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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第2章 学生編
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29話 公爵との対話

「学園長、公爵様。お待たせして申し訳ありません。」


「構いませんよ。」


「ありがとうございます。」


「それより、マリンと一緒にいるのは?」


「は、はじめまして公爵様。フリージア・フォン・アドニスと申します。」


「そうですか。はじめまして、エドワード・フォン・リコリスです。フリージア嬢はマリンの友人でしょうか?」


「はい。公爵様。マリンのいとこでもあります。」


「そうですか。」


「あの、先生。私を呼んでいた方とは公爵様なのですか?」


「ええ。そうですよ。」


「‥‥えっと。公爵様。ご用事は何でしょうか?父様達もいますし。」


「ああ。それは、マリンもなんとなく予想出来ているんじゃないですか?」


「‥‥そう仰るということはリゲル様のことでしょうか?」


「ええ。正解です。実は、学園内では実習以外で魔法を使うのは禁止と校則で決まっているんです。だがマリンがリゲルとシリウス王子に無傷で対抗する為には魔法を使うのが無難だろう?」


「‥‥‥はい。確かにその方が助かります。‥‥あの、公爵様。もう既にシリウス王子とリゲル様に魔法使ってしまったのですが。」


「‥‥なに?リゲル達、早速来たのですか?」


「はい。教室を出ようとしたら扉の前で2人共待ち構えてまして‥‥。魔法は声を出せなくするだけのを使いましたが、なかなか動いて下さらなかったので。」


「それでこちらに来るのが遅れたのですね‥‥。愚息がすみませんでした。」


「いえ。それで私、魔法使ってしまったのですが‥‥駄目だったのですよね?」


「ええ。本来は。ですがマリンの状況を学園長と話してマリンは特例で許可することになりましたので大丈夫ですよ。さすがに使う魔法は制限させて頂きますが。」


「良かったです‥‥。それで制限というと、使う魔法の種類とかでしょうか?」


「ええ。」


「えっと。さすがに怪我をさせるのはどうかと思いますので、今のところ私は麻痺か今日の様に声を出せなくするかのどちらかしか使うつもりはなかったのですが、両方使ってもよろしいでしょうか?」


「ええ。それぐらいなら問題ありません。ちなみに麻痺とはどういう魔法でしょう?持続時間は?」


「麻痺は微弱な雷を当てて意識はある状態で身体を動かせない様にします。持続時間は試したことはありませんが、恐らく1時間ぐらいは身動き取れなくなるかと思います。」


「また凄い魔法を開発したものですね。分かりました。‥‥マリン。そもそも特例措置をとらないといけない状況になってしまい申し訳ありません。リゲルとシリウス王子がマリンだけではなく他にも迷惑を掛けるようなら問答無用で麻痺させて構いません。陛下にも許可は得てますので迷わず使っていいですよ。」


「分かりました。ありがとうございます。‥‥ところで公爵様。それは私だけで良かったのではないでしょうか?両親や姉様達やリジアがいる意味は何でしょうか?」


「1つはこの話をここに集まっている者達に纏めて周知する為です。2つ目は生徒会のことです。本来は明日説明するはずだったらしいですが、毎年1~5年生まで各学年から数名ずつ生徒会に所属してもらいます。そしてほぼ確実に2~5年生は前年からの継続です。マリンの姉と兄、マリアにリリアーナ王女が生徒会に所属しているでしょう?そこに1年生からはマリンとフリージア嬢が入らないかと思いまして。」


「「え!?」」


「シリウス王子とリゲルはまず生徒会に入ることはありません。器ではありませんし、成績で見てもありえません。ですがマリンは首席ですからね、何の問題もありません。それに生徒会として活動してる間、リゲル達を避けやすくなります。あと、生徒会は学園内で何か揉め事などがあれば止めに入ることもあります。そういう意味でも2人は戦力になるんですよ。」


「‥‥‥姉様、兄様。そんなこともしていたのですか?」


「「うん。」」


「今公爵様が仰った様に鎮圧しに行くこともあるけど、そこまで多くないわ。でも実力がいるのも確かだから大体成績上位者が集まるのよ。」


「そうなのですね‥‥あれ?では生徒会はその時だけ学園内でも魔法が使えるのですか?」


「ええ。その時だけね。」


「それが私は常時使用可能ということですか?」


「そうなりますね。どうでしょう?ってすぐには結論出せませんね。元々明日説明して一週間以内に決めてもらう予定だったのでゆっくり考えてみて下さい。」


「分かりました。‥‥あの、公爵様。1つ伺ってもよろしいでしょうか?」


「なんでしょう?」


「公爵様が学園長と話して私に魔法を使う特例とか出せるのは何故でしょうか?」


「ん?それはこの王立学園の統括責任者だからですね。」


「え!?」


「まあそういうわけです。私が話したかったことは以上です。生徒会の件は学園長経由で伺いますから担任に報告してください。」


「「分かりました‥‥。」」


「では。私はこれで失礼しますね。」


『はい。』


「では俺達も失礼します。マリン達ももう帰れるのか?」


「はい。父様。」


「じゃあ帰るか。‥‥学園長、それでは我々も失礼致します。」


「ええ。ご足労頂きありがとうございました。」


「いえ。」


『では学園長。失礼致します。』


みんな揃って学園長室を後にした。途中職員室に行くレイヤ先生と別れ、馬車に乗る前にリジア、リリ様、マリア様と別れて私達家族は屋敷に帰った。


馬車の中で私は入学式のことでちょっとした文句を言っていた。


「姉様。何故生徒会長だと教えて下さらなかったのですか?私、危うく声を出すところだったのですよ?兄様も生徒会に所属しているの教えて下さらなかったですし、父様も母様も教えて下さらなかったですし!」


「ごめん。マリン。私とアクアは入学式でマリンを驚かそうと思っただけで、父様と母様には口止めしてたのよ。」


「確かに驚きました!その後の新入生代表挨拶の言葉を忘れそうになるぐらい!」


「えっと。それは本当にごめん。」


「はぁ‥‥。もういいです。終わった事ですしね。」


「あはは‥‥。で、マリンは生徒会入るの?」


「う~ん。姉様と兄様で鎮圧の戦力としては十分だとは思いますが、入ろうかなとは思ってます。」


「何か気になることがあるの?」


「えっと、当初はシリウス王子とリゲル様への対抗策として魔法の使用許可を頂きました。そこに改めて生徒会に入る必要があるのかな?と思いまして。」


「う~ん。確かにね。私としてはマリンと生徒会で一緒に活動してる間、堂々とマリンを守れるからいいなって思ったけどね。」


「なるほど。‥‥ゆっくり考えてみます。」


「うん。」


そうして話していると屋敷に到着した。

そして私は自室で考えていた。


はぁ‥‥。何でこうなるかな‥‥。前世でも役員じゃなかったけど生徒会に入ってたのに、またかぁ。

あ~でも前世の時は頼みやすかったからとか言われたな。

まあ前世と同じで楽とはいかないだろうな。鎮圧とか物騒な単語が出てきたし。鎮圧できるけどね。私1人でも。異常なステータスのお陰で。


「マリン様?」


正直、学園内で魔法使える様になったのはいいけど、私で戦力になるのかな?鎮圧以外で。‥‥やることあるのかな?

う~ん。生徒会かぁ‥‥。


「マリン様!」


「うわっ!‥‥っとシャーリー?」


「マリン様また考え事ですか?」


「うん。ノックしてくれたんだよね。ごめん、気付かなくて。」


「いえ。マリン様の集中力は存じ上げてますから慣れました。それと、夕食のご準備ができましたのでお呼びに参りました。」


「分かった。ありがとう。」


今日あれだけハッキリ言ったから王子達もう来ない気がするけど‥‥。どうなんだろうな?

まあまだ考える時間はあるし、今はいいか。


と、迷っていた私はその後あっさり結論を出すのである。


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