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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第3章 帝国編
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43話 帝国への旅

兄弟対決終了後。

私が「一度気を失ってるので、まだ横になってて」的なことを言うと大人しく水ベッドに横になった。


「‥‥それにしても相変わらず冷たくて気持ちいいわね。」


「そうなんですが、寝ると魔力供給が途絶えて水ベッド消えちゃうから私は寝れないんですよね‥‥。」


「確かにこれで寝たら快適だろうな。」


「‥‥ねぇねぇ、マリンちゃん。」


「はい?」


「まだその水ベッド出せる?」


「はい。出せますよ。リリ様‥‥とマリア様も?」


2人にそれぞれ目線を移すとキラキラした目で頷いた。


「分かりました。【水球(ウォーターボール)】‥‥‥リリ様、マリア様。どうぞ。」


「「ありがとう!」」


「‥‥‥ふぁ。気持ちいい~。」


「‥‥‥ふわぁ。確かに冷たくて気持ちいい~。」


う~ん。

これは6人全員なかなか起きないのではないだろうか‥‥。

まあ、いっか。たまには。


「あ。兄様達は飲み物いりますか?」


『いる!』


「はーい。ちょっと待っててください。」


ストレージから冷やしてあるポットを出し、さっき使ったコップに注いでいく。

ちなみに個人が分かりやすいように印を付けているので間違えることはない。

そして、4人分注ぎ終わり声を掛ける。


「兄様達、動けますか?」


「ああ。動ける。大分休ませてもらったからな。」


「うん。もう水ベッドもいいよ。ありがとう。」


「いいえ。ヒスイ兄様とアクア兄様も大丈夫ですか?」


「ああ。大丈夫。」


「俺も。水ベッドありがとな。」


「はい。果実水も冷たいですよ。」


『‥‥‥ふぅ。』


「マリンちゃん。」


「はい?」


呼ばれたので振り返ると、リリ様達も水ベッドから降りていた。


「しばらく私達、お世話になるじゃない?‥‥本当は言っていいのか分からないけど‥‥。」


「? なんですか?」


「私も魔法の練習に参加させて欲しいの。」


「え?今日参加してますが?」


「そうだけど、そうじゃなくて!」


「リリは私達と同じ様に魔法を使えるように頑張りたいから教えてって言いたいんじゃない?」


「そう!そうなのよ!流石、クリス!」


「いや。私、リリの通訳じゃないわよ。」


「むぅ。いいじゃない‥‥で、どうかな?マリンちゃん。」


「え?私は構いませんが‥‥‥‥。いいみたいです。一緒に頑張りましょう?リリ様。」


兄3人を念のため見たら笑顔で頷いてくれていた。


「うん!よろしくね。マリンちゃん!」


「あの、私もいい?」


「勿論ですよ。マリア様。」


「良かったぁ。私もよろしくね。」


「はい!」


そしてその日は屋敷に戻った。

兄様達がまだやりたがったが「やりたければどうぞ。私は帰ります。迎えに来るのは夜でいいですか?」と言ったら諦めてくれた。


そして私の部屋で再び兄弟会議です。

進行は勿論、一番上のヒスイ兄様です。

本日の議題は「マリンが全属性使えると2人に話していいのか?」である。


「それで、アクア。率直にどうだ?」


「俺はリリアーナ様達は生徒会で毎日会ってますが、面倒見のいい先輩ですし、マリンのことを気に入ってるみたいですし、言っても大丈夫だと思いますよ。命の恩人のマリンに迷惑掛けたくないとも言ってましたし。」


「ん?命の恩人?‥‥‥ああ。昨日サラッと言ってた話か。

‥‥なるほどな。マリンは?」


「えっと、基本的にアクア兄様と同じです。あとは、個人的にお2人を信じたいと思ってます。」


「そうだな。俺は接点がなかったからな‥‥今日だけの感想になるが、信じていいんじゃないかと思う。フレイは?」


「俺も兄様と同じですね。クリス、アクア、マリンが信じたいっていうなら信じていいと思います。」


「じゃあ2人にも伝えるってことでいいな?」


『はい!』


「じゃあ俺がこのことを父様達にも伝えとくな。‥‥じゃあ解散!」


あっさり会議終了です。


そして翌日、昨日と同じように兄弟対決する前にリリ様達に伝え、見せてなかった火魔法と闇魔法を披露しました。2人は驚いてました。仕方ないけども。

ちなみに闇魔法は鎖の拘束魔法を披露した。他は怖くて試してないからね。


今日の兄弟対決も私、勝ちました。昨日と同じ状態になった兄様達をしょうがないな。とまた水ベッドへ。

私、結構兄弟に甘くないか?‥‥まあいいや。


流石にその次の日は父様から駄目だと言われた。翌日から帝国に向かうから休んでおけと。



そして翌朝。

これから帝国に向かう訳だが、流石に領主館を空にするわけには行かないので、母様2人が残ることになった。

なので、メンバーとしては父様と兄弟5人全員とリリ様、マリア様だ。ちょうど男女4人ずつなので馬車はそのまま2台に分かれて乗った。


そして母様2人に見送られ、領主館を出発し城壁の門をくぐり街道に出た。


「そういえば、マリンは外国初めてよね?」


「はい!今まで王国から出ることはありませんでしたから。そういう意味ではちょっと楽しみです。」


「そう。帝都に着いても楽しめることを祈るわ。」


「?」


「大丈夫よ。多分楽しめるわ。多分。」


「リリ様‥‥何故2回仰ったんですか?」


「特に深い意味は無いわよ?」


「じゃあどうして私の目を見て言って下さらないのですか?

‥‥‥ちなみにお3方の帝国での感想は?」


「‥‥‥えっと‥‥疲れた?」


「‥‥‥私も‥‥かな?」


「‥‥‥私も疲れた‥‥かな?」


「‥‥何でそんなに判断に困ること仰るんですか?」


「そうとしか言えないのよ。」


「はぁ‥‥。」


と女性陣だけという空間で話しつつも馬車は進み、2日後。

国境を越えて帝国領に入った。

途中の街で休息を取り、更に馬車は進む。



帝国というと何となく王国と敵対しているイメージだが、この世界では友好国だ。というか敵国はない。

なので平和そのものの世界だ。


‥‥‥神の御使い‥‥何で?いる?と正直思う。


まあそれでも最初から友好国だった訳じゃなく、共通の敵がいたからここで戦ってる場合じゃないと、両国の初代様達が共闘を始めたのが今の友好関係の始まりだそうだ。

そして、共通の敵は魔族。だが向こうも2国纏めて相手は出来ないと、戦争の途中で降伏し停戦した。

この3国の王が集まり、不戦協定が結ばれたのも理由の一つらしい。


と、歴史をざっと思い出していると街が見えてきた。


そして、私以外の人達は見たくないであろう存在も見えてきた。


「ねぇ‥‥マリン。何か目を疑いたくなるのがいるんだけど‥‥。気付いてたわよね?何で教えてくれないのよ!?」


「え?何か強そうな気配がいるな~。ぐらいで単体だったのでいっか。と思いましたので。」


「いっか。で収まる相手じゃないでしょ!?」


「そうですか?私は戦ってみたいですが。」


「‥‥‥はぁ。ねぇリリ、マリア。私の反応は合ってるわよね?」


「「‥‥うん。」」


「とりあえず、馬車止まりますね。父様達も気付いて止まりましたし。」


そして、馬車から降りると父様達が来た。


「マリン。大分前から気付いてただろ?何故教えなかった?」


「え?私、竜種(・・)初めてみるので強い気配がいるな~。ぐらいにしか分からなかったんで。」


「その強い気配を感じた時点で教えてくれ‥‥。」


「それはすみません。‥‥あの。それはそうとあの竜、街に向かってるみたいですがどうしますか?」


「何!?」


「私、竜と戦ってみたいんですが行ってきていいですか?」


『は!?』


「え?駄目ですか?」


「いやいや!一人で行くつもりか!?」


「え?はい。‥‥急がないと大分街に近付いてきてますよ?」


「‥‥‥はぁ。分かった。先行してくれ。但し無理はするなよ!」


「はい!‥‥やったぁ!じゃあ先に行ってますね!」


私は、身体強化と風魔法を纏って飛び出した。


それを見た同行者一同は意図せず共通のことを考えていたという。


『マリンは「あの」皇帝と気が合うかもしれない。』


何か急ぎ足な感じになりましたが、帝国内にようやく入りました。

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