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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第10章 学園行事
263/289

287話 大会の終わりと‥‥

私達の兄弟対決再開が決まり━━


「マリンはともかく、ヒスイ達も大丈夫なのか?」

「はい。大丈夫ですよ、父様。」

「分かった。なら再開するから移動してくれ。」

『はい。』


そして、私VS上の兄弟4人対決を再開させるべく、立ち位置に移動する。


到着すると同時に父様が私達をそれぞれ見る。

それにそれぞれ頷いたところで。


「それでは、再開する。‥‥始め!」


‥‥とは言っても、内容的には大体さっきと同じ。お互いに使う魔法をちょっと変えたりしただけ。そして今度は決着がつくまでやった。

と言っても、私が一人ずつ(バレット)を当てて場外に出していっただけ。

ということで。


「そこまで!‥‥勝者、マリン!」


その瞬間、会場中から拍手が鳴り響いた。

その間に兄弟全員が武舞台に戻ってきて、私のところまで集まってきた。

そして、陛下がマイク越しに話し始めると、拍手がピタッと止まった。


[クローバー辺境伯家の兄弟達。見事な戦いだった。]


私は兄弟達と共に陛下に一礼した。


[来年も見せてくれるか?]

『え?』


会場中の人達だけではない。私達の声も被った。


え?来年もやるの? と。


[まあ、強制はしない。気が向いたらでいい。]


どう反応したらいいわけ?


と思っていたら、私達の側にいつの間にかシリウス達友人が勢揃いしていた。


「マリン。拡声を俺に掛けてくれ。」

「へ?シリウスに?」

「ああ。」

「? 分かった。」


と言ってシリウスの手をとり、拡声(ラウンドスピーカー)を掛けると。


[父上。来年は私達友人全員との対決はいかがでしょうか?]

「は?」

[ふむ。‥‥それも面白そうだな。]

[では、私達も来年までに更に強くなっておきます。私とリゲル、レグルス‥‥ベネト殿とリジアは本人が望んでくれればということで。‥‥この対決はいかがでしょうか?]

[いいな。‥‥楽しみにしているぞ、シリウス。]

[はい。父上。]


そう言ったあと、シリウスが私を見たので「解除して」ってことかなと判断して、解除した。


「ありがとな。マリン。」

「いいけど、勝手なことを‥‥」

「もちろん、来年大会をやった時にマリンが決めたらいいことだ。」

「まあね。」


やがて、騎士の一人が近付いてきて、シリウスにマイクが渡された。


「表彰して終わりってことだな。」

「だね。」


そして、一年生から順に剣術、魔法それぞれの優勝者に賞状の授与が行われた。

リオト、私、ベネトさんは両方で優勝しているので2枚もらうことになる。

そうして賞状の授与が終わると、ベネトさんが閉会の挨拶をして、この剣術・魔法大会自体は終わりを迎えた。


そして。


私達はその後、貴賓室に集まっていた。

王族、皇族、公爵家、大公夫妻、辺境伯家+リジア。


「えっと、ヒスイ兄様、リリ姉様、フレイ兄様、マリア姉様。まず確認なのですが、ここに集まった全員に一斉に話すということで良かったのですか?」

「え?姉上もなのか?」

「あ。マリア姉様のことは言ってなかったね。‥‥マリア姉様もリリ姉様と同じだよ。」

「そうか。」

「マリン。報告したいと思っていた全員が集まってるからちょうどいい。一斉に話すよ。」

「分かりました。では、音漏れ防止処置をしますので、ちょっと待ってくださいね。」


と、私は蜃気楼(ミラージュ)、シールドに消音(サイレント)を貴賓室に掛けた。


「皇族の皆様。いいですよ。」


そう言うと、魔道具を解除した皇族達が姿を見せた。


「ああ~!!やっと話せる。‥‥それで?ヒスイ達はなんか話があるのか?」

「はい。‥‥正確にはリリとマリアですが。」

『え?』


「ま、マリンちゃん。」

「はい?」

「その、また手を握っていいかな?」

「ふふっ。いいですよ。」


と答えると、私の両手を左右からリリ姉様とマリア姉様が握った。


「クリス。また肩に手を置いててくれないかな‥‥?」

「いいけど、2人共?」

「「うん。」」

「仕方ないわね‥‥」


と、苦笑いを浮かべた姉様も私の背後に回り、リリ姉様とマリア姉様の肩に手を置いた。


「なんだなんだ?そんな怖くなること言うのか?」

「ふふっ。皇帝陛下、怖く感じてるのはリリ姉様とマリア姉様だけですよ。」

「そうなのか?」

「はい。とりあえず、お2人の言葉を待って差し上げてください。」

「? 分かった。」


「「‥‥‥」」

「リリ?」「マリア?」


2人が深呼吸し出すと、王妃様とアリア様が問いかける様に名前を呼んだ。


「「か、母様。」」

「「ん?」」

「「‥‥‥」」


それでも2人は尚も勇気が出ないみたいなので。


「リリ、マリア。」

「リリ姉様、マリア姉様。」

「クリス‥‥」

「マリンちゃん‥‥」

「大丈夫。」「大丈夫です。」

「「うん。」」


そして、リリ姉様とマリア姉様は私と姉様、ヒスイ兄様とフレイ兄様以外の全員を見渡してから口を開いた。


「み、皆様。その、わ、私とマリア、は」

「その、か‥‥」

『か?』


互いを見て頷いたあと、すうっと息を吸い込んだ2人は同時に言った。


「「私達、懐妊しました。」」

『‥‥‥え?』


「皆様、懐妊ですよ。」

『えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?』


「ふふっ。賑やかですね~。」

「「「そうね~。」」」


母様達2人も気付いてたので驚きはない。

そして、リリ姉様とマリア姉様は言えたことにほっとしたのか、手を離した。

それに合わせて姉様も2人の肩に置いていた手を離した。


「ま、マリン。あの時、懐妊に気付いていたということか!?」

「はい。そうですよ?‥‥ふふっ。初孫ですよ?陛下。」

「え?‥‥あ、そ、そうだよな‥‥」

「おお‥‥陛下が動揺するところを見れるとは‥‥」

「確かに貴重ね‥‥」


「ま、マリン、クリス。事実なのか?」

「ここにもいましたね‥‥」

「そうね‥‥」


2人目の動揺している人。もちろん、父様だ。


「事実ですよ?私の鑑定だけではなく、医師様にも診察して頂いた結果ですから。」

『!!!』

「ヒスイ兄様、フレイ兄様。リリ姉様とマリア姉様はこれから体調が安定しなくなるでしょうし、食べられる物も減ってくると思いますので、ちゃんと見ていてあげてくださいね。

‥‥ってマリア姉様はセレス母様がいるから大丈夫ですね。となると‥‥問題はリリ姉様ですね‥‥」

『え?』


「ま、マリン。何故そんなに詳しいんだ?」

「え?えっと‥‥前世の知識とだけ申し上げておきます。父様、詳しく聞かないでください‥‥」

『‥‥‥』


「とりあえず、リリ姉様、マリア姉様。人によって症状は違いますが、眠気も吐き気も妊娠の兆候の一つですし、吐き気は悪阻と言ったりもします。今まで好きだった食べ物が匂いだけで吐き気を感じたりもするらしいので、頑張ってください!」

「「え!?」」

「それはもう、好きだったはずなのに!と敵に見えるぐらいらしいですよ?」

「「!!」」

「リリ姉様。たまに遊びに行きます。今までよりも。」

「!! ええ。待ってるわ。ありがとう、マリンちゃん。」

「ふふっ。リリ姉様はディアナ母様を頼って頂けばいいですかね?」

「そうね。母親の先輩としてちょくちょく大公家に行ってあげるわ。」

「! お願いします。お義母様。」


と私達だけで話していると。


「リリ~私は~?」

「母様は王妃ですから城からそう簡単に出るべきではありません。」

「うっ。‥‥マリン~‥‥」

「えっと‥‥陛下の許可が得られたならこっそり送迎して差し上げます。」

「!! ほんと!?」

「え、ええ‥‥」

「それなら、マリン。私も辺境伯家に!!」

「え!?‥‥領地の方‥‥ですよね‥‥?」

「もちろん!!」

「うっ。えっと‥‥」


ど、どうしよう‥‥


と思っていると、


「「マリン。」」

「し、シリウス、リゲル。まさか2人も?」

「違う。いや、違うって言ったら姉上が誤解するか‥‥と、とりあえず、母上の我が儘は気にしなくていい。いつか父上を説き伏せて大公家に行くに決まってる。マリンがそこまでしなくていい。」

「うちもだ。母上の我が儘は無視していい。マリンの負担が増える。」

「「‥‥‥」」


グサッと来たのか無言になった王妃様とアリア様。


「えっと‥‥」

「マリン。シリウスの言う通りだ。妊娠に気付いてくれたことは感謝するが、それ以上は気にしなくていい。当然、ルミナスの我が儘も無視して構わない。」

「うちもです。マリアの懐妊に気付いてくれたこと、感謝します。ですが、アリアの我が儘は無視して構いませんよ。」

「「え~」」


これはどっちを選べば‥‥?


と思っていたら、ディアナ母様が何故か私の頭を撫でながら言った。


「ふふっ。マリン。ルミナス先輩もだけど、アリアも行こうと思えば行けるわ。だから、マリンが答えてあげたいと思ったなら答えてあげたらいいの。」

「ディアナ母様‥‥分かりました。」


そして、ここまで静観していた皇帝陛下が口を開いた。


「それなら、来年はリリとマリアは呼ばない方がいいかもしれないな‥‥」

「ですね。子供が産まれたばかりぐらいでしょうから。」

「だよな。」


そして、私はシリウス達に視線を移した。


「シリウス、リゲル、リオト、ルビア。」

「「ん?」」「「はい?」」

「私達、成人前に叔母や叔父になっちゃうね。」

「「「「!!」」」」

「た、確かにそうなるんだな‥‥」

「叔父って‥‥」

「ふ、不思議な気分です‥‥」

「そうですわね‥‥」

「ふふっ。いつかリオト叔父様とか言われるんだよ~?」

「!! お、叔父‥‥僕、まだ12歳なのに‥‥」

「呼ばれ始める頃には成人してるよ。」

「それでも、まだ10代では‥‥?」

「えっと‥‥まあ、そうだね‥‥私達もだろうし。」

「「「「‥‥‥」」」」


「ま、まあ、それはさておき。‥‥リリ姉様、マリア姉様。報告できましたし、安心できました?」

「「もちろん!!」」

「ふふっ。では、そろそろ帰りましょうか?この貴賓室に籠ったまま出てこない陛下方を騎士達や魔法師団の方々が心配してらっしゃる様なので。」

『え!?』

「陛下方だけならまだしも、私達辺境伯家まで入っているんです。部屋の外にいる方々からしたら無音ですし、中でなにしてるんだろう?って思ってらっしゃるかと。」

『あ。』

「なるほどな。それならまずは俺達だな。」

「ですね。皇族の皆様、大会はお楽しみ頂けましたか?」

『もちろん!!』

「ふふっ。それなら良かったです。では、魔導具返してくださいね。」

「‥‥‥しばらく借りたら駄目か?」

「駄目です。陛下は特に駄目です。」

「‥‥‥」

「来年の夏休み、帝国に行った時に宰相様筆頭に文句が来ます。」

「うっ‥‥そうだよな‥‥」


と渋々返してくれた皇帝陛下。続いて他の皇族の皆様は全員すんなり返してくれた。

もちろん速攻でストレージに入れ、ゲートを開いた。


「じゃあ、マリン。連日の送迎、ありがとな。‥‥来年も夏休みになったらまた来いよ。しっかり招待してやるから。」

「了解です!」


そうして、満足気に皇族の皆様がゲートを通って帝国に帰ったあと。


「えっと‥‥陛下。」

「ん?」

「フレイ兄様とマリア姉様、領地にお帰ししていいでしょうか?」

「ん?構わないぞ?何故そんなこと聞いたんだ?」

「え?さっきの襲撃事件にフレイ兄様もマリア姉様も巻き込まれたからですが?」

「ああ!‥‥他の兄弟達のが聞ければいい。」

「陛下、今忘れてましたね?」

「うぐっ‥‥」

「ふふっ。まあ、構わないと仰って頂けるなら。」


と再びゲートを繋ぎ直した。


「じゃあ、ありがとな。マリン。」

「ありがとう、マリンちゃん。」

「はい。」


そうしてフレイ兄様とマリア姉様も領地に帰っていった。

そして、蜃気楼(ミラージュ)やシールドも解除した。


「さて、帰りましょうか?」


全員が同意を示してくれたところで、私は扉を開き、外で待っていた人物に声を掛けた。


「メリアさん。お待たせしました。」

「え?メリアが待ってたの?」

「はい。リリアーナ様、お久しぶりにございます。この大会期間中、ご挨拶できずに申し訳ございません。」

「いいのよ。私はもう、王女の立場にないんだから。」

「そうはいきません!」

「そ、そう‥‥」


私とリリ姉様の後ろからも当然、人が出てくるので、廊下で分かれることになった。


「じゃあ、シリウス、リゲル、リオト、ルビア。また学園でね。」

「「ああ。」」「「はい!」」


そして、私達辺境伯家、大公家+リジア、レグルス、ベネトさんは歩き始めた。


「あ、マリン。父様に先に帰ってもらってるから、一旦辺境伯家に一緒に行っていい?」

「もちろん、いいよ~。後で送るね。」

「うん。」


こうして、色んなことが起こった剣術・魔法大会の日々は終わった。


この話の冒頭。何気にラルクさんひどいですよね。


「マリンはともかく」って。

この日、マリンは準決勝と決勝×2→リオト、ベネトを含む特典戦→4対1の兄弟対決→襲撃者の返り討ちと拘束。とやったあとです。合間に怪我の治療もやってますし、 兄弟達に回復魔法も掛けてます。

すなわち、一番疲れているはずなのはマリンです。

体力、魔力の数値が表示不能の異常ステータスを知ってるとはいえです。


以上、マリンの心の声を本編に入れるか迷った挙げ句、ここに書くことにしただけでした。


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