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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第3章 帝国編
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53話 VS皇太子殿下

アクア兄様の開始の合図と同時に、レグルスが動いた。


私達が使う剣は刃を潰した訓練用なので傷付きはしないが、当たればそれなりに痛い。


そんな訓練用とはいえ剣をレグルスは一切の躊躇いもなく私に向けて振り降ろしてきた。

私の左肩から右脇腹に向かう袈裟斬りで仕掛けて来たのを、バックステップで避けながら私は剣を持ってない左手で真空弾を、剣を振り抜いたレグルスの右肩に当てる。


「ぐっ!」


それでもレグルスは剣を落とさず、空いている左手で右肩を抑えながらバックステップで下がる。

そこに今度は私が攻撃に転じようと、身体強化を掛けて一気に距離を詰め、剣を横に薙ぎ払う。すると防ぎきれずにレグルスは後ろに吹っ飛んだ。がレグルスは何とか舞台から落ちる前に踏み留まった。


「‥‥うわっ‥‥っと!」


「レグルス~?大丈夫?」


「‥‥ぐっ‥‥ああ!まだ大丈夫だ。」


「右手、動く?」


私がそう聞くと、レグルスは確認するように右手を握ったり広げたりして確認して


「‥‥ああ。まだ動く‥‥‥続きといこうか!マリン。」


「うん!」


その後、2人共剣と魔法を駆使して戦いを続けたが、


「ちょっとレグルス!?‥‥風魔法だけじゃなくて、火魔法も使えるなら遠慮しなくていいってば!」


「いや‥‥っ、しかし!」


「レグルス~?‥‥気を使う余裕‥‥あるんだっ?じゃあ

‥‥遠慮してる間に、終わらせてあげるよ!」


「え!?」


「ちょっと痛いよ!【岩弾(ロックバレット)】。」


「‥‥ぐぁ!」


「‥‥‥ふぅ。‥‥‥あ。吹っ飛ばしちゃった。」


「‥‥‥‥」


「‥‥えっと、レグルス?」


「‥‥‥‥」


あれ?反応がない。気を失ってたりする‥‥‥?


そして、近付いてみると、


「やばっ。やっぱり気を失ってる。」


とりあえず、外傷はなさそうだけど‥‥‥。

ちょっと揺すってみる?‥‥‥あ。起きそう?


「‥‥‥お~い。レグルス?」


「‥‥‥っ!‥‥マリン?」


「はぁ~。良かった、気がついた~。」


「‥‥‥気を失ったか‥‥。」


「マリン。皇太子殿下。大丈夫か?」


「はい。アクア兄様。」


「アクア様。私の負けです。」


「その様ですね。‥‥‥勝者、マリン!」


『おぉ~!』


見守っていた皇族一家と王国の人達全員の声が被った。


「レグルス、どこか痛いところある?」


「‥‥‥ぐっ!‥‥あぁ~。最後のが効いてるみたいだ。」


「あぁ~。やっぱりか‥‥。ごめん。最後のだけちょっと籠める魔力量多かった。」


「そうなのか?」


「うん。今治すね。【ハイヒール】。あと、念の為。【体力回復(リカバリー)】。これで大丈夫だと思うけど‥‥。レグルス、どう?立てる?」


「‥‥‥お?‥‥立てる。‥‥うん。大丈夫みたいだ。」


「良かったぁ~。また痛くなるようなら言ってね。」


「ああ。分かった。治してくれてありがとな。」


「ううん。私が加減を間違えて吹っ飛ばしちゃったからね。」


「ああ。あれは凄い衝撃だったな。なかなか味わえない程だった。父上とやってる時では出してくれない威力だ。」


「じゃあ陛下はあれぐらいの威力出せるの?」


「ああ。元帥と父上の対決を見たことがあってな。その時に父上が出した魔法の威力は凄かったからな。」


「へ~。じゃあ陛下と戦う時は本気出さないとかな。」


「‥‥やっぱり私の時は本気じゃなかったか。」


「う、うん。ごめん。‥‥とりあえず、みんなの所に戻ろ?兄様もいつの間にか戻ってるし。」


「ん?あ。‥‥そうだな。」


そして二人でみんなが待つ場所まで戻る。


「レグルス。果実水あるけど、飲む?」


「え?‥‥じゃあ貰えるか?」


「じゃあちょっと待ってて。」


ストレージから果実水の入ったポットとコップを2つ出して果実水を注ぎ、1つをレグルスに渡した。


「はい。どうぞ。ストレージに入れてたからまだ冷たい筈だよ。」


「‥‥んっ!本当だ。」


「お!マリン。俺にもくれるか?」


「はい。いいですよ。‥‥‥どうぞ。陛下。」


「‥‥んっ!冷たいな!」


その様子を見ていた他の人達全員も飲みたいということで、配って回った。


「いや~。やっぱりマリンは便利だな。」


「ですから陛下。私の「魔法」は便利って言って下さい。」


「いいじゃないか。細かいこと気にすんな。」


「細かくないです。魔法と言う言葉がないだけで意味合いが全然違います!」


「あの‥‥父上。あまりマリンをからかうのは‥‥。」


「ん?そうだな。マリン、模擬戦後なのにありがとな。」


「む。‥‥‥‥どういたしまして。」


「次は俺だな。‥‥‥まだ戦えるか?」


「‥‥‥‥‥‥はい。」


「そうむくれるな。‥‥‥からかって悪かった!」


私がちょっと陛下を睨むと謝ってくれたのでとりあえずむくれるのをやめた。


「はぁ‥‥。とりあえず、陛下。ちょうどお昼時ですし、ここでお昼食べますか?一応料理長から預かってますが。」


「そうなのか?俺はいいが‥‥‥みんなは?」


「俺達は構いませんよ。」


「「私も。」」


「私達も。」


うちを代表して父様。リリ様とマリア様。皇后様がそれぞれ答えてくれた。‥‥‥つまり全員文句なしみたい。


「満場一致みたいですし、出しますね。」


私が許可を得て城から拝借したテーブルと椅子を出していて、みんなはその椅子に座って私とレグルスの模擬戦を観戦していた。

なのでそのテーブルにお昼ご飯を広げていくことにした。


そう「ご飯」だ。

でも、父様達はパンとかの方がいいそうなのでそっちを先に出す。

まあ私と陛下は食後に模擬戦をするのですぐに食べ終わるように簡単なものから食べようと思ってあるものを作ってきたのだ。


「陛下。私と陛下は少し食べたら模擬戦して、終わったらちゃんと食べるとかにしますか?」


「お!それで頼む。」


「分かりました。‥‥‥ふっふっふっ。陛下、私が醤油や味噌で試したかったのを今朝、料理長に頼んで作ってみたんですよ。」


「お!なんだ?」


「「焼きおにぎり」です。」


『焼きおにぎり?』


あら~?父様達も興味ありますかぁ~?

ではお見せしますかね。見てもらった方が早いから。


ストレージから醤油味と味噌味の焼きおにぎりを出して


「これです。ご飯を成形してそれぞれ醤油と味噌を少しつけて網の上で焼いただけのものですが。‥‥‥どうぞ。良ければ食べてみてください。」


「良く思いつくよな。マリンは。‥‥‥‥美味いな。」


「ええ。素朴な味でなかなか‥‥。これなら持ち運びもしやすそうですね。」


「ああ。レグルス。これ、軍の差し入れとかにも良さそうだぞ。」


「そうですね。」


何か皇帝親子が違う目線で話してる‥‥。

まあおにぎり自体はお弁当にはいいよね。

‥‥ただ、今夏だから気をつけないと駄目になるの早いよ?

私はストレージがあるからいいけどね。


「確かにおにぎり自体は差し入れ向きかもしれませんね。お行儀悪いですが、手掴みで食べれますし味も変えたら飽きないでしょうから。」


「ああ。そうだな。」


「‥‥‥ところで、レグルス。平気?」


「ん?何が?」


「いや、さっきの模擬戦の最後、岩弾を加減間違えた上にお腹に当たったから衝撃残ってたりしてないかなって。」


「ああ。‥‥大丈夫だぞ?」


「それなら良かった‥‥。で、レグルス。模擬戦、私が勝ったから婚約者にはなれないよ。」


「ああ。分かってる。‥‥‥ん?「には」?」


「うん。婚約者にはなれないけど、友達ならどうかなって。」


「‥‥‥いいのか?」


「私は友達になりたいけど駄目?婚約者じゃないとやだ?」


「いや。‥‥まずは友達からっていうのもいいか。‥‥‥私と友達になってくれるのか?」


何か途中呟きに変わって聞き取れなかったな‥‥。

ま、いっか。


「うん。私で良ければ。」


「ああ。ありがとう!‥‥‥実は気付いていただろうが、人見知りで友人がいないんだ。‥‥学園でもな。だからマリンが初めての友人だ。」


何か悲しい!

分かるよ!私も前世人見知りで自分から話し掛けて友達できたことないから!前世の私の友達、全員向こうから話し掛けてくれたの!


「え!?人見知りって、じゃあ‥‥昨日の親善パーティー、相当勇気いったんじゃ‥‥。」


「ああ。緊張でさっきのマリンの一撃より内臓にきた‥。」


「えっと‥‥勇気出してくれてありがとうでいいのかな?」


「ああ。‥‥‥折角友人になれたんだ。マリンが帝国にいるあと3日、色々話してみたいんだがいいか?」


「うん。いいよ。」


「‥‥マリン。そろそろいいか?俺は一応皇帝だからこの後仕事があるんだ。」


「一応って‥‥‥陛下。一応をつけなかったらそれなりに格好良かったのに。‥‥‥構いませんが。」


会話をしながら食べて、まったりしていた私でした。

そして陛下と私は立ち上がって舞台に向かって歩き出した。


「じゃあ行くか。‥‥‥て、「それなりに」ってひでぇな。だんだん態度がラルクみたいになってるよな。マリン。」


「そうですか?陛下と話してると優しいのが分かってきたのでこれぐらいの軽口ならいいかなと思いまして。」


「‥‥‥‥そうか。」


「あれ?‥‥照れてます?」


「照れてない!」


「照れてるじゃないですか~!‥‥‥さて、陛下を弄るのはここまでにして模擬戦に集中しないとですね。」


「皇帝を弄るなよ‥‥‥マリンは本気出しても良さそうだし楽しみだ。‥‥‥あ。誰か開始の合図と審判頼めるか?」


「それなら、私がやりますよ。」


私は聞き覚えのない声に、陛下はまさか‥‥といった感じに2人で振り返ると、陛下そっくりの格好いい人がいた。


「げ!ベリト!いつの間に帰ってきた!」


「げっとは何ですか。さっき着いたところですよ。それで?審判、いらないんですか?」


「いや。‥‥‥じゃあ頼む。」


「はいはい。分かりましたよ。‥‥ほら、行きますよ陛下。

‥‥‥マリン嬢でしたか?自己紹介は後でしましょう。」


「え?‥‥は、はい。」


誰?‥‥って陛下の弟さんだろうな。そっくりだし。

まあ後で自己紹介してくれるらしいし、模擬戦に集中しますか!


なかなか皇帝との模擬戦に行かず、すみません。

お気付きの方もいるでしょうが、戦闘描写が苦手です。

無双させたいけど描写が‥‥と苦悩しながら書いてます‥‥。

次はようやく皇帝との模擬戦です。

戦闘描写に期待しないでください‥‥。

‥‥‥一番いいところの筈なんですけどね‥‥。

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