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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第12章 学生最後の帝国
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313話 模擬戦━そして、共有

大変長らくお待たせしてしまいました‥‥!

最後に投稿したのが、去年の6月。6月!?

危うく丸1年経つところだったことに衝撃を受け、続けて、よく見たら去年は2話しか投稿できてないじゃないか!!と。

‥‥今年はなるべく頑張ります‥‥

━空との話を終えたマリン。


まずは客室に戻り、同じく客室に戻ってきていたリジアやルビアに『ただいま。』と挨拶したあと。


「どうだった?」

「受けてくれるって。─でね、リジア。陛下にちょっと時間もらって話したいことがあるんだけど、その時、リジアも参加してくれる?」

「え?─もちろんいいけど、ルビアは?」

「ん~─一応、父様と陛下に聞いてからかなとは思ってたけど‥‥多分、いいって言ってくれるとは思うから、ルビアがよければってところかな。」

「「え?」」

「叔父様に聞いてから?─何の話をするの?」

「帝国であった大規模討伐の裏側。」

「「え!?」」

「え?あ、あの、それは私も伺っていいことなのでしょうか?」

「あ。─えっと、その前にルビアって大規模討伐の詳細って‥‥」

「存じ上げませんわ。─お兄様は伺っているのでしょうか?」

「うん。リゲルだけじゃなくて、マリア姉様も知ってるよ。─2人が話してないのは、例え家族でも言いふらす内容じゃないと判断してくれたからかな‥‥?」

「そうだと思うわ。─となると、リオトもかしら?」

「そうだと思いますわ。シリウス兄様やリリ姉様が話をしたとも思えませんし。」

「だよね‥‥」

「‥‥どうするの?マリン。」

「ん〜‥‥‥」


と数秒唸りつつ迷ったマリンは━


「先に父様や母様、陛下にも聞くことにする。」

「そうね。その方がいいと思うわ。」

「だけど‥‥」

「「だけど?」」

「その前に陛下との模擬戦かな?」

「「‥‥‥」」

「そ、そうね‥‥」


リジアとルビアが苦笑いを浮かべた。

直後、扉をノックする音がして‥‥


「ん?─レグルス、入っていいよ。」


即気配で察知したマリンが促すと、レグルスが入ってきた。


「さすが。─まずはおかえり、マリン。」

「うん。ただいま。─レグルスはどうしたの?」

「いや、そろそろマリンが帰ってきたかな〜とサーチを使ってみたら強い力の塊を感じたから、これがマリンじゃないかな〜とな。帰ってきたんじゃないかと来てみた。」

「お。サーチの精度上がってきてるね。」

「だろ?─で、どうだったんだ?」

「受けてくれるってさ。でも、他にも話を聞いてきたから、それも共有しときたいなって。」

「え?他の話?」

「うん。─陛下の時間って模擬戦以外でもらえたりするかな?」

「ああ〜」


と数秒考える素振りを見せたレグルスはすぐに答えてくれた。


「多分、昨日みたいに晩餐のあととかなら大丈夫だと思うぞ。」

「そっか。了解。ありがとう。─レグルスは模擬戦行けるか〜?って呼びに来てくれた感じかな?」

「正解。─どうだ?」

「もちろん大丈夫だよ。─行こうか。」

「ああ。」


そして、陛下に知らせてくるというレグルスと分かれて、私達3人は父様と母様の部屋に向かった。


扉をノックすると、すぐに父様が開けてくれて━


「お。─おかえり、マリン。」


その父様の後ろから母様も来てくれてー


「あら。─おかえりなさい、マリン。」

「ただいまです。父様、母様。─これから模擬戦ですが、その前にちょっと伺いたくて。」

「なんだ?」「なに?」


と問い返しつつ、私達を部屋に入れてくれた。


「空が大規模討伐の裏側を教えてくれたんです。」

「「え!?」」

「伯父様達のところに竜達が来たからこそ、帝国の軍による援軍の派遣ができなかったと。そういうお話でしたでしょ?」

「「‥‥‥」」


途端に2人の表情が曇った。

けど、頷いて答えてくれた。


「その竜達の話です。」

「「‥‥‥」」


2人は私を見たあと、視線をリジアに、最後にルビアに移し、私に戻ってきた。


「マリン。─ルビアにも?」

「それを相談しようかと。ルビアと‥多分リオトも大規模討伐の詳細を知らないですから。」

「辺境伯様。私はお兄様にもお姉様にもこの大規模討伐の詳細を伺ってませんの。ですので、私は辺境伯様や夫人の判断に従いますわ。聞いてもいいなら事前にマリン姉様に詳細を伺ってから、今回の竜達の話にも同席します。‥‥子供に聞かせる話ではないということでしたら、お話の間部屋で大人しく待ってます。」

「「‥‥‥」」


ルビアの言葉に顔を見合わせた両親。

で、すぐに苦笑い。

の、後に一つ頷き合った。


2人の視線が戻ってきたと思ったら‥‥


「ルビアも聞いていいぞ。─子供に聞かせる話じゃないとはとても言えんからな。」

「え?」


ルビアがきょとんとしたけど、私やリジアは苦笑いを浮かべた。


だってねぇ‥‥


その答えは母様がルビアに伝えてくれた。


「ふふっ。─ルビア。マリンが大規模討伐の被害者達‥アンデッド化した冒険者達の浄化をして、この話をしたのは12歳の時よ?」

「え!?」

「ルビアは幾つ?」

「‥‥今年13歳ですわ‥‥」

「でしょ?─子供だからと邪険にするつもりはないわ。─マリンのお陰で心の整理もできたもの。‥‥ルビアもリオトも他に言いふらす様な子達じゃないと信じられるし、言いふらせる内容でもないでしょうから、一緒に聞いてもいいわよ。─マリン。」

「はい。模擬戦の後にでも事前にルビアとリオトに話をしておきます。─陛下にもお時間頂いてお話しようと思ってます。先程レグルスが私達の部屋に来てくれて、今日も晩餐の後なら陛下も時間がとれるはずと。父様と母様もいいでしょうか?」

「「もちろん。」」

「ありがとうございます。‥‥あと、話は変わりますが、模擬戦、見に来ますか?」

「ああ。ベアルが叩きのめされる様は何度見てもいいからな。」

「‥‥ちなみに父様。その『いい』とはざまぁみろ‥的な意味でしょうか?」

「もちろん。」

「「「‥‥‥」」」


即答した父様に女性陣が様々な表情を浮かべたあと。

もちろん、全員が城の玄関口に集合し、闘技場へと向かった。


そして━


「くっ‥‥!さ、さすがマリン‥‥」

「お。─陛下、やりますね。私、気絶させるつもりでやったのですが‥」

「なんだと!?‥‥そう何度も気絶してたまるか!成長がないみたいじゃねぇか!」

「いや、私も努力してますので‥‥差は縮まってはないかと‥‥」

「なんだと!?‥‥もう十分強いんだから、それ以上を目指すな。戦闘に於いての向上心はマリンに必要ない。」

「いや、なんでですか‥‥私の自由でしょう、それは‥‥」


もちろん、私があっさり勝った模擬戦。

いつも通り元帥様が私の勝利宣言をしてくださったあとのこの会話。


そして、武舞台を降りてそんな会話をしながら見学していた面々のところに向かうと━


「ふっ。ざまぁみろ、ベアル。」

『‥‥‥』


言った‥‥

遂に父様がその一言を‥‥


「くっ‥‥」


悔しそうな陛下。


だが、ふと気付いた私は苦笑いを浮かべながら━


「あの、父様?私が学生なのは今年が最後ですから‥‥来年も夏休みに‥とか決まった時に帝国に来るかどうかは分かりませんから‥‥その、来年からはまた父様かアクア兄様が陛下のお相手することになるのでは‥‥?」

『!!!』


陛下を含めた皇族一同と父様、アクア兄様が『そういえば!!』みたいな愕然とした表情を浮かべた。


すると、父様が突然私の両肩を掴んで━


「頼む、マリン。この時期だけはこれからも毎年俺達に付き合ってくれ。それ以外は自由に旅していいから、頼むからベアルの相手をすることだけはマリンがやってくれ。この戦闘馬鹿を止められるのはマリンだけなんだ。」

『‥‥‥』


全員が無言になった。

私は父様に肩を掴まれて至近距離でガン見されてるので、他の人達の反応を見ることはできないが、恐らく唖然としていたりするんだろう。

ちなみに私は苦笑い。


「と、父様‥‥戦闘馬鹿って‥‥」

「その通りだろ?」

「‥‥‥否定できませんね‥」

「おい。」


陛下のツッコミが聞こえた気がしたが、無視することにして、いつの間にか側にいたアクア兄様に視線を移した。


「えっと‥‥アクア兄様?」

「なんだ?」


とは答えたが、すぐににっこりと笑顔で━


「もちろん俺も父様と同じだぞ?」

「‥‥‥さすがアクア兄様です。質問する前に内容を分かった上でのお答え‥‥」

「だろ?─で、マリン。」

「‥‥‥」


綺麗な緑の瞳が2人分。

真っ直ぐマリンに向けられている。


苦笑いを浮かべながら少しの間考えたあと━


「‥‥分かりました‥‥これからも帝国に行く時、同行します‥‥」

『!!!』


先程愕然とした表情を浮かべていた面々が、今度は喜びが表情に現れていた。


‥‥皇帝だけは『よっしゃ!!』と言葉にも出したが。


━それはさておき。


「陛下、話は変わりますが、レグルスから聞きました?」

「ん?─あ、青龍殿の話か?」

「です。」

「ああ。話たいことがあるってのは聞いたぞ。」

「それで、お時間頂けますか?」

「もちろんだ。─青龍殿に竜達のことを頼んできてくれって言ったのは俺だしな。その時に聞いた話をしたいってことだったよな?─今日も晩餐の後でいいか?」

「はい。─それで、その、今集まっている全員にも話たいのですが‥‥」

「ん?‥‥それはリオトやルビアもってことか?」

「はい。」


すると、陛下は父様と母様に視線を向けた。


「ラルク、ディアナ。確認だが、マリンがこうして俺に聞いてきたってことは、リオトとルビアにも聞かせることに2人も同意したと判断していいんだよな?」

「ああ。」「はい。」


2人は先程とは違い、真剣な表情で頷いていた。

それを確認した陛下は私に視線を戻し━


「2人がいいってことなら、俺も構わないぞ。ただ─」

「はい。一連の話をリオトとルビアは知らないそうなので、昼食後にでも私から話しておきます。」

「ああ。頼んだ。」


その後は全員で城に戻り、昼食後。

公務に戻る陛下や妃殿下、父様達と分かれた私達は、ベネトさんの案内でサロンに来ていた。


「‥‥‥リオトとルビア以外の皆、各々好きに過ごしていいって言われてたでしょ?いいの?一緒に来て。─特にレグルス。公務とか執務ないの?」


とマリンが友人一同を見回しながら問い掛けると、最初に答えたのはシリウスだった。


「いや、好きに過ごしていいって言われてもな‥自国ではないのに何をしてろと?とな。」

「‥‥読書とかしないの?」

「昔は嫌いだったが、最近はたまに城の図書室で色々読む様にはしてるが‥‥」

「まあ、自国の城じゃないからこそ、自由度が分かり辛いか‥‥」

「そういうことだ。─それに、ここの図書室は皇族と一緒じゃないと入れないんだろ?案内のベネトさんはともかく、レグルスもしれっとマリン達について行こうとしてたし、普通に本読むだけで時間を潰すのが勿体なく感じてな。」

「ふーん‥‥」

「な、なんだ?」


シリウスらしくない話に、私はちょっと『嘘では?』と疑ってしまった。

なので真偽を確かめられるかとじっと見ていたら、シリウスが真っ赤な顔でたじろいだので、ちょっとだけ面白かった。


なので、つい━


「真面目になったね〜シリウス。偉い偉い。」


と言いながらちょっとだけ背伸びしてシリウスの頭を撫でてしまった。

途端に真っ赤な顔のままむすっとしたシリウス。


さすがに嫌だったかと手を離したら、その手を掴まれた。


「え?ちょ、シリウス?」

「‥‥マリン。」

「えっと‥な、何?」

「ちょっとだけ我慢してくれ。」

「は?─っ!」


シリウスは掴んでいた私の手を引き寄せ、抱き締めてきた。


「え!?ちょっと、シリウス!?」

「‥‥頼むから、ちょっとだけこのままでいてくれ。」

「‥‥理由を述べよ。」

「いや、なんだ、その試験っぽい口調。」

「の・べ・よ!」


数秒後。


「まず、頭撫でてくれたのは嫌どころか嬉しかった。」

「うん。嫌がられたんじゃないならよかった。」

「ああ。ただ‥」

「ただ?」

「頭撫でてる目の前のマリンが可愛くて‥!」

「は!?」『!!』

「ちょっと背伸びしてるのも、楽しそうに笑ってる顔も普段以上の可愛さで堪らなくなった。」

「‥‥‥」


私はどう反応したらいいか分からなかった。

なので、とりあえず力を抜いてシリウスが満足するのを待つことにした。


━のがいけなかったらしい。


「‥‥マリン。」

「なに?」

「マリンの上目遣い見てみたい。」

「は?」

「可愛いから、絶対。」


何を言い出した、この王太子は。


「‥‥‥王太子殿下?」

「っ!」


察知能力も上がっているらしい。

素晴らしいよ、シリウス。


私が低い声で他人行儀に『王太子殿下』と呼んだことで、調子に乗ったと判断してくれた様で、瞬時に解放された。


なので、にっこりと笑顔で━


「調子に乗り過ぎですわ、殿下。」


と言ってあげた。

すると、他の一同からも同様の苦言が来たことで、再びむすっとしたシリウス。


━を無視して、私はリオトとルビアに向き直った。


「リオト、ルビア。」

「「はい?」」

「ちょっと重目の話だから、休憩ほしかったら遠慮なく言ってね。」

「「分かりました(わ)。」」


━ということで。


結局、シリウス達もそのままソファーに座ったので、『もういいや。』と気にせずリオトとルビアにもレウス伯父様のことなども含めて大規模討伐の時のことを話した。


「「‥‥‥」」


2人は途中、素直に休憩したいと言ってくれたので、一息付く時間はあったけど、それ以外は一気に話した。


そして、自分達なりに咀嚼しているだろう2人を観察していると━


「マリン姉様。」

「なに?リオト。」

「確認ですが、今のマリン姉様の伯父様の話は以前、初代王妃殿下‥セツナ様のところにお邪魔した際にマリン姉様が仰っていた方でしたよね?」

「あ。そういえば、その時に名前出したね。」

「では」

「うん。同一人物だよ。」

「では、やはり今この城には縁ある方々が集まってるのですね。」

「そうなるね。─まあ、本来はアポロ伯父様もなんだけど‥‥」


そう言うと、すかさずリジアが反応してくれた。


「ふふっ。マリン。父様を連れてはこれるでしょうけど、話はできないでしょ?」

「まあね。─空のこととか話せないからね〜。」


そんな感じで雑談を挟んだあと。


「マリン姉様。」

「ん?」

「ありがとうございました。─晩餐の後、今のお話の別視点を伺えるんでしたよね?」

「うん。‥リオト。─ルビアも。このまま夜に話すのでも平気そう?」

「「はい。」」

「大丈夫ですよ、マリン姉様。」

「私もですわ!」

「よかった‥‥─でも、無理はしなくていいからね?今みたいに別で話したりしてもいいんだからね?」

「はい。ありがとうございます、マリン姉様。」


2人はにっこりと笑顔で答えてくれたけど‥‥と気にしてたら、2人の兄達が不満を言ってきた。


「‥‥マリン。リオトに甘くないか?」

「ルビアにもだ。」

「ん?‥‥初対面から面倒くさかった2人と比べたら当然でしょ?この可愛い2人は甘やかしたくなるのも当然だと思う。」

『‥‥‥』


全員が苦笑いや呆気にとられる様子など、反応は分かれたが、少しの無言時間が過ぎた。


「面倒くさかったって‥‥」

「否定できないのが余計辛い‥‥」


続けて、復活した2人はそれぞれ呟きながら項垂れた。

その様子を見て、さすがに言い過ぎたかなと思ったマリンは、2人の側までいき、容赦なくそれぞれの頭にチョップを食らわせた。


「いたっ!」

「っ!」

「「なにするんだ!?」」


途端に顔を上げた2人をにっこりと笑顔で見下ろすマリンは━


「あら。相変わらず仲良し。」

「「は!?」」

「ふふっ。‥‥シリウス、リゲル。昔はどうあれ、今はマシになったし、見た目もかっこよくなったって言ったでしょ?」

「「え?」」

「今はもう、面倒くさいとか思ってないよ、って言ってるの。‥‥いや、あまりって付けとかないと、付け上がるかな‥‥」

『‥‥‥』


すると、様子をずっと見ていたベネトさんが━


「さすがマリンだな。王太子と公爵家の嫡男を叩いたり付け上がるかなとか、本来なら不敬罪だぞ。」

「本来なら。でしょ?」

「だな。マリンは不敬罪とか恐れてないからな。」

「うん。王国を追い出されようと生きていけるし、死罪にするとか言うなら王都住民を避難させた上で崩壊させてから出奔してやるわ。」

『‥‥‥』


想像したのか、一同の表情が引き攣った。


「できるだろうな。‥と予想できるところがまた恐ろしいよな‥‥」

「でしょ?─まあ、不敬罪になんてしないって私も陛下や公爵様を信じてるから、自由にこんなことしてるんだけどね。」

「だろうな。─で?今からの時間はどうする?」

「そうだなぁ‥‥」


と時間を確認したマリンは数秒後━


「帝都を散歩するか、城の敷地内で訓練か。かな。─どっちがいい?」


それに最初に答えたのはリジアだった。


「それなら、私はもちろん散歩ね。─城の敷地内でするなら剣術でしょ?私とルビアはしないから、暇になるのは変わらないもの。」

「あ。確かに。」

「じゃあ、帝都に出るか?殿下と一緒に案内するぞ?」

「ベネトさん、有り難いけど、レグルスも予定が」

「ないぞ?」

「え?」

「前に言っただろ?父上が公務とか免除してくれてると。それは一時帰国でしかない、今も同じなんだよ。」

「え?あ、そういうこと‥‥だから、今も普通に一緒に来たし、これまでも私達に合わせて行動できたと。」

「そういうことだ。だから、私の公務とか執務のことは忘れていいぞ。」

「分かった。─じゃあ、帝都に出ようかな。」

「やったわ!」「やりましたわ!」

「ふふっ。リジア、ルビア。行こうか?ベネトさんとレグルスもいい?」

「「もちろん。」」

「「おい。」」「あの‥‥」


綺麗にスルーされそうになった3人が最後に声を上げた。


「あ、ごめんね、リオト。リオトも一緒に行く?」

「! 行きます!」

「「おい!」」

「‥‥なによ?シリウス、リゲル。」

「冷たい‥‥」

「はい?」

「「‥‥‥」」

「だから、なに?」


数秒後。


「俺達も行かせてください。」

「お願いします。」

「よろしい。─行くよ、シリウス、リゲル。」

「「!!」」


そして、2人も嬉しそうに━


「「ああ!」」


それを聞いて、先頭をさっさと歩き出したマリンに呟くリジア。


「‥‥さすがマリンだわ‥‥本当、私が男の子だったらな‥‥迷わずマリンの婚約者に喜んでなったのに‥‥」

「え‥‥」


それを聞いたベネトが絶句したのをフォローする者はいなかった。


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