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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第11章 学生最後の年
275/289

299話 話し合い開始

大変長らくお待たせしました!

今までで一番間が空いてしまい、すみません!


今回は途中俯瞰視点のつもりで書いてます。

翌日。


私はまず意見箱━━目安箱の様な物の設置の件を相談するべく、最初に職員室に向かった。

放課後ということで、先生全員がいた訳ではなかったので、概ね。という感じではあるが、好意的だった。

次に学園長にも話したが、反対もなく、その日の内に陛下にも意見を求めることが決まった。


その旨を生徒会に向かった時に伝えると。


「マリン‥‥用事ってそれだったの?言ってくれたら一緒に行ったのに‥‥。それに、行動が早すぎよ?」


と呆れ顔でリジアが言ったことに全員が同調した。


「うっ‥‥やるなら早い方がいいかなって思って‥‥」

「それはそうだけど、マリン一人で動く必要はないでしょ?私達はなんのためにいるのよ?」

「‥‥‥ごめんなさい。」


素直に謝ると、リジアが思いっきりため息をついてから続けた。


「もういいわ。次からは頼ってくれるでしょ?」

「もちろん!」

「ならいいわ。‥‥さて、会長。仕事しましょうか?」

「! はい!」


そして、一通り終わり、全員が帰り支度を始めた頃。


「シリウス。」

「ん?」

「はい、これ。」


とマリンが渡したのは封筒にいれた書類2束。


「ん?一つはさっき話していた意見箱のことだよな?」

「うん。もう一つは読んだらすぐに分かるから、帰りの馬車の中とかで読んで。」

「分かった。‥‥馬車の中で読んでいいならリオトが見ても問題ないか?」

「うん。‥‥そっちもちゃんと陛下にも渡してね。」

「え?両方父上に?」

「うん。」

「?‥‥分かった。」


シリウスが不思議そうにしながらも受け取ったところで。


「マリン、何渡したの?」

「まあ、色々調整しないとだから、この書類一回で解決しないと思う。だから、すぐに分かるよ。」

「? そうなの?」

「ふふっ。リジア、ここ最近で重要案件といえば?」

「え?」


数秒後、ピンときたようで苦笑いを浮かべたリジア。


「なるほど。‥‥こっちも仕事が早いわね、マリン。」


それに、にっこりと笑顔で返した。


「でしょ?‥‥なんせ無茶振りだったものだから。」

「ふふっ。確かにそうね。」


側で私達の会話を聞いていたシリウスもピンときたようで苦笑いを浮かべた。


「悪い。確かに無茶振りだよな。‥‥この書類も、しっかり読ませてもらうよ。」

「うん。」


その後私達はそれぞれ帰路についた。


◇◇◇◇◇


馬車の中で『重要案件』の方の書類を読み進めていたシリウスとリオト。


『ここ最近の重要案件』 マリンが言ったその書類。


封筒を開けて出した途端、シリウスは『やっぱり』と苦笑いと共に呟いた。


表紙に『スラム街の視察に向けての事前準備と注意事項について』と記載されていたからだ。


その表紙を話に加わってなかったリオトに見せると。


「あ。‥‥マリン姉様、仕事が早すぎますね‥‥」

「だよな‥‥昨日話したばかりなのにな‥‥」

「ですね‥‥」

「マリンからリオトも見ていいと許可を得てるから、一緒に読むか?」

「はい。是非。」


そう言って向かい合わせに座っていたリオトがシリウスの隣に座り直すと、シリウスはページを捲った。


そうして2人仲良く読み終わったあと。


「「‥‥‥」」

「なあ、リオト。」

「分かりますよ、兄上。‥これはマリン姉様に伺いたいことが盛り沢山ですね。」

「だよな‥‥」


そして、王城に着いたあと、兄弟揃って父親の執務室に向かった。

扉をノックして、許可を得てから中に入ると‥‥


「「ただいま戻りました、父上。」」

「ああ。シリウス、リオト。おかえり。」

「父上に預かってきた書類をお持ちしたのですが‥‥公爵がいらっしゃるなら‥お邪魔してしまいましたか?」

「いや、問題ない。用事は終わってるからな。」

「ええ。殿下、私のことはお気になさらず。」

「そうですか。では、一つは学園のことで意見を賜りたいことでしたので、公爵も見てもらえますか?」

「え?‥分かりました。」

「シリウス、私に預かり物というのは手に持っているその書類か?」

「ええ。‥‥2人共なんとなく察してそうですが、この書類2つ共マリンからです。」

「「‥‥‥」」


2人共、話し始めた時からシリウスが抱えている封書に視線が向いている。


「今度はなんだ‥‥?しかも一つは学園のことと言うなら、もう一つは?」

「先日、父上に相談させて頂いた件ですよ。」

「は?」


そう思わず声を漏らしたアトラスは数秒後にピンときたようで、驚きつつシリウスに確認から始めた。


「え?昨日、マリンに話したと言ってなかったか?」

「ええ。‥‥まさかの昨日の今日で纏めた物を渡してくれたんですよ‥‥」

「‥‥‥マリン、意外と仕事が早いな‥‥」

「ですね‥‥」


エドワードがきょとんとしている中、アトラスは切り替える様に話を変えた。


「さて、まずは学園のことだな。」

「はい。」


そして、意見箱について纏めた書類をアトラスとエドワードの2人が読み終えると。


「‥‥エド、どう思う?」

「いいと思いますよ?まさか生徒に直接『学園に不満とかあるか?』とは聞けませんからね。これなら匿名ならばと答えてくれそうですからね。」

「だよな。‥‥シリウス。」

「はい。」

「一先ず期間限定で設置してみてくれ。‥この意見箱のせいで生徒会の業務を圧迫して怠る様になったのでは意味がないからな。」

「生徒会と意見箱に投稿される量の両方の様子見と。」

「ああ。それの報告もするんだぞ?それによって常設させるか否かを決めるからな?」

「はい。もちろんです。」

「エド、お前もそれで文句ないな?」

「ええ。それでよろしいかと。」

「よし。‥ということだ。シリウス、明日マリンや生徒会の面々に伝えてやれ。」

「分かりました。」


そして。


「シリウス。もう一つはあとでゆっくり読む。2人共、先に着替えてこい。」

「「あ。」」


帰ってきて真っ直ぐ来たため、シリウスもリオトも制服のままである。

ということで、もう一つの書類もアトラスに渡したシリウスとリオトは執務室を出て、それぞれの自室に戻った。


夕食後。

食堂に揃った王族一家は先程のマリンからの書類の件を話し始めた。


「シリウス。もう一つもさっき読んだ。」

「マリンに聞きたいことが盛り沢山だったのでは?」

「その通りだ。」

「マリンもこの書類一回で終わるとは思ってないと言ってましたから、また王城に来てもらって直接話を聞きませんか?」

「まあ、それが一番手っ取り早いか。」

「マリンは俺の無茶振りに合わせてくれただけなんですけどね‥‥」

「まあな。‥‥マリンには悪いが、来てもらうか。」

「明日、早速聞いてみます。」

「ああ。頼む。」


アトラスとシリウスの会話を聞いていたルミナスは‥


「ふふっ。マリンはどんどん有能さを出してくれるわね~」


そう呑気に呟いていたのだった。

それにリオトが反応した。


「母上もあの書類、お読みに?」

「ええ。読ませてもらったわ。‥だから、シリウス。明日、マリンが来てくれた時に私も話を聞かせてね?」

「はい。もちろんです。」


そうして、王族一家での軽い打ち合わせも済んだところで解散した。


◇◇◇◇◇


更に翌日の朝。


教室に着いたマリンは既に来ていたシリウスやリジアに声を掛けた。


「おはよう、シリウス、リジア。」


それに2人も返してくれたところで。


「シリウス、読んだ?」

「ああ。王族4人共読んだ。」

「あ、やっぱり王妃様も読んだんだ。」

「ああ。それでな、マリン」

「ふふっ。突っ込みどころ満載だったから詳しく話を聞きたい?」

「正解だ。帰り、王城に来てくれるか?」

「いいよ~。そうなるだろうなって思って母様には言ってあるから大丈夫。」

「「さすが‥‥」」

「だって、家に相談に来たあと、みんなが帰る前にシリウスに『結局、いつの週末?』って聞いたら、できれば今週末がいいとか無茶振りしてきたからさ~。それなら私が行って説明した方が早いでしょ?」

「まあ、それならそうだろうけど‥‥昨日の書類は?」

「『私はこうするつもりですよ~』っていうのを一通り纏めただけ。」

「そ、そう‥‥」

「だから今日は色々話し合いしないとだろうな~って。」

「‥‥正解だ。マリン。」


その後、レグルス、リゲル、アイリスも来て別の話になり、授業も開始された。


生徒会の業務も終わった放課後。

マリンはちゃんと自分の家の馬車で城に向かい、城門を顔パスで通過したあと。━━のいつもの一室。


シリウスやリオトと共にノックして許可を得てから中に入った。

挨拶の後にそれぞれがソファーに座ったところで。


「さて、マリン。呼ばれた理由はシリウスから聞いているよな?」

「はい。伺ってますし、予想通りです。」

「そうか。なら私達が何を聞きたいのかは分かるんだな?」

「ふふっ。全体的にちょいちょいでしょう?」

「まあな。‥さて、何から聞くかな‥」

「なんでもいいですよ~!ここには王族一家のみしかいませんからね。」


そう。珍しく、公爵様や宰相様でさえいないのだ。

本当に陛下と王妃様の2人だけで待ち構えていた。


「父上、俺から質問していって構いませんか?」

「ああ。大抵の疑問が被ってるだろうからな。」

「ありがとうございます。━━ということで、マリン。まずは初めて聞いた単語があったから、それから聞きたい。」

「あ、コンタクトでしょ?」

「それだ。‥文章的に目の色の変装に使うんだよな?」

「うん。えっと、今のところ縁がなくて知らないんだけど、この世界に眼鏡はあるんだっけ?」

「ああ。一応あるぞ?」

「サングラスは?」

「‥‥なんだ?それ。」

「うん。なるほど。‥‥えっと、まずサングラスは眼鏡に色が入ってる物。ぐらいの認識でいいよ。太陽からの日差しから目を守る役割ね。まあ、お洒落で度の入ってない物をかける人も沢山いたけどね。」

「それも前世の?」

「うん。そう。‥で、コンタクトもサングラスと似たようなものだよ。ただ、サングラスや眼鏡と違って目に直接つけるものだったけどね。」

「「「「は!?」」」」

「目に直接って、それで見えるのか?‥というか、直接つけて大丈夫なのか?」

「大丈夫な様に作ってあるの。まあ、眼科‥目のお医者様の診察を受けてから。とかだったと思うけどね。」

「思う?」

「今と同じく、前世も目は良かったからね。眼鏡もコンタクトも縁がなかったんだよ。」

「それでも知ってたのか?」

「ふふっ。それだけ情報に溢れてたし、簡単に情報を得られる世界だったんだよ。」

「そうか。」

「ちなみにコンタクトも色を入れて瞳の色の見せ方を変えたり、単純に視力補助の度が入ったものだったり、色々あったんだよ。」

「「「「なるほど‥‥」」」」


王族一家は私からの情報に驚きつつ、ゆっくり納得していってくれているらしい。


「じゃあ、マリン。かつらっていうのも?」

「え!?かつらないの!?」

「え?驚くことなのか?」

「毛髪が寂しくなった方の救世主でもあるのに!!」

「「「「え?」」」」


今度はきょとんとする一同。


「そっかぁ‥‥かつらないならどうしようかな‥‥」


そう呟いた私にシリウスが改めて聞いてきた。


「それで、かつらってなんだ?」

「簡単に言うと、髪の変装道具兼毛髪の寂しい方の救世主だよ。」

「‥‥形状は?」

「ん?まんまだよ?例えば、私の青い髪を纏めて隠すために違う色の髪を上から被せるとか‥‥のはず。」

「はず?」

「かつらもしたことないの。毛髪が寂しくなる程歳を取る前に前世の命は終わったし、お洒落でも被る人がいたりしたけど、私は結局しなかったからね。‥‥主に病気の方が被ってるイメージだったし。」

「え?病気の人?‥何故だ?」

「病気を治すために薬を飲んだりするでしょ?その副作用で髪が抜け落ちたりがあったの。」

「なるほど‥‥男女共、髪がなくなるのは辛いだろうな。」

「うん。だから、外に出る時にかつらを被ったりしてたってこと。」


そうしてひたすら私とシリウスだけで話していると、陛下がボソッと呟いた。


「マリンの前世の世界は魔法がない代わりに色々工夫されていたんだな。」

「はい。」

「その一部をこうして私達だけであろうと教えてくれたのは再現できないと踏んでか?」

「コンタクトはそうですが、かつらは再現してほしいです。需要はそれなりにあるでしょうから。」

「そうか。‥マリン。まだまだ聞きたいことはあるぞ?」

「ふふっ。はい。もちろんです。‥お答えするために来ましたから。」

「よし。」


そして、『まずは』のはずの質問は続く。


お忘れの方がいらっしゃるかもしれないので‥‥


アトラス→国王陛下

ルミナス→王妃様

エドワード→リコリス公爵(リゲル達のお父さん)


ちなみに。

余談ですが、作者は眼鏡派です。

中学生の時、職員室で部活の顧問(女性)がコンタクトを入れるところを偶々目撃しまして、その瞬間『あ、無理だ。』と感じて、その後視力が低下した時に最初から眼鏡にしました。

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