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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第3章 帝国編
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48話 念願の!

皇帝とマリンが去っていった後。


「父様。いいのですか?」


「いいって?料理自体は昨日許可を出してるからいいんじゃないか?」


「そうじゃなくて。マリンが料理してる所、見たくないですか?」


『!』


「‥‥‥興味はあるな。」


「ですよね。ヒスイ兄様。あのマリンが魔法科や武術科を選択せずに家庭科ですよ?前から料理してる所、見たいなって思ってたんですよ。‥‥‥覗きに行きませんか?」


「‥‥‥行くか。フレイ、アクア。どうする?」


「「‥‥行きます!」」


「‥‥‥はぁ。お前達‥‥野次馬は邪魔だぞ?」


「邪魔なんてしませんよ!‥‥‥父様はどうしますか?」


「‥‥‥正直興味がないことはない。」


「「「「じゃあ行きましょう!」」」」


「あ、ああ‥‥。」


そして家族全員がマリン達を追い掛け始めたので、追随するようにリリ、マリアも続いた。


◇◇◇◇◇


一方皇帝とマリンは、調理室に到着していた。


「料理長!」


「あ!陛下、マリン様。お待ちしておりました!」


「え?今は昼食の準備中ではなかったんですか?」


「ええ。準備を始めるところですが、その前にマリン様に伺いたいことがありまして。」


「はい。何でしょう?」


「昨日仰っていた味噌を使ったもの以外も何か作れる料理はございますか?」


「はい。‥‥ありますね。」


「では、とりあえず2・3人分を作ってみて頂けますか?」


「よろしいんですか?」


「はい。我々の勉強にもなりそうですしね。是非お願いします。」


「分かりました。やってみますね。昨日と同じように食材を見せて頂けますか?」


そして厨房の方々が食材を一通り出してくれている間に私も準備を始める。

ストレージから出したエプロンを着けて手を洗ったあと、早速始める。


えっと、まずはやっぱり私が食べたいからだけど、カボチャでしょ。砂糖と醤油はあるから問題ないな。

肝心の味噌汁は‥‥本来は鰹節とかで出汁をとるのが一番だけど‥‥ないな。まあ前世でちゃんと出汁をとって味噌汁作ったのも学校の調理実習だけだったからな‥‥。

母さんも素材の味を生かすってことで出汁をとったりしてなかったし。だからこそ具沢山味噌汁だったけど。

‥‥再現できるかな?一応同じ白味噌だしな‥‥。出した食材好きに使っていいなんて太っ腹なことを、さっき食材出しながら言ってくれてたし、お言葉に甘えてやってみよ。


と、前世の母の作った味噌汁を思い出しながら食材をとっていき、さあ食材を切ろう!‥‥として現実を思い出した。

作業台が高くてそのままだと大いにやりづらいのだ。


「くっ。ここでこの身長が仇になるとは‥‥。」


「いや、マリン。多分同い年の中だと背は高い方じゃないのか?」


どうなんだろ?同い年の中だと背は高い方なのかな?

11歳の今、恐らく150cmぐらいはある。

だが、今は平均など知らん。


「分かりませんが‥‥ただ、今がやりづらいのが問題なのです。」


「まあ確かにな。」


「‥‥‥あ。そうだ!料理長、ちょっと離れてもらえますか?」


「え?はい。」


「ありがとうございます。‥‥‥‥では【シールド】。」


シールドで床に透明の踏み台を作っただけ。


「よし。これでできる!あ。料理長。この辺り少し高くしてるので気をつけてくださいね。」


「え?は、はい。」


さて、まずはカボチャから切るかな‥‥‥って包丁!


「あの、料理長。包丁は何処にありますか?‥‥あと調理器具は何処にあるか教えてもらえますか?」


「あ。そうですよね。包丁は私のをお使い下さい。他の調理器具はまとめて置いてますので好きに使って下さい。」


「え!?料理長の包丁って‥‥料理人の命を借りるなんてできません!」


「包丁が料理人の命と知って頂いてる方なら尚更信じてお貸しできます。‥‥どうぞ。お使い下さい。」


「‥‥‥分かりました。ありがとうございます。お借りします。」


さて、改めて。始めますか!


まず、カボチャを大体縦横2cm角ぐらいに切っていく。

勿論カボチャ自体が固いのでなかなか切れなかった。しょうがないので僅かに身体強化を掛けてやったが。

今回は2・3人分なので小鍋に切ったカボチャを入れて、カボチャが浸かるぐらいに水を入れて火に掛ける。

沸騰するまでの間に味噌汁の準備だ。

とりあえず、今回の具材は玉葱、人参、エリンギ、椎茸、ネギ、まあ全部この世界では違う名前だが、それぞれの名前が「ぽい」のだ。椎茸やエリンギっぽい物があったのは驚いた。


ガチャ。


「お。ラルク達もマリンの様子見に来たのか?」


「ええ。屋敷では一切料理していないはずなので、許可をしたとはいえ気になりまして‥‥。」


「なるほどな。」


ただ‥‥豆腐がない‥‥見当たらなかったんだ。油揚げも当然のようになかった。

醤油があるってことは大豆はあるはず‥‥にがりか?にがりがないのか?だから豆腐を作れないのか?‥‥豆腐もあって欲しかったなぁ‥‥。


とか考えつつ食材を次々に切っていく。

箸はやっぱりないみたいなのでスプーンで掬いやすい大きさだ。

途中でカボチャの方の味付けで砂糖と醤油を入れる。

味を確かめたら火を弱めてじっくり味を染み込ませながら煮込む。これでカボチャはしばらくほっといて大丈夫なので、味噌汁に戻る。

切った食材のネギ以外と水を別の小鍋に入れて煮る。


「あの集中力すげぇな。多分ラルク達が来たの気付いてねぇぞ。」


「そのようですね。邪魔してもいけませんし、このままでいいでしょう。」


「そうだな。」


う~ん。これだけで良かったっけ?母さんの味噌汁は味噌の味に頼る形の味噌汁だったからいいはずだけど‥‥。うん。自分の記憶を信じよう!


そして食材が煮えたところで火を止め、味噌を溶く。

とりあえず一人分を先に器に注いで、細かく切ったネギを上にのせて完成だ。

カボチャの方も煮えたのを確認して盛り付ける。

ご飯も少しもらって、軽食?の完成だ。


「陛下、料理長。できました!‥‥って、あの皆さんまさかずっと見てたのですか?確か昼食作り始めるところだったはずではなかったですか?」


「そうだったのですが、どうしても気になりまして。それに皆様こちらにいらしたので、遅くなっても許して頂けるかなと思いまして。」


「え?皆様?‥‥‥え!?父様!?皆さんも‥‥いつの間に?」


「やっぱり気付いてなかったか‥‥。食材を切ってる辺りだよ。」


「わりと序盤じゃないですか。教えてくだされば良かったのに。」


「いや。集中してるみたいだったから邪魔するのもなって思ってな。」


「そうでしたか。‥‥陛下、料理長。食べてみますか?」


「「勿論!」」


「はい。じゃあ今注ぎますね。‥‥‥‥どうぞ。」


さて、私も食べてみよ。

‥‥‥‥あぁ~‥‥。味噌汁の味だぁ。母さんのより具材が少ないけど‥‥‥久しぶりだから今日はいいや。

カボチャは‥‥‥あぁ~こっちも久しぶりだぁ~。成功してるみたいで良かったぁ。これとご飯の組み合わせヤバぁ~。


「‥‥‥マリン、でかした!味噌汁‥‥だったか?とカボチョの煮たやつも美味い!」


「ええ。このカボチョの外側が食べれるのにも驚きましたが、醤油との組み合わせがいい感じです。」


「はぁ~‥‥。そう言って頂けて良かったです。‥‥父様も食べてみます?」


「ん?いいのか?」


「はい。私の食べ掛けで良ければですが。」


「じゃあ一口貰えるか?」


「あ。私も食べたい!」


「「「俺も。」」」


「はい。分かりました。‥‥‥どうぞ。」


「「「「「ありがとう。」」」」」


「なあ、マリン。俺達も同じことしていいか?」


「え?えっと‥‥私が作ったので皆さんがよければ構いませんが‥‥。」


「そうか!カレン、フローラ、レグルス。許可が出たぞ。」


「「「やった!」」」


え?あれ‥‥3人分ぐらいしか作ってないからそんなにないよ?うちのだけでも満足に味分かるのかな?ってぐらいにしか行き渡らないのに、大試食会みたいになってる‥‥。

皇族の皆さんも今「やった!」って‥‥。落ち着き皆無じゃん。というか、客人とはいえ他国の人間が作ったのをあっさり食べてるけど良かったのかな?毒味役とかいたんじゃないのかな?


とか考えてる間に私が作った味噌汁とカボチャの煮付けはなくなってしまった。


「えっと‥‥皆さんどうでしたか?」


『美味しかった!』


「え?本当ですか?味噌汁とか本当はもう少し具材入れたりしたかったぐらいなのですが。」


「それでも美味かったぞ。ちなみに何入れたかったんだ?」


「えっと、まずはカボチョですね。カボチョを同じように薄めに切って入れればちゃんと煮えますし、味噌汁にも合うんじゃないかと。」


いや。合うんだ。何回も食べてるから知ってる。前世でだけど。

でも知ってたらおかしいから「多分」要素を出さないといけない。


「確かにそうすれば火が通りますし、味も少し変わるでしょうから、面白そうですね。」


「ああ!」


「あの、マリン。今度は昼食としてちゃんと食べたいんだけど、頼んでいいかしら?」


「え?私がフローラ様の分をですか?」


「ええ。まだ昼食を作る前だったみたいだし、ちょうどいいかなって思ったんだけど‥‥駄目かな?」


「あ。それなら私も食べたいですわ。」


「私もです。お願いできませんか?マリン様。」


「俺も食べたい。マリン、もう一回作ってくれないか?」


「え!?皇族全員ですか!?‥‥‥どうしましょう?料理長、父様。」


「私は構いませんよ。もう一度行程を見れますしね。」


「別に食べたいって言ってくれてるんだ。作ればいいんじゃないか?‥‥できれば俺も食べたいのだが。」


「あ、私も!」


「「「俺も!」」」


「「私も!」」


「結局全員じゃないですか‥‥‥。料理長。食材まだあります?」


「ええ。まだありますし、今度はお手伝いしますよ。」


「助かります!あ。ちなみに私、レシピ書いてお渡しするつもりなので今すぐ覚えなくても大丈夫ですよ?」


「え?レシピ書いてくださるのですか!?‥‥頂いてよろしいのですか?」


「はい。私が書いたので良ければですが。」


「では是非お願い致します!」


「分かりました。あとで纏めてお渡ししますね。」


「ありがとうございます!」


「ではとりあえず、頑張って昼食作りましょうか。」


「はい!」


そして料理長と共にまた味噌汁とカボチャの煮付けを作った。正直これだけで足りるのか?と思ったので聞いてみると、全員が「それだけでいい!」と言ったので2品だけ作った。


意外だったのはご飯に対して「嫌いな訳じゃないけど‥‥。」と微妙な反応だった王国側の人達にも好評だったことだ。


ご飯に合うからねぇ。2品共。

だから好きなんだよね~。私的にも久しぶりに食べれたので満足な昼食だった。


すみません。お味噌汁の作り方の文句はあると思いますが気にしないで頂けると助かります。

カボチャの煮付けは自分で試した時の作り方です。

もう一度。料理関係は作り方を気にしないで下さい!

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