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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第3章 帝国編
42/289

42話 兄弟対決

兄弟達の話し合いが終わり、その日はさすがに休もうということになりリリ様、マリア様の歓迎を兼ねた夕食を食べてお開きになった。


そして、翌日。

兄弟全員朝食を食べ終わったあと、普段から剣術も訓練する3人の兄様達と私は剣術の訓練に。姉様とリリ様達魔法だけの人達は私達の訓練を眺めていた。


「は~マリンちゃん本当に剣術まで訓練してたのね‥‥。」


「本当‥‥しかも兄3人とだけじゃなくて兵士達とも模擬戦してるし‥‥。」


「まあ剣術は3歳から始めたからね。」


「「3歳!?」」


「最初は勿論木刀を持ってみることからよ?」


「それでも3歳から始めようとは普通思わないでしょ‥‥」


何か3人が話してる‥‥離れてるけど私は聞こえるんだよな‥‥。

3歳で始めたのは前世を思い出した時だからな‥‥。

とりあえずできることから!と思ったから始めたんだけど、武神様の加護を貰った後でも何か楽しくなって続けてるんだけど‥‥。

まあ続けないと勘が鈍るっていうし‥‥鈍るのかな?


と、模擬戦の途中にどうでもいいことを考えてしまっていたので模擬戦相手のヒスイ兄様に意識を戻す。


「ヒスイ兄様!‥‥ちゃんと‥‥訓練して‥‥るんですか?

‥‥前より‥‥鈍ってませんか!?」


「ちゃんと‥‥やってる‥‥よ!」


剣をぶつけ合いながらも会話していたが‥‥

兄様の首元に刃先をあて、


「っふ!‥‥‥勝負ありです。」


「っ!‥‥はぁ~‥‥また負けた‥‥マリンまた強くなったな。追い付けないから強くなるの止めてくれないか?」


「ヒスイ兄様‥‥何言ってるんですか。兄様が頑張って下さい。」


「ふっ。‥‥ああ。そうだな。っと。」


兄様が立ち上がり、動こうとしたが


「兄様。ちょっと待って下さい。」


「ん?」


「汚れ取ってからなのでちょっと滲みますよ。」


手に水を纏わせて顔に付いた汚れを拭ってから


「っ!」


「兄様!‥‥【ヒール】‥‥よし。‥‥兄様、他に痛い所ありますか?」


「いや、ないよ。ありがとな。」


「どういたしまして!」


***


「あれは素晴らしい環境ね‥‥。マリンちゃん1人で模擬戦の相手もその後の治療も出来るなんて‥‥。この家羨ましいわ‥‥。」


「確かに‥‥あぁ~私の弟はマリンちゃんと同じ歳なのに何でこんなに違うのかしら‥‥。」


「本当に‥‥。」


「あははは‥‥リリ、マリア。頑張れとしか言えない。」


***


そんな姉様達の会話をたまに聞きつつ訓練を終えて、お昼を食べて英気を養ったところで。

リリ様、マリア様にゲートのお披露目です。


2人には昨日から内に話はしている。リリ様は驚いていたが私が牢屋にいきなり表れたり消えたりしたのを思い出し、納得したようだ。


ついでに私達の練習スポットへ。

屋敷にある練習場だと私達には手狭になったので父様の許可を得て、外へ行く。

そしてまずは魔物の森へゲートを開いた。

マリア様は一度経験してるので疑いもせずにスッと通り、リリ様はその様子を見て意を決してという風に通った。


「わっ!本当に違う所に出た‥‥マリンちゃん凄いわね‥‥

あ。約束通り父様にも誰にも言わないから安心してね。」


「はい。ありがとうございます。リリ様。‥‥さて、実はですね私、ここより魔法の練習に最適な場所を発見したんです。」


『本当か(に)!?』


兄弟全員ハモりましたとさ。


「はい。早速行きますか?」


『勿論!』


「では。【ゲート】」


「‥‥ここどこ?」


「領地から北西に向かったらある場所です。誰もいないのは確認済みです。あと周囲ですが、近くに島もないのである程度大きな魔法を放っても大丈夫ですよ。」


「凄い‥‥。」


「うん。凄いけど‥‥。マリン、どうやって見つけたんだ?というかどうやってここまで来たんだ?」


「‥‥‥‥えっと‥‥‥秘密です。」


当然、当てもなく空を飛んで探した訳ではない。

だが言える訳がない。情報元は神様に貰った地図だから。

しかも世界地図を!

そして、紙で持ってると怪しまれるって魔法としてくれた。


誘拐事件後にふと最近行ってなかったなと教会でお祈りして、神様達と話してる時に魔法の練習場所がないと話すと創造神様があっさり「ここならいいんじゃないか?」と教えてくれた。

勿論すぐ行って確めたよ。そしたら空飛んでるから船より速い筈なのになかなか着かないの。

「遠くね?」と思ったら創造神様曰く船で2・3日は掛かる距離だそうな。

そんな距離をいつの間に?と聞かれても答えられる訳がないのでここにいる皆さんには悪いが、はぐらかすことにした。


「今の間は何だ‥‥?でもマリンが言わないなら無理に聞くべきじゃないか‥‥。」


「そうして頂けると助かります‥‥。ヒスイ兄様。」


「まあ‥‥魔法の練習には確かに最適みたいだし。」


「ここなら試したかった魔法も試せるようになりますし、思いっきり練習できますよ。早速やってみませんか?」


それに全員頷いたあと、横並びになり思い思いに魔法を放っていった。


しばらくして。

一旦休憩とみんな集まったところで、ストレージから父様の許可を得て拝借してきた、屋敷の庭に置いていたテーブルと椅子を出す。

次にシャーリーが用意してくれていた果実水とサンドイッチをテーブルの上に出した。


「マリンちゃん‥‥便利すぎるわ‥‥。」


「確かに‥‥。」


「そうですか?」


「うん。マリンがいない訓練はしたくない位よ。」


『確かに。』


そう?姉様は私があげたマジックバッグがあるんだからできるだろうに。


「さて、休憩もしたことだし。みんな、いつものやるか?」


『勿論!』


「いつもの?」


「リリとマリアはそのまま見てて。前に少し話したことあるやつやるから。」


「「分かった‥‥。」」


そして、上の兄弟4人対私の魔法のみ対決だ。

いじめ? と普通は見える光景である。

だがそんなこと関係ないとリリ様達から離れ、私達も間を取った。


「ヒスイ兄様。前と同じく魔法だけですよ!」


「おう!分かってるって。じゃあフレイ、クリス、アクア。行くぞ。」


「今度は手加減させないんだから!」


「ええ!やりましょう。姉様!」


「お前ら何があったんだ‥‥? ん?前やった時、マリンは手加減してたのか!?」


「「らしいです!」」


「‥‥‥そうか。ちょうど思いっきり魔法が打てるんだ。フレイ、俺達もやるぞ。」


「ええ。やりましょう!」


あ。ヤバい。ヒスイ兄様達にも手加減したのバレた。

しかもこんな最高の場所で‥‥‥。

うわぁ‥‥4人共やる気満々だな‥‥端からみたら末っ子いじめみたいになってるはずなんだけど‥‥。

まあ、頑張りますか!


「リリ様!」


「なに?」


「開始の合図お願いします!」


「いいわよ!‥‥‥始め!」


ちなみに4人とも四大元素の土、火、水、風のどれかを2・3種類ずつ使える。光か闇を使えるのは上2人。光は灯りをつける程度なので攻撃には使ってない。


そして、リリ様の始めの声と同時に4人から一斉にバラバラの魔法を放ってきた。

いきなり容赦なく、大人げない攻撃。とりあえず様子見のシールドで防ぐが全員無詠唱なので次々くる。


う~ん‥‥どうしようかなぁ‥‥このまま耐えても魔力量で私が勝つから面白くないしな‥‥

全員一斉に麻痺させるのも面白くないし‥‥う~ん。


シールドで防ぎながら考えていると、


「マリン!」


「なんですか?ヒスイ兄様?」


「そろそろ反撃しないのか?」


「あ~。今それ考えてたんですよ。」


「今考えるのか!?‥‥‥やっぱり舐められてるな‥‥。みんな、一旦魔法止めろ。‥‥‥マリン!」


「はい?」


「アクアだけ剣もありにしないか?」


「は?ヒスイ兄様、いじめですか?」


「何でそうなる!マリンは余裕あるみたいだからだ。」


あ~確かにそう見えるか‥‥。アクア兄様だけ剣もねぇ‥‥

行けるか‥‥?まあさっきみたいに考える時間は無くなるか。


「う~ん。そうですね‥‥。あれ?アクア兄様、剣持って来てましたっけ?」


「持ってない!だから魔力刃でやる。」


「え!?‥‥もしかして私のを見て?」


「そうだ!やっていいか?」


「それなら私も魔力刃使っていいってことですよね?」


『え!?』


「何ですか?私にシールドのみでアクア兄様の魔力刃を防げと?」


『うん。』


「兄様達ひどくないですか!?」


『ひどくない!』


「マリンが魔力刃使いだしたら私なんか瞬殺されるじゃない!」


「流石に切りませんよ‥‥。」


「それでも駄目!」


「ええ~。」


『ええじゃない!』


「兄様達、大人げないですよ‥‥‥。」


「一度ぐらいはマリンを焦らせてみたいんだよ!」


「‥‥‥はぁ‥‥分かりましたよ。私は駄目でアクア兄様だけ魔力刃使うんですね?」


「ああ!」


「では、私も容赦なくいきますよ?」


という訳でシールドを両手の甲に使い、


「アクア兄様!いつでもいいですよ!」


そしてアクア兄様が右手に魔力刃を纏い攻めてきた。


「っ!‥‥これ‥‥扱い‥むずかしいな。」


「でしょう?‥‥剣と‥‥扱いが‥違う‥‥から!」


「ああ!‥‥っと。」


「ちょっと‥‥やり‥‥辛いです‥ね!」


当然私とアクア兄様が対峙してる間も絶妙なタイミングで他の3人が魔法を放ってくる。

全ての攻撃をシールドで防げるが、攻撃に転じ難くなってもいた。


「さて‥‥そろそろ‥‥ふっ!反撃といきましょうか!」


「っ!‥‥うわっと!」


アクア兄様の魔力刃を弾いた。


流石に怪我はなるべくさせたくないし、殺傷能力を無くした魔法を撃ちますかね。


体制を立て直したアクア兄様が再び襲ってきたので防ぎながら。


誰から倒すかな‥‥

やっぱりこういう時は指令塔のヒスイ兄様からとは思うが、多分対策してるよね。

フレイ兄様から行きますか。全員お腹辺りを狙って‥‥お願いだから一発で気を失ってよ!


「【ターゲットロック】、【水弾(ウォーターバレット)】」


「うっ!‥‥」


「フレイ!」


「っと!‥‥次は。」


「させ‥‥るか!」


「アクア‥‥兄様!‥‥悪役‥‥みたい‥‥ですよ!」


「‥‥ぐっ!」


「【ターゲットロック】、【真空弾(エアバレット)】」


「わっ!‥‥っ!」


「クリス!」


「さて‥‥ヒスイ‥‥兄様!‥‥アクア‥‥兄様!‥‥いきます‥‥よっ!」


「‥‥うわっ!」


「【真空弾(エアバレット)】、【ターゲットロック】、【土弾(アースバレット)】!」



「うわっ!‥‥‥っ!」


「!‥‥ぐっ!」


アクア兄様には魔力刃を弾いた直後に真空弾を、ヒスイ兄様には土弾を打った。


「‥‥‥‥ふぅ。やりました!リリ様!」


「‥‥‥はっ!しょ、勝者マリンちゃん!」


「さて、兄様達の治療しないとですね。【水球(ウォーターボール)】。」


4個水球を出しそれぞれ変形させて、ヒスイ兄様、フレイ兄様、アクア兄様、姉様を順番にそっと浮かせて回収していき、4人を浮かせたままリリ様達のところへ戻った。

今の4人はウォーターベッドで寝ている状態でちょうどいいのでそのまま治療することにした。


「お帰りなさい。マリンちゃん。凄かったわ。」


「うん。凄かった!‥‥クリス達は気を失ってるだけよね?」


「ただいま戻りました。勿論気を失ってるだけですよ。でも一応。【エリアハイヒール】」


「‥‥‥マリンちゃんあんなに戦った後なのにまだそんなことできる程魔力残ってるの?」


「えっと‥‥はい。まあ‥‥。」


「‥‥ん!」


「‥‥っ!」


「‥‥っ!」


「‥‥‥っ。あれ?‥‥あぁ~また負けたのかぁ‥‥」


「あ。兄様達起きました?」


「ああ‥‥また負けたのか。」


「うぅ‥‥また負けた。」


「‥‥もう少し魔力刃に慣れないとな。」


「えっと‥‥兄様達?私に勝つことが目標になってませんか?純粋に強くなりたいんじゃ‥‥?」


『は!』


「‥‥はぁ。‥‥それで、兄様達どこか痛いところとかありますか?」


『‥‥‥ない。』


「なら良かったです。」


「ねぇ、クリス。今のが前言ってた兄弟対決?」


「うん。そうよ。」


「予想以上に激しいのね‥‥。」


「ところでヒスイ兄様、フレイ兄様?」


「「何だ?」」


「魔法の威力、落ちましたね?練習サボりました?」


「「うっ‥‥」」


「姉様も魔力調整出来てない時がありましたよ?アクア兄様に当たり掛けたじゃないですか。」


「え!いや‥‥それは。」


「アクア兄様も何で魔力刃だけで魔法使わないんですか?」


「それは‥‥まだ魔力刃に慣れてないから打てなかった。」


「兄様達、強くなりたいって言ってましたよね?なに練習サボってるんですか?やる気あるんですか?いいんですよ?強くならなくても。私が兄様達を守ってみせますので。」


「マリン。格好いいが、それは俺達もだ。」


「え?」


「悔しいが、マリンの言うとおりだ。俺達は純粋に強くなりたい。強くなってマリンを、家族を守りたいんだ。だから、マリン。また相手してくれるか?」


「! はい!喜んで!」


「いいなぁ‥‥。」


「うん。この兄弟、本当に羨ましいわ‥‥。」


近くでリリ様達がそう呟いていた。


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