの後は解散なので。皇太子殿下にとっては他国でマリンさんは数少ない知り合いの一人です。その方が安心できるかと。」


「う~ん。レグルス、どうする?」


「マリンが良ければ頼みたい。あと、先生。私のことは皇太子殿下ではなく、他の生徒と同じように接して頂けませんか?」


「え?では、レグルスさん?」


「はい。それでお願いします。‥‥それで、マリン。いいか?」


「うん。レグルスがいいなら私もいいよ。」


「じゃあマリンさん。お願いしますね。」


「はい。分かりました。」


「では、今日はここまで。皆さんまた明日。」


と先生が教室から出て、他のクラスメイト達も続々と席を立つ中。


「さて、リジアも一緒に行く?」


「やめとくわ。2人きりを邪魔するつもりはないし、先に生徒会に行ってマリンが遅れるって伝えておくわ。」


「あ。そっか。ごめん。じゃあ、よろしくね。」


「うん。」


そして、リジアも教室から出てしまったので。


「じゃあレグルス、行こ?」


「あ、ああ。」


「ん?どうしたの?」


「いや。何でもない。そういえば今の子はマリンの友人か?」


「うん。友達だし、母様の方のいとこだよ。」


「そうか‥‥。」


「それがどうかした?」


「いや。‥‥行こう。」


「?‥‥うん。」


そして私達は移動を開始した。


「(多分あれは気付かれたな。私の気持ちに。2人きりを邪魔するつもりはないって言ってたしな。マリンのいとこか‥‥

あの子鋭いな。‥‥マリンは鈍いみたいだが。)」


「レグルス?さっきからなにぶつぶつ呟いてるの?」


「あ、いや。何でもない。」


「本当に?」


「ああ。」


「まあいいけど、どこから行く?」


「魔法の練習場があるんだろ?そこから見たい。」


「まず出るのが、魔法の練習場ってさすが皇太子殿下ですね~。」


「む。いいだろ別に。それに聞いてきたのはマリンだぞ。」


「ふふっ。そうだね。それはそうとレグルス‥‥‥。」


「ん?何だ?」


「制服、似合うね。」


「え?‥‥あ、ありがとう。マリンも似合ってるな。」


「ふふっ。ありがとう。‥‥行こ。」


「ああ。」


廊下を歩いていた2人の後ろでは王国の王子とそのいとこがその様子を忌々しげに見ていた。


「皇太子‥‥マリンとあんな親しげに‥‥。」


それからレグルスに学園内を案内して回った。

最後にそのまま生徒会室にも行きたいとのことだったので一応先生に聞くべく職員室にも行った。

生徒会室は生徒会所属の人しか入れないので一応ね。

許可はあっさりもらえたので2人で生徒会室に向かうことにしたのだが‥‥


その途中の廊下で。


「はぁ‥‥‥。殿下、リゲル様。廊下に並んで立ってたら通行の邪魔ですよ?」


「すまない。分かっている。話は皇太子殿下にあるんだ。」


「私?」


「ああ。何故皇太子殿下がここにいる?」


「学園の制服着てるのに分かりませんか?しかも王家には伝えてあったでしょう?転校してきたんですよ。」


「そうじゃなくて、何故転校してきた?」


「友人のマリンに会いに来たのですが?」


「え?私に会いにきたの!?レグルス。転校してまで!?」


「ああ。夏休みだけ会うっていうのは私には物足りなかったからな。」


「へ?も、物足りないって‥‥。」


「マリン嬢のそんな顔、俺達は見たことないのに‥‥しかも、お互い呼び捨てだと‥‥?」


「友人ですから。おかしくないでしょう?」


「だが、皇太子だぞ?呼び捨てしていいのか?」


「ええ。構いませんよ。父である皇帝も認めてますしね。」


あの‥‥廊下で話すことかな‥‥。

人が集まってきたんだけど。会話でレグルスの身分が分かったからか、ざわついてるんだけど‥‥。


「(なあ、あのシリウス王子と話してるの帝国の皇太子らしいぞ。)」


「(ああ。しかもあのマリン嬢とお互いに呼び捨てで話してるってことは‥‥。)」


『(帝国と王国の王子がマリン嬢の取り合い!?)』


声からして男子はざわつき、女子は黄色い声で楽しんでいるようだ。


はずい‥‥。何で3人共このざわつきに気付かないの‥‥?

っていうか、レグルス。人見知りどこいったのよ!?


恥ずかしさに耐えきれずレグルスの袖をくいっと引っ張った。


「ん?マリン、どうした?」


「周り見てよ‥‥。」


「ん?‥‥え!?」


「恥ずかしいからもう行こうよ。」


「あ、ああ。そうだな。‥‥ではな。「シリウス王子」」


「くっ。」


そして、マリン達が去った後残された2人は。


「‥‥‥なあ、シリウス。」


「何だ?リゲル。」


「さっきのマリン嬢、可愛いかったな。」


「そうだな‥‥俺達には引き出せない可愛いさだったな。」


「ああ。」


『分かります!殿下、リゲル様!』


「うわっ‥‥なんだ?いきなり。」


「マリン嬢は美形揃いの辺境伯家でも一番表情豊かで隠れた人気が特に凄いのです。しかも魔法も剣術も凄いのはお2人のお陰で知れましたし、今年も学年首席。そして今年は皇太子殿下まで現れてお2人は友人とのこと。今や学園中の注目の的なのです!」


「そ、そうなのか?」


「はい。一部ではクリス嬢と同じく親衛隊を結成する動きもあるようです。」


「そうか‥‥‥。」


「我々はマリン嬢の幸せを祈るばかりですが、帝国に行かれるのはちょっと‥‥という思いもあります。ですから殿下!リゲル様!どうか頑張って下さい!」


「「お、おう。」」


と、マリンの知らないところで妙な団結が生まれていた。


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