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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第3章 帝国編
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44話 竜、そして皇帝

さて、帝国領内の街手前。竜が現れました。

私はやっと竜見た~!とばかりに先行してます。


私は一人で先行し、竜の目の前に着きました。真っ黒で翼の生えたまさしく黒竜さんです。


そして黒竜さんを見た私の感想です。


「か!‥‥格好いい~!!ヤバい!おっきいよ!竜だよ!やっと会えたよ!四神の青龍にも会えるはずだけど、先に他の竜に会えちゃったよ!」


周りに誰もいないのを良いことに言葉使いが乱れてます。


「あ。倒さないとか。‥‥あれ?私が目の前に来ても攻撃してこない?‥‥様子見?竜が?‥‥変じゃね?」


と独り言を言ってると‥‥


「っと!‥‥あぶな!いきなりか。」


黒竜さん、動く気になったみたい。

体を回転させて尻尾で私を振っ飛ばそうとしてきた。

勿論、避けたけど。


「あれ‥‥この感じは‥‥‥」


黒竜さん口を天に向けて中に魔力を溜めて‥‥ときたらやっぱり‥‥。


「‥‥っ!【シールド】!やっぱりブレスか!」


‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥長くね?


「よく吐き続けられるなぁ‥‥。ん?あ。そろそろ終わるかな?‥‥あぁ~早く終わらせないと、父様達近付いてきてるな。‥‥‥攻撃してみるか。」


う~ん。やっぱり首ちょんぱしたらいいのかな?

よし。やってみよ!


「【風刃(ウィンドカッター)】‥‥‥え!?あれ?」


ちょっと濃いめに魔力を込めて放ったら一発でスパッと‥‥スパッと黒竜さんの首が落ちてしまった‥‥。


終わっちゃった‥‥黒竜さん早くもお亡くなりに‥‥。

折角竜に会えたのに‥‥。


と内心何とも言えない気分でいると、黒竜が倒れているからか、確認しに来たであろう父様達が近付いてきた。


「マリン!」


「父様!」


「無事か?」


「はい!」


「まさか一人で倒すとはな‥‥。ん?マリン。まさか攻撃したの一回だけか?」


「え?はい。ウィンドカッターの一発で終わってしまいました。」


「‥‥‥‥‥そうか。」


「父様。この‥‥黒竜ですよね?どうします?放置はまずいですよね?」


「ああ。皇帝と相談するからとりあえずストレージに入れといてくれるか?」


「はい。分かりました。」


黒竜をストレージに回収したところで、


「マリン!‥‥無事!?」


「はい。姉様、無事ですよ。怪我もないです。」


「良かったぁ‥‥。」


すると、それを聞いた他の兄弟達もみんな安心したようだ。


「それで、父様。今日はあの街で泊まるんですよね?」


「ああ。‥‥あ~早く行かないと日が暮れるな。みんな行くぞ。」


『はい。』


そして街に向かい、中に入ると門の前に兵士が並んでいた。


「黒竜から必ず街を守るぞ!」


『おお~!!』


「‥‥‥父様。」


「‥‥ああ。教えてあげるか‥‥ちょっといいだろうか?」


「ん?‥‥何でしょうか?これから黒竜退治にいかねばなりませんので手短にお願いします。」


「その黒竜だが、既にいないぞ?」


『なに!?』


「この門を出たらいるかどうか見えるだろ?疑うなら見てきたらどうだ?」


一人の兵士が猛ダッシュで見に行き、すぐに戻ってきた。


はや!確かにすぐそこだけど、それでも速いな。


「隊長!‥‥この御仁の仰った通り、黒竜がいなくなってます!」


「なに!?‥‥‥先程の失礼な態度、申し訳ございません。もしや、あなたが黒竜を?」


「いや。俺じゃない。」


「では、どなたが?」


「悪いが、それは皇帝陛下と話す。」


「皇帝陛下!?‥‥失礼ですが、お名前を伺っても?」


「ああ。セレスティン王国のラルク・フォン・クローバー・ウェスティア辺境伯だ。」


「っ!王国の‥‥。畏まりました。では黒竜は辺境伯様のお連れの方が退治したと事前に皇帝陛下にお伝えしてもよろしいでしょうか?」


「ああ。頼む。」


「畏まりました。‥‥足止めしてしまい申し訳ありません。どうぞ我らの街をお楽しみください。」


「ああ。そうさせてもらう。‥‥‥みんな行くぞ。」


『はい。』


そして、街の散策をしたりして2日程滞在し、私達は再び馬車で帝都を目指した。


それから更に2日後。

ようやく帝都が見えてきて、その日の内に帝都に入ることができた。

私達は寄り道せず真っ直ぐ城へ向かったのだが、私は帝都に入ってからの道中ずっと馬車の窓に張り付いて外を見ていた。恐らく目が輝いていただろう。


そして、城の入り口で父様が招待状と王国の住民カードっぽいもの(私はまだ持ってないので分からない。)をみせると、あっさり中に入れた。


そして、2人ずつ4部屋が用意されておりそれぞれ正装に着替えた。

招待された親善パーティーは明日なので、今日は皇帝陛下に挨拶する。数日お世話になるしね。


そして、全員が謁見の間の扉の前に集合したところで、兵士さんが2人がかりで両開きの扉を開けてくれた。


そして、父様を先頭にリリ様とマリア様。次にヒスイ兄様とフレイ兄様。姉様とアクア兄様。最後に私で綺麗に2列に並んで、玉座に向かって歩いた。


玉座には王国の陛下と同じぐらいの歳の真っ赤な髪と目をした男性が座っていた。


「お久しぶりにございます。皇帝陛下。ラルク・フォン・クローバー・ウェスティア辺境伯にございます。」


「ああ。久しぶりだな、ラルク。リリアーナとマリアも久しぶりだ。‥‥ん?ラルク。今回は子供達を全員連れて来たのか?」


「はい。全員で来たがりましたので。」


「そうか!」


う~ん。確かにいい人っぽいな。みんな何であんな微妙な反応だったんだろ?


「それで、末っ子の‥‥マリンだったか?どこだ?」


あ。呼ばれたな。出て行かないとだよね。

うん。兄様達、こっち振り返らなくてもちゃんといくよ?


そして、父様の横まで移動してカーテシーをして挨拶した。


「お初にお目に掛けます。皇帝陛下。私は隣におります

ラルク・フォン・クローバー・ウェスティアの次女、マリン・フォン・クローバーと申します。」


「ああ。俺はこのルベライト帝国皇帝のベアル・アスタ・ルベライトだ。よろしくな。早速だが呼び捨てでいいか?」


「はい。勿論です。皇帝陛下。」


「じゃあ、マリン。マリンは剣か魔法、どっちか鍛えてるか?」


「え?両方訓練を欠かしておりませんが‥‥?」


「お!両方か!じゃあ、俺と模擬戦してくれ!」


「は!?陛下自らですか!?」


「ああ。どうだ?今からやらないか?」


「今から!?えっと‥‥父様、どうしましょう?」


「マリン。遠慮することはない。叩きのめしてやれ。」


「おいおいラルク、皇帝に向かって叩きのめすって普通は失礼な発言だぞ。」


「そうはいいますが、陛下。一度も咎めず、尚且つ模擬戦も受けるまで誘い続けるではないですか。しかも無敗です。一度くらい陛下が負けるのを見たいんですよ。」


「え?父様も模擬戦を?」


「ああ。やった。最初はマリン位の頃に。」


「「最初は」?複数回やってるんですか?」


「ああ。今回、同行した中で模擬戦してないのはマリンだけだ。あとはヒスイ達が相手し終わったら次は俺にくる。」


「‥‥‥‥ということは父様、最低でも5回は陛下と戦ってるんですか?」


「ああ‥‥‥。」


「えっと‥‥私もやるべきですか?」


「ああ。やるまで鬱陶しいぐらい誘われるぞ。」


「そうですか‥‥‥。分かりました。」


「お!模擬戦してくれるのか?マリン。」


「はい。陛下。私で良ければお相手させて頂きます。」


「よっしゃ!‥‥‥あ。そういえばここにくる前の街で黒竜倒したの誰だ?」


今、よっしゃ!って言ったよ陛下‥‥

めっちゃ面白い人だな。

‥‥‥‥父様達、全員で私を見ないで。視線で訴えないで。事実だけど‥‥ほらぁ陛下も他の人達も驚いてるじゃん。

‥‥正直に名乗り出ますか。


私は自ら手を上げた。


「えっと‥‥私です。」


「マリンなのか!?ラルク、マリンはそんなに強いのか?」


「はい。黒竜を一撃で屠りました。」


「へぇ‥‥それは楽しみだな。」


何かニヤリとしてますよ‥‥陛下が‥‥。


こうして帝国の城に着いて僅か2時間経たない程の時間で私と皇帝陛下の模擬戦が決まった。


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