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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第10章 学園行事
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272話 合同授業開始

翌日。

マリンが学園に到着すると、校門で友人達やリオト達が集まっていた。

それを見たマリンは、


改めて見るとすごい集団だな。

王太子、第二王子、皇太子、帝国元帥の子息、公爵家の兄妹に伯爵家の令嬢。で辺境伯家の私。

次代の権力の巣窟だな。


とか考えつつとりあえず合流した。


そして教室に向かいながら


「で、何でみんなして校門のところにいたの?」

「マリンを待ってたに決まってるでしょ?」

「え?なんで?」

「逃げないかなって。」

「‥‥‥‥‥‥さすがに逃げないよ。」

「じゃあ今の間はなんだ?」

「特に意味はないよ?」

「マリン姉様。視線を反らしながら言っても説得力がないですよ。」

「そうね。」

「う~ん。座学はいいけど、魔法科の授業どうするかなって思って。」

「え?‥‥あ、いつも通りで大丈夫かなってことね?」

「うん。」

「大丈夫だろ。俺達も似たような感じになってるし。」

「だな。」

「それもそうだね。いつの間にかシリウス達を鍛える形になったけど、こういう時には良かったって思うよ。」


「なんとも複雑な気分だな‥‥。」

「「ああ‥‥」」


そしてリオト達やベネトと別れ、マリン達も教室に入った。



その後、レイヤ先生と共に教国、帝国の生徒会の同い年組が入ってきた。

教国側にはリアラの他に二人。内、一人が男子生徒。

帝国側には‥‥


アリス様‥‥同い年でしたか‥‥。


アリスと他に一人。こちらも男子生徒。

とりあえず、その五人が再び自己紹介を終えたあと通常授業が始まるのだが‥‥


空いてるところで好きな席に座る様にレイヤ先生は言ったにも関わらず、何故か五人共私の近くの席の人達に交渉して座った。

元々、教壇から向かって右端の最前列が首席。それから左に次席、3位と成績順になっている。なので、首席である私の隣は次席のレグルスだけ。

そして教国、帝国の五人はレグルスにも交渉していたが、レグルスは全く譲らなかったので、五人共私達の真後ろに座った。

多分、レイヤ先生の予定では一番後ろに空席を作っていたので、そこの中で好きなところに座ってと言ったつもりだったと思う。


伝わらなかったのか、敢えてスルーされたのか‥‥?


とりあえずとそのまま授業は開始された。



そして昼食の時間。

五人全員食堂に行きたいとのことで、やっぱり私達が案内する羽目になっていた。

こういう時、生徒会は面倒である。


ちなみにアイリスは「こんなとんでもない人達の巣窟にいたら味が分からなくなる」と言って別のテーブルで他の友人達と食べている。


そして私達が10人で集まって食べるとやっぱりいつも以上に目立ってしまう訳で‥‥


「天使と聖女様が一緒に‥‥!」

「あのテーブルだけものすごい立場の人達が集まってるよな。権力の巣窟‥‥?」


後者の人、私が思ってたことを口に出した‥‥!


と思いつつ昼食を食べ終わると、今度はリアラ様からの話が止まらなかった。

私は当たり障りのない範囲で答え続けていると、ようやくお昼休憩が終わった。

のだが‥‥次は魔法科の授業だったので、開始前に一応聞いてみることにした。


「‥‥レイヤ先生。」

「はい?」

「私達、いつも通りでいいんでしょうか?」

「あ‥‥‥繕ってもしょうがないですし、時間の問題でしょう。最初からいつも通りでいいと思います。」

「時間の問題‥‥?では、とりあえずいつも通りにしますね。」


そして授業開始後。


私達のいつも通り=魔法戦である。

勿論、威力は抑えている。私以外の四人も私のせいで実力がおかしくなってるそうで、レイヤ先生曰く四人も本気でやると魔力障壁を破壊してしまいかねないそうだ。特にリジア以外の三人。


そして私達がいつも通り魔法戦をやっているのを呆気にとられて見ている帝国、教国からの皆様。

なんと五人共魔法試験で入試を突破した方々だった。


「剣術で入試突破した人おらんのかい!」と初日に私が心の中で突っ込んだのは誰も知らない‥‥‥はず。


そして五人が一緒なのは魔法科だけじゃない。貴族科もだ。そして家庭科は女子のみだった。けど、いた。


結局この五人全員と離れられるのは武術科だけだった。


それが分かったのは合同授業開始三日目だった。

そして今、武術科の授業中だ。

ヴァン先生に「精神の安定を取り戻したいので是非とも弓道でお願いします」と言うと、あっさり許可が出た。

私の顔に疲れが見えたそうだ。


この三日間ほっとできたのは屋敷だけ。学園にいる間、ずっと疲れていた。

何で私達にずっと引っ付いて回るかな~?と言いたくなるぐらい一緒に行動せざるを得なかった。生徒会室にもくるのだ。

それはまあ、当然か‥‥「生徒会の合同交流会」だから。


そんなことを考えていたのをやめて弓を射ることに集中する。

そして中心から僅かに離れたところに刺さったのを見た先生から「本当に疲れてんだな‥‥クローバー」とちょっと憐れみの混じった顔を向けられた。


余談だが、袴は今や私だけではなくシリウス達も着ていて、何故か違和感なく着こなしている。

アイリスは可愛かった。尻尾穴を開けてそこから出て嬉しさを隠しきれないという感じの尻尾が‥‥!



そして授業が終わり、生徒会に行って一通り終えて「明日は休みだ~」と思っていたのに‥‥


「マリン様。よろしければ、明日は王都を案内して頂けませんか?」


とアリス様が言ってきたのを聞いたリアラ様が、


「それなら是非、私もご一緒したいです!」

「‥‥‥」


いや、マジで軽く言わないでくれるかな!?

私、意外と王都を歩き回ってないから何も知らないよ?

何より二人共、自分の立場考えてくれないかな!?

公爵令嬢と聖女様だよ!?分かってる!?


と声に出しそうになったのをグッと堪えてる間に残りの人達も乗っかってきて、既に断れる空気じゃなかった。


そしてシリウス達。三人も王太子、皇太子、公爵家嫡男。ふらっと出歩かせては駄目だ。むしろ言ってきたら止めるべき立場の人達だ。


だからリジアだけ誘おうと思ったのに‥‥


私が無言で以上のことを考えている間にいつの間にかシリウス達も参加表明していた。

なのでついに私は言った。


「シリウス、レグルス、リゲル、アリス様、リアラ様。」


五人が「ん?」とでも言いたげに私を見たので、


「ご自分の立場を弁えて頂けませんか?」

「「「「「え?」」」」」

「え?じゃありません。王太子、皇太子、貴族の子息令嬢、聖女の立場。皆様は本当に分かってますか?」

「「「「「はい。」」」」」

「いえ。分かってません。分かってたらサラッと私達だけで王都案内など無理だと分かる筈ですよ。」

「マリンが一緒なら大丈夫だろ?」

「出た!その意味不明な信用。私は要人警護の任務なんて受けた覚えないんですけど!?あと、意外と私は王都を歩き回ってないので案内できるところがありません。」

「「え!?」」

「あ~‥‥確かにな。」

「なら、帝都観光した時みたいに適当に歩いて興味のある店に入っていけばいいじゃねぇか。」

「「「「「!!」」」」」

「ベネトさん、余計なこと言わないで!」

「ん?別にいいだろ?警護は俺も手伝うし。」

「ベネトさんも警護対象なんですけど~?」

「え?あ‥‥」

「うわ~もう何でこうなるんだ~!!!」


王国の生徒会メンバーは私の苦悩している姿をちょいちょい見てるので慣れてる人の方が多いが、客人達や一年生達は驚いていた。


「‥‥僕達は名乗り出ない方がマリン姉様の為かな?」

「だと思いますわ‥‥私も行きたかったですけれど。」

「僕も‥‥。」


と話していたリオトとルビアの声が聞こえてきた時、私の中の何かがぶちっと切れた気がする。

次の瞬間にはこんなことを口走ってしまっていた。


「いいわ‥‥」

『え?』

「やってやるわよ‥‥リオトとルビアもいいよ。」

「「本当ですか!?」」

「ええ‥‥これだけとんでもない面子が揃ってるところを襲う馬鹿がいるとは思えないもの‥‥襲ってきたらその馬鹿は腹いせに叩きのめしてやるわ‥‥」

『え‥‥』

「それから全員に条件を言い渡します。」

『は、はい!』

「私の言葉に従って頂きます。勝手な行動をとることも許しません。それでも行きたいですか?」

『はい!』

「‥‥‥‥そこでそんないい返事返されたら断れないじゃないですか‥‥。」

「えっと‥‥いいということでしょうか?」

「ええ‥‥皆さんに襲い掛かる脅威があるなら全て払って差し上げますわ‥‥。」

『おお~!!』

「ベネトさんもだよ?私の言うこと聞いてもらうからね?」

「お、おう。」

「リジア。来てくれるよね?」

「え!?‥‥ええ。行くわ。」

「ありがとう。リジア。私の心の癒しはリジアとリオトとルビアだけだよ‥‥。」

『‥‥‥』


「‥‥‥ということは私入れて12人‥‥?大所帯だなぁ‥‥。」

『‥‥‥』


今頃申し訳なさそうな顔をしないで‥‥

そんな顔するならそもそも提案しないで!


と言い掛けたのをグッと我慢し、「あと数日の我慢だ。そしたら自由が戻ってくる。」と頭の中で念じたマリンだった。



最後に投稿してから15日も経過していたことに作者自身が驚きました‥‥。

もう少し頑張ります。

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