288話 2人の喧嘩
剣術・魔法大会が終わってから数日後。
私達は学園生の日常に戻っていた。
そして、今は放課後の生徒会室。
私はとある質問をするべく生徒会長の席に座るベネトさんのところに向かった。
「ねぇねぇ、ベネトさん。」
「ん?なんだ?マリン。」
「五年生って年明けから卒業式まで暇だよね?」
「‥‥確かに否定はしないが、言葉は選ぼうぜ、マリン。」
「それは進路が決まってる人だけ?」
「無視かよ‥‥」
「どうなの?」
「まあ、確かに暇なのは進路が決まってるやつぐらいだな。年明けまでに決まってないのは大抵平民だ。でもそういうやつらでも順次決まる。なんの予定もなく卒業式を迎えるやつはこの学園にはいない。」
「‥‥姉様が特殊だったってこと?」
「うっ‥‥えっと‥‥まあ、そうだな。」
「そっか‥‥」
「なんでそんな事聞いたんだ?」
「ん?修学旅行やるなら卒業を控えた五年生のその時期しかないかな~って思って。」
『え?』
私達の会話は何気に生徒会室に集まった全員が聞いていたらしい。
一つ上のはずの生徒会長にタメ口なのは今更なので誰も指摘しないが。
「ああ~確かにな‥‥」
「まあ、そうなると修学旅行じゃなくて卒業旅行みたいだけどね。」
「そうだな。‥‥ってまさか、マリン。俺達を第一号にするつもりか?」
「さすがベネトさん。そうしようかな~って思ってる。」
『‥‥‥』
「ちょうどこのあと王城に呼ばれてるし、陛下に可能かどうか聞いてみようよ。」
『え!?』
「いや、確かに呼ばれてるけどな?俺達は別件で呼ばれてるんだぞ?」
「知ってるよ?だからついでに「どうですか~?」って聞いてみるだけだよ。」
『‥‥‥』
「‥‥マリン。陛下は行事が増えることに乗り気だったし、先生達も同じだったはずだ。だから確実に聞いてみるだけにならない。採用されるに決まってる。」
「そう?」
「ああ。‥‥マリン。俺は殿下の護衛も兼ねてこの学園にいるんだぞ?なのに卒業する前から一時的でも自ら離れてどうするよ?」
「卒業したら私に丸投げするとか言ってた癖に~?」
「丸投げとまでは言ってないだろ‥‥」
「‥‥ベネトさんは修学旅行行きたくないの?」
「行けるもんなら行きたいが、マリン達の時に随行するので十分だ。」
「それは修学旅行って言わない。」
「俺はいいんだっての。」
「私がやだ!」
「なんでだよ!?」
「ベネトさんにもお世話になってるから、ちゃんと学園生活の思い出を残してほしい。ずっとレグルスと一緒である意味楽しかったかもだし、飽きることもなかった様に見えてた。けど、ベネトさんも私達とは別に友人がいるでしょ?クルト先輩とか。その人達と思い出作りたくないの?」
「! まあ、確かに殿下といるともれなくマリンがいるから楽しかったし、この日常に飽きるなんてあり得ないな。‥‥でもな、マリン。思い出ならこの間の剣術・魔法大会だけで十分だ。だから修学旅行はマリン達の代からにしろ。」
「むぅ‥‥ベネトさんのば~か!!いいもん!そっちがその気なら強制的に行かせてやるんだから!」
「はあ!?」
「こうなったら先に行って陛下に話つけてやる!!」
と私は踵を返して扉に向かった。
「な!‥‥ちょ、ちょっと待て!!マリン!!」
背後でベネトさんの焦った声が聞こえたが、無視してさっさと生徒会室を出た。
私は何気に副会長職にあるのだが、自分の分は終わらせてある。このまま向かっても問題ない。
「殿下、シリウス達もマリンを追うぞ!」
『え?』
「あ、ああ‥‥そうだな。」
ベネトとマリンの喧嘩など珍しい。と呆気にとられていた一同はベネトの声で我に返るのだった。
そして、ベネトに続いてシリウス達も生徒会室からバタバタと出ていった。
残された他の生徒会一同は‥‥
『行っちゃった‥‥』
「‥‥あ。でもさすが、会長も副会長も仕事ちゃんと終わらせてくれてますよ。」
「‥‥他の方々もだ‥‥」
「‥‥こういうところを見ても思うが、本当に末恐ろしい方々だよな‥‥」
「陛下と普通に話すっぽいし‥‥」
「そこは救国の天使様だからだろ?」
「ああ!確かにな。」
いつの間にか『救国の』が加わっている。
「そういえば、修学旅行ってなにかな?」
『さあ‥‥?』
「‥‥マリン様の頭の中ってどうなってんだろうな?」
『‥‥‥』
「剣術・魔法大会の発起人だし、長年放置されてた庭園を自分主導で復活させるし。」
「まだ他にも考えてたりして。」
「あり得るわね‥‥」
多くがそれに頷く中‥‥
「なあ、確認なんだが、俺達も終わったら帰っていいんだよな‥‥?」
『‥‥‥多分。』
トップ2人が揃って指示を忘れていた。
‥‥が。この場にはベネトの友人兼書記がいた。
クルト・フォン・ウィンクルム。ちなみに侯爵家の嫡男だったりする。
「ああ。ベネトから指示がなくても帰ってていいって言われてる。みんな、終わったら順次帰っていいぞ。」
「え?いつの間に聞いたんですか?」
「ん?ベネトが生徒会長になった時だが?」
『え?』
「仮に自分が指示を忘れて先に帰る様なことがあったら頼むってな。‥‥まあ、今までなかったから俺も軽く忘れていたがな。マリン嬢も真面目な方だからきっちり終わらせてから帰るんだが、まだ副会長だからか、指示のことが頭から抜けていたんだろ。」
『へ~!!』
「みんな、分かったら終わらせて帰るぞ。」
『はい。』
トップ2人が指示を忘れても意外と回る生徒会。
それは書記職につく彼がこうして補うからである。
◇◇◇◇◇
一方のマリンはというと、ベネトを振り切り、家の馬車に乗って城に向かっていた。
そして、城門を相変わらず顔パスであっさり通りすぎ、城内を案内の執事と歩いていると。
『マリン!!』「「マリン姉様!!」」
背後から響いた友人達とリオト、ルビアの声。
「チッ。もう追い付いたか‥‥」
「マリン様‥‥?言葉使いが乱れておいでですよ?」
「ふふっ。失礼致しました。‥‥ああ、そうそう。後ろから聞こえた声ですが、王太子殿下や皇太子殿下など友人達が勢揃いでいらっしゃってる様です。さすがに廊下を走るなどはしたないことはなさっていない様で安心はしましたが、私は陛下に先にご相談したいことがありまして。執事さん。王太子殿下に反抗し辛いかとは思いますが、私がいいと申し上げるまで全員を中に入れないで頂けますか?」
「え?しかし‥‥」
「陛下には私から申し上げますわ。」
「‥‥畏まりました。ですが、長くは無理ですよ?」
「ええ。あの集団の内2人は仕える主の一人ですし、皇太子殿下もいらっしゃいますからね。なるべく早めに終わらせますわ。」
「よろしくお願い致します。」
「はい。」
そして、いつもの部屋に到着した私は内心「これで邪魔は入らない。」と思いながら扉をノックして入室した。
陛下に促されてからソファーに座ると。
「陛下。お待たせしましたか?」
「いや、いつもより早いぐらいじゃないか?」
と話していると、部屋の外が賑やかになった。
ちなみにこの部屋には陛下だけではなく、フレイ兄様以外の私の兄弟が勢揃いしていて、他には王妃様、父様、公爵様もいる。
「‥‥なんだ‥‥?」
「シリウス達ですよ。でも執事さんに言って止めてもらってます。」
「ん?何故だ?入れてあげればいいじゃないか。呼んだのはマリンだけじゃないんだぞ?」
「はい。存じてます。みんなを入れないのは分からずやのベネトさんを無視して陛下に直談判する為です。」
『は?』
私が生徒会室でベネトさんと話した内容を伝えると。
「ははは!なるほどな。‥‥でも確かに聞いた限りは修学旅行となると、その時期しかない気がするな。」
「はい。どうしても馬車移動になりますから、日数的に数日で行って帰ってくるとなると、近場しかないでしょう?」
「そうだな。‥‥マリン。修学旅行も前世の知識からだったよな?前世ではどうしてたんだ?」
「えっと‥‥まず、私が暮らしていた国に馬車はなかったです。」
『え!?』
「馬車がなくてどうやって移動するの?」
「移動手段は色々ありますよ?その中でも最速の乗り物だと、こちらでは馬車で一週間以上掛かるところでも数時間で行けました。」
『え!?』
「‥‥私に再現は無理ですからね?」
『‥‥‥』
「なので、修学旅行先を他の国にするところもありましたね。」
「そうか。‥‥まあ、どちらにせよこっちは馬車移動するしかないのは変わらない。‥‥修学旅行の期間を1ヶ月ぐらいに定めたら幾つか選択肢を出せるか‥‥」
「ですね。‥‥いかがでしょうか?陛下。」
「面白そうだ。ベネトの代から行かせよう。近く要項やら目的地候補を記載して纏めたものをあげてくれ。年明けすぐに行かせるなら時間がない。」
「了解です!」
その時、扉をノックする音がして陛下が返事を返すと、執事さんからのギブアップだった。
「‥‥もういいんだよな?マリン。」
「はい。」
満面の笑みで陛下に答えて差し上げた。
すると、私に負けた友人一同が入ってきた。
「ふふん!ベネトさん、私の勝ちよ。」
「な!?‥‥ああ、やっぱり生徒会室で止めないと駄目だったか‥‥」
「私を物理的に止められるとでも?」
『‥‥‥』
「無理だな‥‥」
「そう。私を止めたいなら口で勝つしかないの。」
「いや、それも無理だろ‥‥」
「そう?‥‥ベネトさんが私の意図を理解しないからこうなるのよ。」
「え?どういうことだ?」
「自分で考えたら?‥‥ここは王城で私達は陛下に呼ばれたから来たの。この場で優先すべきは陛下だわ。」
「マリンがそれを言うか‥‥同じく呼ばれていた俺達を閉め出した癖に。」
「原因を作ったのはベネトさんでしょ?‥‥いいから座ったら?大切な皇太子殿下まで立ったままよ?」
「チッ‥‥ああ、分かったよ!」
ベネトがマリンから離れたところに座ったところで、シリウス達もそれぞれ座っていったが、ベネトも悪態をつくなどこれまでになかった。国王の前ならば尚更。
なので、マリンが喧嘩するのも珍しいが、相手がベネトということで更に珍しいと、この部屋に集まった一同も呆気にとられていたのだった。
「さて。‥‥申し訳ありません、陛下。私の我が儘に先に付き合わせてしまって。」
マリンのこの言葉で一同は我に返った。
「え?あ、いや。‥‥珍しいな、マリン。」
「ふふっ。‥‥それで、今日のご用件は先日の剣術・魔法大会のことですか?」
「ああ。リオトとルビア、シリウスと皇太子、辺境伯夫人2人とリリやマリア。それぞれの襲撃事件のことだ。」
「やっぱり‥‥犯人達、何か喋りましたか?」
「ああ。大半はマリンを誘拐してその能力を利用しようとしたらしい。」
『は!?』
「無理なのに馬鹿ですね~。」
狙われたマリンが一番呑気だな‥‥
分からなくもないが‥‥
と周囲が思っていると。
「‥‥ではリオト、ルビア、シリウス、レグルス、母様達、リリ姉様、マリア姉様は私を誘拐する囮にされかけたと?」
「ああ。簡単に言うとそうなる。」
「‥‥重傷ぐらいにはさせれば良かったかな‥‥」
『!!!』
「マリン。全員無事なんだ。過ぎたことだしな。」
「それでも納得いきません。‥‥折角みんな立場を気にせず楽しんでくれていたのに‥‥」
『!!』
マリンのこの一言に一番反応したのはベネトだった。
マリンが何故あんなに突っ掛かってきたのかが不思議だったベネトは今の一言にヒントを感じたのだった。
「‥‥でも、シリウスとレグルスの時は違ったのでは?明確に殺傷能力の高い槍の雨でしたし。」
「ああ。だから最初に「大半は」と言ったんだ。‥‥シリウスと皇太子の時のやつらは明確に2人の命を狙っていたらしい。」
「!!‥‥理由は?口を割りましたか?」
「ああ。もう命はないと諦めて口を滑らせたよ。‥‥シリウスは王族に一矢報いるため。皇太子は王族が責められる状況に陥れるためだと。」
「‥‥では犯人にとっては2人の対決は千載一遇の機会だったと?」
「‥‥ああ。腹立つが、そういうことだ。」
「へぇ~‥‥そいつらには後遺症が残るぐらいしてやれば良かったですかね?」
『!!』
「‥‥いや。‥‥マリン。怒ってくれるのは嬉しいが、やつらは王族と皇族に反抗したんだ。命はない。だからマリンが手を染める必要はないし、染めなくて良かったと思っている。‥‥私としては2人を守ってくれただけで十分だ。」
「‥‥まあ、そうですね。」
マリンから剣呑な雰囲気が抜けて安心した一同だったが‥‥
「ところで、マリン。ヒスイ達からあの時のことは粗方聞けたからいいんだが、兄弟間の連携がすごかっただろ?いつの間に打ち合わせしたんだ?」
「? 陛下がご覧になった通り、打ち合わせなんてしてませんよ?‥‥ただ、私が動いたら兄様達は自分にできる範囲で動いてくれるって思ってましたし、その後どう状況が変化しても私だけじゃなく、兄様達なら対応できると信じてましたから。」
「やっぱりマリンもそういう考えだったんだな。俺はマリンがいるなら無茶する必要はないなとは思ったが、あの時は母様達やリリ達を守るのが優先だと判断したんだ。それなら絶対なる守護の保証があるマリンをリリ達の側に残す方がいい。だから俺はマリンにリリ達を任せて動く方を選んだんだ。」
「あ。やっぱりヒスイ兄様も同じなんですね。俺も同じことを考えてマリンに任せて動くことにしたんですよ。例え俺やヒスイ兄様に狙いが移ってもマリンだけじゃなく、フレイ兄様や姉様もいましたからね。なんの不安もなく駆け回りました。」
「ふふっ。やっぱり。‥‥私はマリンやアクア、兄様達についていくなんて無理だって昔から分かってた。だからせめて魔法はって頑張ったんだから、ああいう時に役立てなかったら意味ないもの。」
「なるほど。全員がお互いを信頼してのことか。会わない期間があってもあれほどとは‥‥この兄弟だからこその連携だったんだな。‥‥この兄弟を見ていると本当に羨ましいな、ラルク。」
「私でさえたまにそう思います。」
「そうか。‥‥さて、私の話したいことは話したが、聞きたいこととかあるか?」
「あ。えっと、話を戻しますが、最初のルビアとリオトの時の犯人は私と直接話したい様なことを言ってましたが、結局聞いてないんです。それは聞いてますか?」
「ああ。そいつらはルシアを追いかけ、取り戻すつもりでマリンを利用しようとしたらしい。」
「え?今頃?もう教国に着いてますよね?」
「ああ。でも、マリンに隙がなかったからあの日になったと。」
「本当にろくでもないことだった‥‥」
「「だな‥‥」」
「‥‥他のマリンを誘拐するつもりだったやつらのも聞くか?そっちはこの場に集まってもらった全員が確実に腹立たしい思いをするだろうから、先程は敢えて言わなかったんだが‥‥」
『伺います。』
「‥‥分かった。心して聞けよ?」
全員が頷いたのを確認した陛下は口を開いた。
「マリンを色んな意味で汚そうとしたらしい。」
『!!!』
「えっと‥‥色んな意味とは‥‥まずは貞操。‥‥あとは私に殺人とかの犯罪をやらせて手を染めさせる‥‥とかですか?」
「正しくその通りだ。‥‥貞操はもう少し成長してから奪うつもりだったとか宣っていた。」
『!!!』
「うわっ‥‥ルシアみたいな気持ち悪いやつが他にもいたんですね‥‥。この場に母様達4人共いなくて良かった‥‥」
「そうだな。‥‥こうして普通に話せるのもマリンが負けることはないと分かってるからだな。」
「ですね。‥‥私は伺いたいことも聞けましたし、満足ですが、皆さんはいかがですか?」
大半がないと答える中、一人だけ。
「陛下。よろしいでしょうか?」
「ん?いいぞ。ベネト、なんだ?」
「‥‥修学旅行は俺の代からになるのですか?」
「ああ。そうだ。」
「何故あっさりマリンの我が儘を‥‥」
『え?』
「ベネト、本当にマリンの我が儘だと思ってるの?」
「え?違うんですか?」
『ああ~』
「道理で閉め出す訳だわ‥‥」
「え?」
「ベネトさん。マリンが最初に修学旅行の話をしたのは帝国だっただろ?」
「ああ。そうだな。」
「内容覚えてるか?」
「ああ。歴史的遺産を見るとか外国に行くとかするんだろ?現地で色々学ぶことを目的とした行事って。」
「他は?」
「他?‥‥ああ、行く場所の候補を出して生徒が行き先を決めていい場合もあるとか言ってたか。」
「それだよ、ベネトさん。」
「え?‥‥どういうことだ?殿下。」
「じゃあ、ベネトさん。最後の助言。私、さっき生徒会室でベネトさんになんて言った?」
「え?‥‥まさか友人達との思い出がどうのってやつか?」
「うん。」
「‥‥悪い、マリン。本気でわかんねぇ。マリンがさっきやたら突っ掛かってきたのも、俺に修学旅行に行かせようとする理由も。‥‥悪態ついちまったのも謝る。すまん。だから教えてくれ。納得できることなら喜んで行く。後輩達のためにもなるだろうし。」
「ふふっ。仕方ないな~。‥‥でも悪態はここでついたんだから私だけじゃなくてみんなにも謝らないと。特に陛下には失礼だよ?」
「あ。確かに。‥‥陛下、皆さん。先程は大変失礼な態度を取りました。申し訳ありません。」
「ああ。構わないよ。マリンとベネトの喧嘩なんて珍しい光景を見たからな。なかなか新鮮だった。2人共喧嘩するような性格じゃないだろ?」
「えっと、まあ、そうですね。」
「俺達もいいよ。煽ったのはマリンだしな。」
「あ。確かにそうでした。‥‥私も失礼致しました。」
全員が笑顔で頷いてくれたところで。
「さて、ベネトさんの疑問を解消してあげないとね。」
今年はこれが最後の投稿です。来年も完結までしっかり書き上げる所存で頑張ります。
そして、恐らく、お正月は投稿をしないんじゃないかと思います。できそうだったらします。
では、皆様。よいお年をお迎えください!