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転生できたので自由に生きたい  作者: 霜月満月
第10章 学園行事
245/289

269話 教国側襲撃の真相

「天使様!」


そう呼んだのは、呼ばれる覚えのない人物。


「「「「‥‥‥。」」」」


「確認ですが、クリードさん。天使様というのはマリンのことを仰ってますか?」

「勿論だ。」

「‥‥‥だ、そうよ?マリン。」

「‥‥私に何か‥‥?」

「盗賊に襲われたあと、俺達を治療してくれた姿が噂に違わず、正しく天使の様だった!是非、お礼をと。」

「えっと‥‥その言葉だけで十分ですので‥‥。」

「いや、是非お礼をさせてくれ。天使様は命の恩人だからな。」

「‥‥‥」


どうしよう‥‥‥逃げたい‥‥逃げていいかな‥‥?

ルシア程じゃないけど、ぞわってきてるんだけど‥‥


と、思っていると。


「クリード!」

「げっ!ヴァルト‥‥見つかったか。」

「当然だろ。何してんだよ?」

「いや、天使様にだな‥‥」

「ぜってぇ迷惑だからやめろって言ったよな!?」

「だが、本当に迷惑かどうかは‥‥」

「いや、どう見ても迷惑そうだろ。マリン様。」


はい。迷惑っていうか今すぐ離れて、二度と会いたくないです‥‥。

ヴァルトさん。とっとと連れて行って下さい。


「マリン様。すみません、一度こっぴどく振られたら諦めると思いますので、お願いできますか?」


何を!?

‥‥振ってくれと!?‥‥面倒くさい‥‥


とは言わず、

「えっと‥‥領地に行く間にも申し上げましたが、少女趣味の方は懲り懲りなんです。今も体がぞわってしてまして‥‥ヴァルトさん、お願いします。クリードさんを早めに遠ざけて下さい。」

「!!!」

「了解です!ありがとうございます!‥‥行くぞ、クリード。」

「いや、待ってくれ。天使様!」


近付いて来ないで~!


と、思わずシリウスとリオトの後ろに隠れた。


「マリン?」「マリン姉様?」

「シリウス、リオト。今の見てたでしょ?クリードさんを追い返して‥‥。」

「「なるほど。」」

と言って、クリードさんを見据えた二人は。


「俺はこの国の王太子である、シリウス・ユラ・セレスティンだ。簡潔に言うぞ。マリンは俺達にとっても命の恩人で、縁戚だ。そして友人でもあるマリンが嫌がってるんだ。諦めろ。」

「僕は第二王子のリオト・ユラ・セレスティンです。僕からも言わせて頂きます。マリン姉様が嫌がってます。迷惑ですので二度と現れないでください。」

「「!!!」」

「‥‥マリン様。すごい方だったんですね‥‥。クリード、王族を敵に回したら終わりだ。行くぞ。」

「‥‥‥」

「あ。衝撃が凄かったみたいだな‥‥では、マリン様。王太子殿下とリオト殿下も。ご迷惑お掛けしました。失礼します。」

「はい。ヴァルトさんは平気なのに、すみません‥‥お願いします。」

「ええ。もう慣れましたから。」


そう言ってにっこり笑ったヴァルトさんはクリードさんをズルズル引きずりながら去っていった。


「はぁ‥‥シリウス、リオト。ありがとう。助かった。」

「いや、いつも助けてもらってるのはこちらだからな。これぐらい構わないさ。」

「そうです。それにマリン姉様に頼って頂いて嬉しかったですから。」

「‥‥マリンって何で変な人にばっかり好かれるんだろうね?」

「リジア。それは私が一番知りたい。」

「でも一緒に行動して正解だったな。」

「ええ。マリンの先生達の言った通りだったわ。」

「え?先生が?」

「うん。私、マリンの代わりに帝国の方々を案内してきたでしょ?その時にあの先生二人がね、クリードさんには注意してって教えてくれてたのよ。で、ここに着いた時にマリンがいなくて残念そうにしてたから三人でまさかと思ってね。私が陛下に報告した後、シリウス達にも話しておいたのよ。」

「じゃあ、ついてきてくれたのはそのため?」

「そういうことだ。」

「助かった~!リジア、本当にありがとう!クリードさん達には何もされてないから、攻撃する訳にはいかないでしょ?本当にどうしようかと思った‥‥。」

「ふふっ。役に立てた様で良かったわ。」


そして私は三人に改めて感謝を伝えたあと、大人しく馬車で屋敷に戻った。

勿論、母様が出迎えてくれたが簡潔に「ものすごく鬱憤が溜まる出来事があったから発散してきます。詳しい話は帰ってからします。」と言って、すぐさまゲートで荒野に向かった。


それから。

私は一人だけで魔法撃ち放題なのをいいことに。


火雨(ファイアレイン)】【大津波(ダイダルウェーブ)】を軽くやったあと。


土壁(アースウォール)】で的を作り。


(サンダー)】で土壁(アースウォール)を破壊し、


残骸と化した土壁(アースウォール)を止めとばかりに【大爆発(エクスプロード)】で破壊した。


「よし!スッキリした!」と屋敷に帰り、母様に一連のことを説明したりして1日が終わった。


そして翌日にはリゲル達の護衛が出発し、南の辺境伯邸に到着したところで、教国からきた護衛達がルシアを連行するために教国へと戻っていった。

リゲル達も教国の生徒会の人達の案内に戻り、ようやく王都へ帰還することになった。勿論重傷を負った治療済みの元護衛達も共にだ。


その間、既に到着している帝国の生徒会の人達には大使館に滞在してもらってるそうだ。歓迎パーティーも教国の人達が到着してから行うらしい。

なのでその間、私達は学園でいつも通り授業を受けていて、これらの情報はシリウスが教えてくれた。



数日後。

いつも通り、学園から帰ろうとしていた私達を馬車の側でメリアさんが待っていた。


「あれ?メリアさん、どうされたんですか?」

「リゲル様方が先程お戻りに。陛下よりマリン様方をお連れする様にと。」

「リゲル、帰ってきたんですね。では、姉様も?」

「はい。ご一緒にいらっしゃいますよ。」

「分かりました。」


そして私達友人達とリオト達も含めてリゲル達がいる城の一室に案内された。


「お待たせしました。陛下。‥‥リゲルと姉様はおかえりなさいです。」

「「ただいま。」」

「みんなよく来てくれた。とりあえず、座ってくれ。」


そして全員が座ったあと。


「では改めてリゲル、クリス。襲撃された状況を教えてくれ。」

「「はい。」」

「私もリゲルもマリンにサーチを教えてもらっていたので魔物達は分かるんですが、盗賊か否かの判断はつかなくて‥‥」

「俺達が街道を進みながらサーチを続けても人の塊がいるなとしか分かりませんでした。なので、そのまま近付いてしまって、道を塞がれ、その内対応してくれていた護衛達が次々と同士討ちを始めていきまして‥‥」

「何故か私とリゲルとルシアだけ何ともなかったので、同士討ちを止めようとしたら‥‥」

「護衛達の相手をしなくて済んだ襲撃者達が纏めて俺達を拘束しようとしてきまして。」

「抵抗したのですが、数で負けた上に途中、マリンにもらったペンダントの紐を切られて落としてしまって‥‥気絶させられて気付いたら牢屋の中でした。」

「なるほどな‥‥クリスとリゲルもなかなかの手練れの筈なのに何故かと思ったが‥‥二人はマリンの話は聞いてるんだよな?」

「「はい。」」

「私達を救出に来てくれた経緯も聞きましたし、同士討ちの真相や襲撃者達の正体は向こうがペラペラ話してくれたのをマリンと一緒に聞いてましたから。」

「そ、そうか。」

「あ。マリン。」

「はい?」

「マリンが治療してくれた護衛達、もう大丈夫だそうよ。騎士達も冒険者達もね。」

「そうですか‥‥良かった‥‥魔法師団の人達も助けられたら良かったんですけどね‥‥。」

「それは仕方ないことだ。さすがに死者蘇生まではマリンでもできないだろ?」

「できなくはないですが‥‥」

「‥‥‥そういえばユラ様を助ける為にって‥‥」

「はい。でもルナの祝福は一回だけなので、複数人は無理です。」

「だよな。だから気にすることはない。遺体はマリンが連れてきてくれたから遺族に帰せたしな。」

「はい。‥‥‥陛下。」

「ん?」

「教国の人達の到着が遅れた分、交流会の日程もずれるってことですよね?」

「そうなるな。」

「‥‥ということは剣術・魔法大会は‥‥?」

『あ。』

「それは同じく試験もずれ込むから大丈夫だ。」

「‥‥‥試験と試験の間が短くなりません?」

「それも仕方ないことだ。ここにいる学生は全員Sクラスの上位を独占している優秀な者達の筈だが、まさか不安か?」

「そんな訳ないじゃないですか、陛下。そっちじゃなくて、楽しい空気があっという間になくなりそうだなってことです。」

「ああ。‥‥そうだな。」

「まあ、できるならいいです。中止になる様なら襲撃者達の刑の執行を代わってもらうところでした。」

『‥‥‥。』


「確認だが、冗談だよな?マリン。」

「何言ってるの、シリウス。」

「だよな。」

「本気に決まってるでしょ?」

『え?』

「結局ルシアを狙っただけなんだよ?いい迷惑だよ。そのせいで楽しみが一つ消えたとか腹立つもん。命をとったりはしないけど、虫の息ぐらいにはしてやりたくなるよ。‥‥‥氷像がいいかな?」

「マリン。しなくて済むんだから物騒なこと言わないでくれ‥‥。」

「うん。あ、陛下。襲撃者、闇ギルドの奴らが口を割らないとかでしたら今の話してみてください。あの人達私が雷打ったの見てたみたいで、私に恐怖心を持ってる様です。なので、効果あるかと思いますよ。」

「あ、ああ。分かった。‥‥‥雷?そういえば家を一軒破壊したんだったか?」

「はい。奴らの拠点の一つだったみたいなので。」

「‥‥‥父上、報告にあったあの子爵領の‥‥?」

「恐らくな。マリン。場所は?」

「えっと、うちの領地と南の辺境伯領の中間ですね。」

「「子爵領だな‥‥」」

「一応申し上げますが、リゲルに止められてその一軒だけ破壊する威力に止めましたからね?」

「「当然だ!」」

「リゲル。よく言ってくれた!」

「ははは‥‥。」

「むぅ‥‥私、破壊神じゃないんですから弁えてますよぅ~。誰も殺してないし、迷惑が掛かる壊しかたも一度もしてませんよね?」

「‥‥‥確かに、それもそうだな。」

「マリンが怒ってても冷静さを忘れない子で本当に良かった‥‥。」

『本当に‥‥。』


「‥‥とりあえず、マリン、クリス、リゲル。話を聞かせてくれてありがとな。後はこちらでやることだから任せてくれ。クリスは引き続き頼むな。」

「はい。」

「マリン達は交流会に集中してくれ。」

「‥‥‥陛下。歓迎パーティーって‥‥」

「明日だ。絶対(・・)出るんだぞ?マリン。」

「‥‥‥はい‥‥。」


絶対を強調しなくても‥‥


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